統合とレジリエンス ~アプローチ5:継続的なテストと訓練による回復能力の向上

統合とレジリエンス ~アプローチ5:継続的なテストと訓練による回復能力の向上

第一回目の「「統合」と「レジリエンス」 の両立 ~複雑化するシステムを制御する」からはじまり、その続編となった「統合とレジリエンスを両立させるための5つの実践的アプローチ」。

そして今回が第三回目となる「統合とレジリエンス ~アプローチ5:継続的なテストと訓練による回復能力の向上」です。まだ、読んでいない方は上のリンクからアクセス頂き、是非ご覧ください。

では、さっそくはじめていきましょう!

3.5. アプローチ5:継続的なテストと訓練による回復能力の向上

3.5.1. 障害シナリオに基づいた定期的なテストの実施

どんなに堅牢なシステムを構築しても、予期せぬ障害は発生する可能性があります。そのため、実際に障害が発生した場合に、システムが設計通りに回復できるかどうかを検証するための継続的なテストが不可欠です。

障害注入テスト(Chaos Engineering) は、意図的にシステムに障害を発生させ、その際のシステムの挙動や回復プロセスを検証する手法です。例えば、ネットワークの遅延や切断、サーバーの停止、リソースの枯渇などをシミュレーションし、システムの脆弱性や改善点を発見します。

定期的に様々な障害シナリオに基づいたテストを実施することで、システムの回復能力を客観的に評価し、改善を図ることができます。

3.5.2. インシデントレスポンス計画の策定と訓練

システム障害が発生した場合の対応手順(インシデントレスポンス計画)を事前に策定し、定期的に訓練を実施することも、事業継続性を確保する上で非常に重要です。

インシデントレスポンス計画には、障害の検知、トリアージ、対応、復旧、事後分析といった一連のプロセスと、それぞれのフェーズにおける責任者、連絡体制、手順などを明確に記述します。

定期的な訓練(机上訓練や実動訓練)を通じて、関係者が計画の内容を理解し、スムーズに連携して対応できるようになることで、障害発生時の混乱を最小限に抑え、迅速な復旧に繋げることができます。

具体例:

Amazonは、社内で「GameDay」と呼ばれる障害シミュレーションイベントを定期的に開催し、エンジニアが実際の障害対応を体験することで、システムの回復力向上とチームの連携強化を図っています。

関連リンク:Amazon GameDay ※外部リンク

4. 統合とレジリエンスの両立によるビジネスへの貢献

4.1. 運用効率の向上とコスト削減

統合とレジリエンスを両立させたシステムは、長期的に見て運用効率の向上とコスト削減に貢献します。システムの自動化が進み、障害発生時の人的対応が減少することで、運用にかかる人的コストを削減できます。また、ダウンタイムの減少は、直接的な売上損失を防ぐだけでなく、間接的な損失(顧客からの信頼低下など)も抑制します。

4.2. システムダウンタイムの最小化と事業継続性の確保

最も重要な貢献は、システムダウンタイムの最小化と事業継続性の確保です。高度なレジリエンスを備えた統合システムは、予期せぬ障害が発生した場合でも、迅速に回復し、ビジネスへの影響を最小限に抑えることができます。これは、現代のビジネスにおいて、競争優位性を維持し、顧客からの信頼を得るための不可欠な要素となります。

4.3. 変化への迅速な対応とビジネスアジリティの向上

疎結合なアーキテクチャやクラウドネイティブ技術の活用は、システムの変化への適応力を高め、ビジネスアジリティの向上に貢献します。新しい技術の導入や機能追加、ビジネスモデルの変化への対応などを迅速かつ柔軟に行うことが可能になります。

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クラウド環境への移行やクラウドネイティブなシステム構築が進む中で、企業にとって極めて重要となるのが、システムの「統合」と「レジリエンス(回復力)」です。単にクラウドへ移行するだけでは、真のビジネス価値は生み出せません。データやアプリケーションが密接に連携し、いかなる障害にも迅速に対応し、ビジネスを継続できる強靭なシステムを構築することこそが、DX時代における競争優位の源泉となります。

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この記事を書いた人
株式会社APPSWINGBY
株式会社APPSWINGBY マーケティング

APPSWINGBY(アップスイングバイ)は、アプリケーション開発事業を通して、お客様のビジネスの加速に貢献することを目指すITソリューションを提供する会社です。

ご支援業種

情報・通信、医療、製造、金融(銀行・証券・保険・決済)、メディア、流通・EC・運輸 など多数

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監修
APPSWINGBY CTO川嶋秀一
株式会社APPSWINGBY  CTO 川嶋秀一

動画系スタートアップ、東証プライム R&D部門を経験した後に2019年5月に株式会社APPSWINGBY 取締役兼CTOに就任。
Webシステム開発からアプリ開発、AI、リアーキテクチャ、リファクタリングプロジェクトを担当。C,C++,C#,JavaScript,TypeScript,Go,Python,PHP,Vue.js,React,Angular,Flutter,Ember,Backboneを中心に開発。お気に入りはGo。

APPSWINGBY CTO川嶋秀一
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動画系スタートアップ、東証プライム R&D部門を経験した後に2019年5月に株式会社APPSWINGBY 取締役兼CTOに就任。
Webシステム開発からアプリ開発、AI、リアーキテクチャ、リファクタリングプロジェクトを担当。C,C++,C#,JavaScript,TypeScript,Go,Python,PHP,Vue.js,React,Angular,Flutter,Ember,Backboneを中心に開発。お気に入りはGo。