SPCとは
SPC (Statistical Process Control) とは、日本語で統計的プロセス制御と呼ばれ、製造工程やサービス提供プロセスにおいて、統計的手法を用いてプロセスの状態を監視し、異常を早期に検知することで、品質を安定的に管理するための手法のことです。
製品やサービスの品質は、様々な要因によって変動します。材料の品質、作業者の skill、設備の精度、環境の変化など、これらの要因によって生じるバラつきを管理し、不良品の発生を予防することが、SPCの目的です。
SPCの基本的な考え方
SPCは、「すべてのプロセスにはバラつきが存在する」という前提に基づいています。バラつきには、常に存在する偶然原因によるバラつきと、特定の原因によって発生する異常原因によるバラつきがあります。
偶然原因によるバラつきは、プロセスに内在する避けられないバラつきであり、管理限界内であれば許容されます。一方、異常原因によるバラつきは、何らかの異常が発生していることを示しており、早急に対策を講じる必要があります。
SPCでは、管理図などの統計的手法を用いて、プロセスの状態を監視し、異常原因によるバラつきを検知することで、プロセスの安定化を図ります。
SPCで用いられる主なツール
- 管理図: プロセスから収集したデータを時系列にプロットし、管理限界線と中心線を用いてプロセスの状態を視覚的に表現する図です。
- xˉ−R 管理図、xˉ−s 管理図、x−R 管理図、p 管理図、np 管理図、c 管理図、u 管理図など、様々な種類の管理図があります。
- ヒストグラム: データの分布を視覚的に表現する図です。プロセスの現状把握、中心値やバラつきの程度、異常値の有無などを確認するために用いられます。 パレート図: 不良項目やクレームなどの発生頻度を降順に並べた棒グラフと、累積構成比を表す折れ線グラフを組み合わせた図です。どの項目に重点的に取り組むべきかを判断するために用いられます。
- 散布図: 二つの変数の相関関係を視覚的に表現する図です。二つの変数の間にどのような関係があるのかを分析するために用いられます。
- チェックシート: データを収集するための用紙です。
SPCの適用範囲
SPCは、製造業だけでなく、サービス業、医療、金融など、様々な分野で適用可能です。
- 製造業: 製品製造工程における品質管理
- サービス業: サービス提供プロセスにおける品質管理
- 医療: 医療現場におけるプロセス管理
- 金融: 金融機関におけるリスク管理
SPCは、データに基づいて客観的にプロセスの状態を評価し、継続的な改善を促進するための強力なツールです。適切にSPCを導入することで、組織は品質向上、コスト削減、顧客満足度向上などの効果を期待することができます。
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