インテントエンジニアリングとは?

今回は、2025年の末頃から今年にはいり、従来の「プロンプトエンジニアリング」の進化版・上位概念として語られている「インテントエンジニアリング」について、ご紹介します。

インテントエンジニアリングとは?

Intent Engineering(インテント・エンジニアリング)とは、AIシステム(特にLLM)に対して「何をしてほしいか」という意図(intent)を正確に設計・伝達する手法や思想のことです。

インテントエンジニアリングが出てきた背景がわからないと、インテントエンジニアリングがなぜ今注目しているのか、イマイチぴんと来ないと思いますので、インテントエンジニアリングが登場してきた背景について少しご紹介しておきます。

インテントエンジニアリングは突然登場した概念ではなく、AI活用の進化の中で必然的に生まれました。

まず最初に、2022年頃に「プロンプトエンジニアリング」として、GPT-3からより良い応答を引き出すための巧みなプロンプトの作成が注目されていました。

今となっては懐かしいプロンプトエンジニアリングですが、当時はこの新しいエンジニアリングの手法に多くの開発者が感嘆の声をあげていました。

2024年になりエージェントがマルチステップのタスクをこなすようになると、「コンテキストエンジニアリング」が独立した分野として台頭してきました。

そしてプロンプトエンジニアリングが「正しい言葉を選ぶこと」、コンテキストエンジニアリングが「AIに適切な背景知識を与えること」といった手法が徐々に浸透していく中で、インテントエンジニアリングが「プロンプトエンジニアリング」の進化版・上位概念として、登場してきました。

直接の火付け役となった人物・出来事

コンテキストエンジニアリングという概念が2025年半ばに注目を集め始めた際、Shopifyのトビ・ルトケCEOが社内メモで「AI時代に最も価値ある新スキルは、より良いプロンプトを書くことではなく、より良いコンテキストを構築することだ」と主張し、それが広く拡散されました。

元Tesla AI責任者でOpenAI創業メンバーのAndrej Karpathyも同様の観察をしており、「プロンプティングはより大きな課題のごく一部に過ぎない」と述べました。

さらに2025年7月にはGartnerが「コンテキストエンジニアリングが主流になり、プロンプトエンジニアリングは時代遅れになった。AIリーダーはプロンプトよりもコンテキストを優先しなければならない」と明言し、組織的な採用が広がっていきました。

これらのちょっとしたきかっけとプロンプトエンジニアリングの限界を感じていた現場の人々、そして、AIエージェントの台頭が、コンテキストエンジニアリングを生み出した背景だったようです。

なぜ今、インテントエンジニアリングが注目されているのか?

なぜ、今、インテントエンジニアリングが注目されているかというと、AIエージェントが複雑なタスクを自律的に実行する時代になり、「1回の指示」ではなく「意図の連鎖」をどう設計するかが重要になってきたためです。

既に日常的になっている光景でもありますが、人が生成AIのプトンプトに「資料を作って」と入力する裏側には、人の様々な意図が隠されています。

人の頭の中では、

「明日の会議で使えて、上司が納得するような、 でも細かすぎない、いい感じの資料が欲しい」

といった複数の意図があり、それが実際に打つプロンプトの中で、言語化されて

「資料を作って」

といった言葉をつくりだしています。

つまり、頭の中にある「本当に欲しいもの」と「実際に言葉にしたこと」の間には、常にギャップが存在しているということになります。

このギャップを意図のロスト(Intent Loss)と呼びます。

言うなれば、インテントエンジニアリングはこのロストをいかに最小化する為の技術として、登場してきたということになります。

4つの意図

「意図」は4つの種類があるとされています。

それが、「表層意図」「目的意図」「制約意図」「品質意図」の4つです。

上の「資料を作って」という例にあてはめて説明すると

 表層意図は、「資料を作って」

 目的意図は、「上司を説得したい」

 制約意図は、「でも細かすぎない、いい感じ」=「会社のトンマナ(トーン&マナー)に合わせたい」

 品質意図は、「ドラフトでいいのか、完成品か」 

と分類することができます。

従来のプロンプトエンジニアリングは主に表層意図を磨く作業だったと言えます。

一方で、インテントエンジニアリングは4層すべてを設計することを求めているということになります。

プロンプトエンジニアリングとの違い

従来のプロンプトエンジニアリングとの違いを簡単にまとめておきます…

APPSWINGBYは、最先端の技術の活用と、お客様のビジネスに最適な形で実装する専門知識を有しております。AI開発から既存の業務システムへの統合などの他、リファクタリング、リアーキテクチャ、DevOps環境の構築、ハイブリッドクラウド環境の構築、システムアーキテクチャの再設計からソースコードに潜むセキュリティ脆弱性の改修の他、テクノロジーコンサルティングサービスなど提供しています。

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この記事を書いた人
株式会社APPSWINGBY
株式会社APPSWINGBY マーケティング

APPSWINGBY(アップスイングバイ)は、アプリケーション開発事業を通して、お客様のビジネスの加速に貢献することを目指すITソリューションを提供する会社です。

ご支援業種

情報・通信、医療、製造、金融(銀行・証券・保険・決済)、メディア、流通・EC・運輸 など多数

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監修
APPSWINGBY CTO川嶋秀一
株式会社APPSWINGBY  CTO 川嶋秀一

動画系スタートアップや東証プライム上場企業のR&D部門を経て、2019年5月より株式会社APPSWINGBY 取締役兼CTO。
Webシステム開発からアプリ開発、AI導入、リアーキテクチャ、リファクタリングプロジェクトまで幅広く携わる。
C, C++, C#, JavaScript, TypeScript, Go, Python, PHP, Java などに精通し、Vue.js, React, Angular, Flutterを活用した開発経験を持つ。
特にGoのシンプルさと高パフォーマンスを好み、マイクロサービス開発やリファクタリングに強みを持つ。
「レガシーと最新技術の橋渡し」をテーマに、エンジニアリングを通じて事業の成長を支えることに情熱を注いでいる。

APPSWINGBY CTO川嶋秀一
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動画系スタートアップや東証プライム上場企業のR&D部門を経て、2019年5月より株式会社APPSWINGBY 取締役兼CTO。
Webシステム開発からアプリ開発、AI導入、リアーキテクチャ、リファクタリングプロジェクトまで幅広く携わる。
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