イベントソーシングとは
イベントソーシングとは、システムの状態の変化をイベントとして記録し、そのイベントの履歴を保存することで状態を管理する手法です。従来のデータベースでは、データの最新状態のみを保存するのが一般的でしたが、イベントソーシングでは、状態の変化を記録したイベントを時系列で保存します。
イベントソーシングの概念
- イベント: システムの状態を変化させる出来事のこと。例えば、「ユーザーが登録された」「商品が購入された」「注文がキャンセルされた」など。
- イベントストア: イベントを保存するためのデータベース。イベントは時系列順に保存され、削除や変更は行われません。
イベントソーシングのメリット
- 監査証跡: 全ての変更履歴がイベントとして記録されるため、監査証跡として利用できます。 デバッグ: 問題が発生した場合、イベント履歴を再生することで、問題発生時の状況を再現し、原因を特定しやすくなります。
- 状態の復元: 過去の任意の時点の状態を復元することができます。
- 柔軟性: イベント履歴を元に、様々な形式で状態を表現することができます。
- スケーラビリティ: イベントの保存と状態の再現を分離することで、システムのスケーラビリティを高めることができます。
イベントソーシングのデメリット
- 複雑性: システムの設計や実装が複雑になる場合があります。
- クエリ性能: 現在の状態を取得するために、イベント履歴を全て再生する必要があるため、クエリ性能が低下する可能性があります。
- データサイズ: 全てのイベントを保存するため、データサイズが大きくなる可能性があります。
イベントソーシングは、システムの状態変化をイベントとして記録することで、様々なメリットをもたらす手法です。ただし、複雑性やクエリ性能などの課題もあるため、導入する際にはシステムの特性や要件を考慮する必要があります。
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