ピークロードテストとは

ピークロードテストは、システムが最も多くの負荷にさらされると想定されるピーク時の状況を再現し、その際の性能や安定性を検証するテストのことです。

ピークロードテストの概要と目的

ピークロードテスト(Peak Load Test)は、ソフトウェアのパフォーマンス評価の一環として行われます。

システムが、通常の運用時よりも高い負荷、特にトラフィックが集中する時間帯(例:オンラインチケット販売開始直後、ECサイトのセール期間、年末年始のアクセス集中時など)に、どれだけ安定して動作するかを測定します。

このテストは、システムが許容できるユーザー数やトランザクション数を明らかにし、ボトルネックとなる部分を特定することを目的とします。

主な目的は、予期せぬアクセス集中によるシステムのパフォーマンス低下や障害を未然に防ぎ、サービスの可用性と信頼性を確保することです。

ピークロードテストの実行プロセス

ピークロードテストは、以下のような段階的なプロセスで実行されます。

1. シナリオの設計

  • 概要:
    • 実際のピーク時を想定したユーザーの行動パターンを定義します。
  • :
    • ログイン、商品の検索、カートへの追加、決済、ログアウトといった一連のユーザーアクションをシナリオとして作成します。これにより、テストがより現実的なものになります。

2. テスト環境の準備

  • 概要:
    • 本番環境に近いハードウェア構成、ネットワーク帯域、データベースのデータ量を持つテスト環境を用意します。
  • 目的:
    • 実際のボトルネックを正確に特定するため、本番環境との差異を最小限に抑えます。

3. テストの実行と監視

  • 概要:
    • 仮想ユーザーを生成し、定義されたシナリオに従って、徐々に負荷を増やしていきます。
  • 測定項目:
    • レスポンスタイム: ユーザーのリクエストに対するシステムの応答時間。
    • スループット: 単位時間あたりにシステムが処理できるリクエスト数。
    • リソース利用率: CPU、メモリ、ディスクI/O、ネットワーク帯域などの使用状況。

4. 結果の分析と改善

  • 概要:
    • 収集されたデータを分析し、レスポンスタイムの急増、エラーレートの増加、リソース利用率の飽和といった問題点を探します。
  • 改善策:
    • 特定されたボトルネック(例:非効率なデータベースクエリ、メモリリーク、不適切なキャッシュ設定など)を解消するための対策を講じます。

ピークロードテストと他のパフォーマンステストの違い

ピークロードテストは、他のパフォーマンステストと組み合わせて実施されます。

  • ロードテスト:
    • 通常の運用負荷をシミュレーションし、システムの基本的な性能を測定します。
  • ストレステスト:
    • システムが許容できる限界を超える極端な負荷をかけ、システムがどのように振る舞うか(例:システムがダウンするか、エラーメッセージを返すか)を検証します。

ピークロードテストは、単にシステムが動作するかを確認するだけでなく、システムの耐性を客観的に評価し、ビジネス上のリスクを低減するための重要な活動です。

関連用語

負荷テスト | 今更聞けないIT用語集
ストレステスト | 今更聞けないIT用語集
ソフトウェアエンジニアリング

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