プロシージャとは

プロシージャは、コンピュータプログラムにおいて、特定の機能や処理をひとまとめにした一連の手続きのことです。

これは、プログラム内で繰り返し必要となる処理を独立した記述として定義したものであり、必要に応じて呼び出して実行することで、ソースコードの再利用性を高め、構造を簡素化する役割を果たします。

プロシージャの概要と役割

プログラミングにおけるプロシージャ(Procedure)は、日本語では「手続き」や「サブルーチン」とも呼ばれます。大規模なソフトウェア開発において、全ての処理を一つの流れの中に記述するとコードが複雑化し、保守が困難になります。そこで、意味のある単位ごとに処理をプロシージャとして切り出すことで、管理を容易にします。

1. モジュール化と再利用性

一度プロシージャとして定義すれば、同じ処理をプログラム内の異なる場所から何度でも呼び出すことができます。これにより、コードの重複を防ぎ、修正が必要な際も一箇所の変更で済むようになります。

2. 構造化プログラミングの実現

大きな問題を小さなプロシージャに分割して解いていく手法は、トップダウン設計の基本です。全体の流れを把握しやすくなり、チーム開発における分業もスムーズになります。

種類と類似概念との違い

プログラミング言語によって定義は異なりますが、一般的に以下の概念と密接に関係しています。

1. 関数(ファンクション)との違い

プロシージャと関数は混同されやすい用語ですが、一般的には「戻り値」の有無で区別されます。

  • プロシージャ:一連の処理を実行することが目的であり、原則として呼び出し元に値を返さない、あるいは値を返すことが主目的ではないもの。
  • 関数:計算や処理を行った結果として、呼び出し元に特定の値を返すことが主目的であるもの。

2. メソッド

オブジェクト指向プログラミングにおいて、特定のクラスやオブジェクトに紐付けられたプロシージャや関数のことをメソッドと呼びます。

データベースにおけるストアドプロシージャ

IT運用の現場において「プロシージャ」という言葉が使われる際、多くの場合「ストアドプロシージャ(Stored Procedure)」を指しています。

1. ストアドプロシージャの仕組み

データベース管理システム(DBMS)側にあらかじめ保存されたSQL文の一連の手続きです。クライアントから命令を送ることで、データベースサーバー内で直接複雑な処理を実行させます。

2. 導入のメリット

  • ネットワーク負荷の軽減: 複数のSQL文を個別に送るのではなく、プロシージャの呼び出し命令一つで済むため、通信量を削減できます。
  • パフォーマンスの向上: あらかじめコンパイルや最適化が行われているため、実行速度が速くなります。
  • セキュリティの強化: ユーザーに直接テーブル操作を許可せず、プロシージャ経由でのみ操作を許可することで、不正なアクセスを制限できます。

設計上の留意点と評価指標

プロシージャを設計する際は、その独立性が重要となります。一つのプロシージャが特定の機能に特化している度合いを「強度(結合度)」という指標で評価することがあります。

例えば、プロシージャの実行効率を考える際、呼び出しに伴うオーバーヘッド(引数の受け渡しやスタック操作にかかる時間)を考慮する必要があります。

\text{総実行時間} = \text{プロシージャ内の処理時間} + \text{呼び出しに伴うオーバーヘッド時間}

処理内容に対してオーバーヘッドが過大になる場合は、プロシージャ化せずに直接記述(インライン展開)する手法が検討されることもあります。

関連用語

ストアドプロシージャ | 今更聞けないIT用語集
サブルーチン | 今更聞けないIT用語集
ソフトウェアエンジニアリング

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