フォールトトレラントとは

フォールトトレラントとは、システムの構成要素の一部に障害が発生した場合でも、全体としては継続して動作し、サービスの提供を停止させない能力を指します。ハードウェアやソフトウェアの故障、停電、自然災害など、様々な障害発生の可能性を考慮し、システムの設計段階から冗長性を組み込むことで、フォールトトレラントなシステムを実現することができます。

フォールトトレラントを実現するための主な手法

  • 冗長化: システムの構成要素を複数用意し、一つに障害が発生した場合でも、他の要素がその機能を代替することで、システム全体の稼働を維持します。ハードウェアの冗長化としては、RAID(Redundant Array of Independent Disks)によるディスクのミラーリングや、電源ユニットの多重化などが挙げられます。ソフトウェアの冗長化としては、データベースのレプリケーションや、アプリケーションサーバーのクラスタリングなどが挙げられます。
  • フェールオーバー: 主要なシステムに障害が発生した場合、予備のシステムに自動的に切り替えることで、サービスの継続性を確保します。フェールオーバーは、ハードウェアレベル、ソフトウェアレベルの両方で実装することが可能です。
  • エラー訂正: データの読み書き時に発生するエラーを自動的に検出し、訂正する機能です。メモリにECC(Error Correcting Code)機能を搭載することで、データの破損を防ぎ、システムの安定稼働を維持することができます。

フォールトトレラントシステムは、高い可用性、信頼性、データ保全性が求められるミッションクリティカルなシステムにおいて、特に重要となります。例えば、金融機関のオンライン取引システム、医療機関の患者情報管理システム、電力会社の電力供給制御システム、航空管制システムなど、システムの停止が重大な影響を及ぼす可能性のある分野において、フォールトトレラント技術は広く活用されています。

フォールトトレラントシステムを構築する際には、障害発生時の影響範囲、復旧時間、コストなどを考慮し、適切なレベルの冗長性とフェールオーバー機構を設計することが重要です。

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