企業におけるBI導入の現状と主な課題

企業におけるBI導入の現状と主な課題

ビジネスインテリジェンス(BI)は、多くの企業で多大な投資が行われたにもかかわらず、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールが現場の業務に組み込まれず、「機能しない」「活用しきれていない」という現状は、日本企業においても広く認識されている課題です。

今回は、企業に導入されたBI導入の現状と主な課題について調査してみました。

企業におけるBI導入の現状と主な課題

BIツールは、データ活用・分析基盤の構築において、データウェアハウス(DWH)などと共に導入が進んでいるツールの一つですが、その活用度合いは多くの企業で「十分ではないが活用できている」か「活用したいが実行できていない」という状況にとどまっています。

BIが期待通りに機能せず、様々な悩みを解決できていない主な課題は、以下の3つの側面に集約されます。

1. 現場における「定着・活用」の課題(業務フローからの乖離)

BI導入失敗の最も顕著なケースは、「現場の業務やニーズに合わず、ほとんど使われていない」ことです。

  • 習慣の欠如と利用率の低さ(貴文脈の核心)
    • BIツールが業務プロセスから独立しており、利用習慣が根付かない(1.2)。
    • 高機能なツールを導入しても、結局はExcelでできる程度の分析しか行われない(1.3)。
  • ダッシュボードの設計不良
    • 目的が不明確で情報が過剰に詰め込まれたり、グラフが整理されていなかったりするダッシュボードは、ユーザーの分析意欲を削ぎ、活用が進まない原因となる(1.5)。
  • パフォーマンスの問題
    • 導入後にデータ量やデータソースの増加に伴いパフォーマンスが悪化し、利用が滞るケースがある(1.2)。

2. データ基盤と品質の課題(分析の土台が未整備)

データ分析の前提となる「正しいデータ」と「分析環境」が整っていないことが、BIの有効性を阻んでいます。

  • データ定義の不統一と不正確さ
    • レポート作成者や部門ごとに「売上」の定義(税込/税抜、返品の有無など)が異なり、分析結果が実際の値と一致しない問題が発生する。
    • 担当者の異動や退職によりデータ定義がブラックボックス化し、正しい分析結果を得るために手作業での確認(人間によるレビュー)が必要になる。
  • データのサイロ化と連携の難しさ
    • 社内システム間の連携が不十分なため、KPI集計に各部門で膨大な工数がかかっている。
    • 異なるシステムや部門にデータが分散(サイロ化)しており、これらを統合し、一貫性を保ちながら連携させることが難しい。

3. 人材と組織戦略の課題(活用力の不足)

ツールはあっても、それを使いこなすための組織体制やスキルが不足しています。

  • データリテラシーの不足
    • BIツールはデータ理解と技術的スキルの両方が求められるが、ユーザー側のデータ管理の重要性に対する理解不足が、データ品質の低下や活用の限界を招いている。
  • 専門人材の不足
    • データ利活用を推進するための専門的な分析ノウハウを持つ人的リソースが不足している。
  • 経営層のビジョン不足
    • 「なぜデータ活用が必要なのか」「どのような課題解決に向けてデータを活用するのか」という目的やビジョンの共有が、経営層から現場までできていない。
  • 導入戦略の失敗
    • 具体的な用途や目的を絞らずに全社一斉導入を進めた結果、どの部門の業務にもマッチしないツールとなってしまい、高額な投資が「使われない」事態を招く。

これらの調査結果は、BIが単なるツール導入ではなく、「データ、人材、プロセス、戦略」のすべてを巻き込んだ全社的な取り組みでなければ成功しない、という現状を浮き彫りにしています。

BI投資と活用のミスマッチの現状

BI導入は、データに基づく意思決定(Data-Driven Decision Making: DDDM)を実現するための必須の投資と見なされていますが、多額の資金を投じたにもかかわらず、期待される投資対効果(ROI)が得られていないことが多くの調査で示されています。

投資規模と実態の乖離

多くの大企業がBIインフラストラクチャ、ライセンス、コンサルティング費用に数千万ドルから数億ドルという莫大な費用を投じています。

しかし、BIツールの導入自体は進んでいるものの、現場での全社的な活用を達成できている企業は少数にとどまっています。

直近の調査では、全社的に積極活用できている企業は約3割に留まり、約4割は「一部の部門・担当者が活用」という段階にあると報告されています。

これは、BIが一部の専門家や情報システム部門(情シス)によって使用されているだけで、現場の一般従業員のほとんどが業務で活用していない状態を意味します。

ミスマッチを生む主要なメカニズム

この投資と活用のミスマッチは、主に以下の2つの構造的な問題によって引き起こされています…

APPSWINGBYは、最先端の技術の活用と、お客様のビジネスに最適な形で実装する専門知識を有しております。システムのセキュリティ対策としてのシステムアーキテクチャの再設計からソースコードに潜むセキュリティ脆弱性の改修の他、リファクタリング、リアーキテクチャ、DevOps環境の構築、ハイブリッドクラウド環境の構築、テクノロジーコンサルティングサービスなど提供しています。

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この記事を書いた人
株式会社APPSWINGBY
株式会社APPSWINGBY マーケティング

APPSWINGBY(アップスイングバイ)は、アプリケーション開発事業を通して、お客様のビジネスの加速に貢献することを目指すITソリューションを提供する会社です。

ご支援業種

情報・通信、医療、製造、金融(銀行・証券・保険・決済)、メディア、流通・EC・運輸 など多数

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監修
APPSWINGBY CTO川嶋秀一
株式会社APPSWINGBY  CTO 川嶋秀一

動画系スタートアップや東証プライム上場企業のR&D部門を経て、2019年5月より株式会社APPSWINGBY 取締役兼CTO。
Webシステム開発からアプリ開発、AI導入、リアーキテクチャ、リファクタリングプロジェクトまで幅広く携わる。
C, C++, C#, JavaScript, TypeScript, Go, Python, PHP, Java などに精通し、Vue.js, React, Angular, Flutterを活用した開発経験を持つ。
特にGoのシンプルさと高パフォーマンスを好み、マイクロサービス開発やリファクタリングに強みを持つ。
「レガシーと最新技術の橋渡し」をテーマに、エンジニアリングを通じて事業の成長を支えることに情熱を注いでいる。

APPSWINGBY CTO川嶋秀一
株式会社APPSWINGBY  CTO 川嶋秀一

動画系スタートアップや東証プライム上場企業のR&D部門を経て、2019年5月より株式会社APPSWINGBY 取締役兼CTO。
Webシステム開発からアプリ開発、AI導入、リアーキテクチャ、リファクタリングプロジェクトまで幅広く携わる。
C, C++, C#, JavaScript, TypeScript, Go, Python, PHP, Java などに精通し、Vue.js, React, Angular, Flutterを活用した開発経験を持つ。
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