LUN(Logical Unit Number)とは
LUNは、ストレージシステム(特にSANやiSCSI環境)において、ホストサーバー側からアクセス可能となる、論理的に分割されたディスク領域またはボリュームのことであり、物理的なディスクの構成とは独立して、サーバーに割り当てられ、オペレーティングシステムからはあたかも独立した単一のストレージデバイスのように認識されるための識別子のことです。
LUNの概要とストレージ仮想化における役割
LUN(Logical Unit Number、論理ユニット番号)は、主にSAN(Storage Area Network)やiSCSI(Internet Small Computer System Interface)といったネットワーク接続型ストレージ環境で使用される概念です。大規模なストレージアレイ(複数の物理ディスクで構成された装置)において、物理的なストレージ容量を柔軟に、かつ効率的に複数のホストサーバーへ分配するために利用されます。
LUNの導入により、ストレージ管理者は、物理ディスクやRAIDグループ(複数のディスクを束ねた論理グループ)の複雑な構成をホストサーバー側に意識させることなく、必要とされる容量と性能を持ったストレージ領域を抽象化して提供できます。
ホストサーバーのオペレーティングシステム(OS)は、LUNを、SCSI(Small Computer System Interface)プロトコルで通信可能な独立した論理デバイスとして認識します。サーバーは、このLUNに対して直接、データの読み書きを行うブロックアクセスを行います。
主な目的は、物理ストレージリソースを効率的に抽象化・仮想化し、複数のサーバー間で安全に共有できるようにすることで、ストレージの利用効率と管理の柔軟性を最大化することです。
LUNの仕組みと関連する技術要素
1. 物理ストレージからLUNへの流れ
LUNは、複数の階層的な仮想化を経てホストサーバーに提供されます。
- 物理ディスク: 実際のHDDやSSD。
- RAIDグループ: 複数の物理ディスクを冗長化や性能向上のために束ねたグループ。
- ボリューム/プール: RAIDグループの容量を統合し、論理的な大きな領域として管理します。
- LUN: このボリューム/プールから、特定の容量を切り出してLUNとして定義します。
2. マッピングとゾーニング
定義されたLUNは、以下の二つの重要なプロセスを経て、特定のホストサーバーにアクセス可能となります。
- LUNマッピング(LUN Mapping): LUNを、特定のストレージポートおよびホストサーバーのWWN(World Wide Name、ファイバーチャネル環境の識別子)またはiSCSIイニシエータ名に紐付ける設定作業です。これにより、意図しないサーバーが機密データを含むLUNにアクセスすることを防ぎます。
- ゾーニング(Zoning): SAN環境において、ホストサーバーとストレージポート間の通信経路を論理的に分離・限定する設定です。ゾーニングとLUNマッピングの組み合わせにより、セキュリティとアクセス制御が確保されます。
3. LUNのブロックアクセス
ホストサーバーは、LUNを接続された物理ディスクと同様に扱い、その上でファイルシステム(NTFS、ext4、VMFSなど)を作成・構築します。サーバーとストレージ間の通信は、ファイル単位ではなく、ブロック(データ処理の最小単位)単位で行われます。
LUNと仮想化環境
LUNは、サーバー仮想化環境において特に重要な役割を果たします。
- ハイパーバイザー(Hypervisor): VMware vSphereやMicrosoft Hyper-Vなどのハイパーバイザーは、ストレージアレイから提供されたLUNを認識し、そのLUN上に仮想マシン(VM)のディスクファイル(VMDKやVHDXなど)を格納します。
- 仮想マシンの利用: 仮想マシン自体は、このLUNの存在を意識せず、ハイパーバイザーが提供する仮想ディスクにアクセスします。LUNの適切な設計は、仮想環境全体の性能とスケーラビリティに直結します。
関連用語
お問い合わせ
システム開発・アプリ開発に関するご相談がございましたら、APPSWINGBYまでお気軽にご連絡ください。
APPSWINGBYの
ソリューション
APPSWINGBYのセキュリティサービスについて、詳しくは以下のメニューからお進みください。
システム開発
既存事業のDXによる新規開発、既存業務システムの引継ぎ・機能追加、表計算ソフトによる管理からの卒業等々、様々なWebシステムの開発を行っています。
iOS/Androidアプリ開発
既存事業のDXによるアプリの新規開発から既存アプリの改修・機能追加まで様々なアプリ開発における様々な課題・問題を解決しています。
リファクタリング
他のベンダーが開発したウェブサービスやアプリの不具合改修やソースコードの最適化、また、クラウド移行によってランニングコストが大幅にあがってしまったシステムのリアーキテクチャなどの行っています。

ご相談・お問い合わせはこちら
APPSWINGBYのミッションは、アプリでビジネスを加速し、
お客様とともにビジネスの成功と未来を形作ること。
私達は、ITテクノロジーを活用し、様々なサービスを提供することで、
より良い社会創りに貢献していきます。
T関する疑問等、小さなことでも遠慮なくお問合せください。3営業日以内にご返答致します。

ご相談・お問合せはこちら
APPSWINGBYのミッションは、アプリでビジネスを加速し、お客様とともにビジネスの成功と未来を形作ること。
私達は、ITテクノロジーを活用し、様々なサービスを提供することで、より良い社会創りに貢献していきます。
IT関する疑問等、小さなことでも遠慮なくお問合せください。3営業日以内にご返答させて頂きます。