Node.jsとは

Node.jsは、Google ChromeのJavaScriptエンジンであるV8をベースに構築された、サーバーサイドで動作するオープンソースのJavaScript実行環境のことであり、イベント駆動型(Event-driven)かつノンブロッキングI/Oモデルを採用することで、高いスケーラビリティとリアルタイム処理能力を持つWebアプリケーションの構築を可能にするためのプラットフォームのことです。

Node.jsの概要と設計思想

Node.jsは、従来のサーバーサイド言語(PHP、Ruby、Pythonなど)とは異なり、クライアントサイドのスクリプト言語として広く知られていたJavaScriptをサーバー側で動作させることを可能にしました。これにより、フロントエンドとバックエンドの両方を単一の言語であるJavaScriptで記述できるフルスタック開発が実現し、開発の効率性が大きく向上しました。

Node.jsの最も重要な設計思想は、高い並行処理性能の実現です。従来の多くのサーバー環境が、リクエストごとに新しいスレッドを生成するブロッキングI/Oモデルを採用していたのに対し、Node.jsはシングルスレッドでありながら、イベント駆動型(Event-driven)およびノンブロッキングI/Oモデルを採用しています。

主な目的は、大量の同時接続やデータ入出力(I/O)を伴うアプリケーション(リアルタイムチャット、ストリーミング、APIサーバーなど)において、低遅延で高効率な処理を提供することです。

Node.jsの主要な技術的特徴

1. V8 JavaScriptエンジン

Node.jsは、その中核にGoogle Chromeのために開発されたV8エンジンを組み込んでいます。

  • 特徴: V8は、JavaScriptコードを機械語に直接コンパイル(JITコンパイル)することで、非常に高速な実行速度を実現します。この高速性が、Node.jsの高性能の基盤となっています。

2. イベントループとノンブロッキングI/O

Node.jsの高性能の鍵は、そのI/O処理のアプローチにあります。

  • シングルスレッド: Node.jsの処理は基本的にメインのイベントループと呼ばれる単一のスレッドで行われます。
  • ノンブロッキングI/O: ファイル読み書きやデータベースアクセスといった時間のかかるI/O操作が発生した場合、Node.jsは処理の完了を待たずに(ブロッキングせずに)、すぐに次のリクエストの処理に移ります。I/O操作が完了すると、コールバック関数がイベントキューに追加され、イベントループがそれを検知して実行します。
  • スケーラビリティ: 多数のリクエストに対して、スレッドの生成・破棄に伴うオーバーヘッドがないため、メモリ消費を抑えつつ、高いスケーラビリティを発揮します。

3. NPM(Node Package Manager)

NPMは、Node.jsのモジュール管理システムであり、世界最大のソフトウェアレジストリの一つです。

  • 役割: 開発者はNPMを通じて、再利用可能なライブラリやツール(パッケージ)を簡単にインストールし、プロジェクトに組み込むことができます。これにより、開発者は車輪の再発明を避けることができ、開発速度が向上します。

Node.jsの応用分野

  • APIサーバー・Webサービス: REST APIやマイクロサービスを構築するためのバックエンドとして広く利用されています。
  • リアルタイムアプリケーション: ノンブロッキングI/Oの特性を活かし、チャットアプリケーションやオンラインゲーム、ライブストリーミングなどのリアルタイム通信を伴うサービスに適しています。
  • 開発ツール: Grunt、Gulp、WebpackなどのフロントエンドのビルドツールやタスクランナーもNode.js上で動作しており、開発環境の自動化にも貢献しています。

関連用語

サーバーサイドエンジニア | 今更聞けないIT用語集
スケーラビリティ | 今更聞けないIT用語集
APPSWINGBYシステム開発

お問い合わせ

システム開発・アプリ開発に関するご相談がございましたら、APPSWINGBYまでお気軽にご連絡ください。

APPSWINGBYの

ソリューション

APPSWINGBYのセキュリティサービスについて、詳しくは以下のメニューからお進みください。

システム開発

既存事業のDXによる新規開発、既存業務システムの引継ぎ・機能追加、表計算ソフトによる管理からの卒業等々、様々なWebシステムの開発を行っています。

iOS/Androidアプリ開発

既存事業のDXによるアプリの新規開発から既存アプリの改修・機能追加まで様々なアプリ開発における様々な課題・問題を解決しています。


リファクタリング

他のベンダーが開発したウェブサービスやアプリの不具合改修やソースコードの最適化、また、クラウド移行によってランニングコストが大幅にあがってしまったシステムのリアーキテクチャなどの行っています。