CQRSパターンとは

CQRS (Command Query Responsibility Segregation) とは、システムにおけるデータの読み込みと書き込みの操作を異なるモデルに分離する設計パターンのことです。

従来のCRUD (Create, Read, Update, Delete) モデルでは、同じデータモデルを使用して読み込みと書き込みの両方を処理しますが、CQRSでは、コマンドモデルとクエリモデルを明確に分離します。

CQRSの中心概念

  • コマンド (Command): システムの状態を変更するための操作。コマンドは、コマンドハンドラによって処理され、イベントを生成します。
  • クエリ (Query): システムの状態を読み取るための操作。クエリは、クエリハンドラによって処理され、読み取り専用のビューを返します。
  • コマンドモデル: コマンドを処理するためのモデル。書き込み操作に最適化されており、データの整合性を保証します。
  • クエリモデル: クエリを処理するためのモデル。読み込み操作に最適化されており、パフォーマンスを向上させます。
  • イベント (Event): コマンドによって生成される、システムの状態の変化を表す不変の記録。イベントは、イベントハンドラによって処理され、クエリモデルを更新します。

CQRSの仕組み

  1. コマンド発行: クライアントは、システムの状態を変更するためのコマンドを発行します。
  2. コマンド処理: コマンドハンドラは、コマンドを検証し、コマンドモデルを使用して状態を変更します。
  3. イベント生成: コマンドハンドラは、状態の変化を表すイベントを生成します。
  4. イベント処理: イベントハンドラは、イベントを処理し、クエリモデルを更新します。
  5. クエリ発行: クライアントは、システムの状態を読み取るためのクエリを発行します。
  6. クエリ処理: クエリハンドラは、クエリを処理し、クエリモデルからデータを読み取り、読み取り専用のビューを返します。

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