HTTPとは

HTTPは、World Wide Web(WWW)において、WebサーバーとWebクライアント(主にブラウザ)の間でデータを送受信するために利用される、最も基本的な通信プロトコルのことであり、HTML文書、画像、動画、およびその他のリソースを効率的かつ確実に転送するための、クライアント・サーバーモデルに基づいたアプリケーション層のプロトコルのことです。

HTTPの概要とステートレス性

HTTP(Hypertext Transfer Protocol、ハイパーテキスト転送プロトコル)は、インターネットの根幹を成すプロトコルであり、クライアント(Webブラウザなど)からのリクエストに応じて、サーバーがレスポンスを返すという単純なクライアント・サーバーモデルに基づいています。

このプロトコルの最も重要な特徴の一つがステートレス性(Statelessness)です。

  • ステートレス: HTTPは、一度リクエストとレスポンスのやり取りが完了すると、その接続や状態を保持しません。サーバーは、以前のリクエストがどのようなものであったか、あるいはどのクライアントから来たものかという情報を、標準では記憶しません。
  • 利点: サーバー側で状態管理の複雑さが軽減され、接続数が爆発的に増加しても高いスケーラビリティを発揮できます。
  • 課題と対策: ステートレスであるため、ユーザーのログイン状態やショッピングカートの内容といった継続的な情報(セッション)を維持するためには、CookieURLパラメータなどの別の技術を組み合わせて利用する必要があります。

主な目的は、分散型ハイパーメディアシステム(Web)において、リソースの取得と操作を簡潔かつ効率的に行うための標準的な仕組みを提供することです。

HTTPの通信フローと構成要素

HTTP通信は、基本的なリクエスト・レスポンスのサイクルで成り立っています。

1. HTTPリクエスト

クライアントからサーバーへ送信され、以下の主要な要素で構成されます。

要素役割
メソッド実行したい操作の種類を定義GET(リソース取得)、POST(データ送信)、PUT(リソース更新)など
URIターゲットとするリソースの場所/index.html
ヘッダー付加情報(クライアント情報、認証情報など)User-Agent: Mozilla/5.0, Accept-Language: ja
ボディPOSTなどでサーバーに送信するデータ本体フォームに入力されたデータなど

2. HTTPレスポンス

サーバーからクライアントへ返され、以下の主要な要素で構成されます。

要素役割
ステータスコードリクエストの結果の状態を示す3桁の数値200 OK(成功)、404 Not Found(リソースなし)、500 Internal Server Error(サーバー内部エラー)など
ヘッダー付加情報(コンテンツタイプ、キャッシュ情報など)Content-Type: text/html, Server: Apache
ボディクライアントが要求したリソースの本体HTML文書の内容、画像データなど
HTTPレスポンスの主要な要素

HTTPの進化:HTTP/1.1、HTTP/2、HTTP/3

HTTPプロトコルは、Webの進化に合わせて継続的に改良されてきました。

1. HTTP/1.1

  • 特徴: 接続の再利用(Keep-Alive)を導入し、複数のリクエスト・レスポンスを単一のTCP接続内で連続して処理できるようにしましたが、リクエストが順番に処理されるため、HOLブロッキング(Head-of-Line Blocking)の問題が残っていました。

2. HTTP/2

  • 特徴: 多重化(Multiplexing)を導入し、単一のTCP接続内で複数のリクエストとレスポンスを同時に並列で処理することを可能にしました。また、ヘッダーの圧縮やサーバープッシュなどの機能により、Webページの読み込み速度を大幅に向上させました。

3. HTTP/3

  • 特徴: TCPではなく、Googleが開発したQUICプロトコル(UDPベース)を使用します。これにより、TCP層で発生していたHOLブロッキングの問題を完全に解消し、モバイル環境や不安定なネットワーク環境での通信効率と信頼性をさらに高めています。

4. HTTPS

HTTPがそのままネットワーク上を平文で転送されるのに対し、HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)は、HTTPの通信をSSL/TLSによって暗号化するプロトコルです。セキュリティとプライバシーの観点から、現代のWeb通信のほとんどはHTTPSで行われています。

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