504.7億円にも達したクレジットカードの不正利用-4 ~ユーザーができる不正利用防止策

「504.7億円にも達したクレジットカードの不正利用」と題して、クレジットカードの不正利用に関する状況をお伝えしているこの記事も今回で第4回目となりました。今回はクレジットカードを利用するユーザー側の視点にたった不正利用防止策のご紹介です。
前回までの記事は下記にリストしておきますので、もしご覧になっていないようでしたら、是非アクセスしてみてください。
- 504.7億円にも達したクレジットカードの不正利用 ~不正利用の実態と最新対策
- 504.7億円にも達したクレジットカードの不正利用-2 ~最新のセキュリティ対策と技術
- 504.7億円にも達したクレジットカードの不正利用-3 ~クレジットカード会社と加盟店の対策
クレジットカードの不正利用は、カード会社や加盟店だけでなく、ユーザー自身の対策によっても大幅に防ぐことが可能です。ユーザーが適切な管理やセキュリティ対策を実施することで、犯罪者による不正利用のリスクを最小限に抑えることができます。本章では、ユーザーが日常生活で取り入れるべき対策について解説します。
6.1 カード情報の適切な管理
クレジットカード情報が流出すると、不正利用のリスクが高まります。ユーザー自身がカード情報を適切に管理することが、最も基本的な防止策となります。
カード情報を安全に保管する
- カード番号やセキュリティコードを他人と共有しない
- SNSやメール、メモ帳アプリなどにカード情報を保存しない。
- 不審な電話やメールでカード情報を求められても応じない。
- カードを持ち歩く枚数を最小限にする
- 不要なカードは自宅で厳重に保管し、紛失や盗難のリスクを減らす。
- 定期的に利用明細を確認する
- 毎月の利用明細をチェックし、不審な取引がないか確認する。
- カード会社のアプリを活用し、リアルタイムで取引履歴を確認するのも有効。
カードの盗難・紛失時の対応
- 紛失した場合は、すぐにカード会社へ連絡し利用を停止。
- カードの不正利用保険が適用されるか確認し、必要に応じて警察に届出を行う。
- 盗難防止のため、財布やスマートフォンケースにカードを無造作に収納しない。
6.2 安全なオンライン決済のためのポイント
インターネット上でのクレジットカード利用は便利ですが、サイバー犯罪の標的になりやすいため、慎重な対応が求められます。以下のポイントを意識することで、不正利用のリスクを軽減できます。
信頼できるサイトでのみ決済を行う
- 公式サイトや大手ECサイトを利用する
- 知名度の低いサイトや個人売買サイトでの決済は慎重に行う。
- 企業の正規URLを確認し、フィッシングサイトに注意する。
- サイトのSSL(暗号化通信)を確認する
- URLが「https://」で始まっているかを確認し、「http://」のサイトでは決済を行わない。
- ブラウザのアドレスバーに鍵マークがあるか確認する。
二段階認証を活用する
- 3Dセキュア(本人認証サービス)を有効にする
- 3Dセキュア対応サイトでは、パスワードやワンタイムパスワードによる本人確認を行う。
- ワンタイムパスワード(OTP)を設定する
- カード会社の提供するOTP機能を利用し、不正アクセスを防止する。
- カード会社の不正利用通知を設定する
- カード利用時に通知が届くように設定し、不審な取引が発生した場合にすぐに対応できるようにする。
公共Wi-Fiでの決済を避ける
- 無料Wi-Fiを利用したオンライン決済は避け、できるだけ自宅やモバイルデータ通信を利用する。
- VPN(仮想プライベートネットワーク)を使用することで、通信の安全性を高める。
6.3 不正利用発生時の対応手順
万が一、不正利用が発生した場合は、迅速な対応が重要です。以下の手順に従って、適切な対処を行いましょう。
1. クレジットカード会社に連絡し、カードを停止する
- 不正取引が確認された場合、すぐにカード会社のサポートセンターに連絡。
- ほとんどのカード会社は24時間対応の不正利用専用窓口を設けている。
- カードの再発行手続きを進め、不正利用されたカードの利用を停止する。
2. 不正利用の被害報告と補償の確認
- クレジットカードには不正利用時の補償が適用されるケースが多い。
- 補償を受けるには、カード会社の規定に従い、一定期間内に被害を申請する必要がある。
- 必要に応じて警察へ被害届を提出し、被害届の受理番号を取得する。
3. アカウントのパスワード変更とセキュリティ対策の強化
- オンライン決済を行ったサイトのパスワードを変更し、アカウントの安全性を高める。
- メールアカウントがハッキングされている可能性があるため、メールやSNSのパスワードも変更する。
- 重要なアカウントには二段階認証を設定し、セキュリティを強化する。
4. 利用明細の継続的な監視
- 不正利用が発覚した後も、しばらくの間は利用明細を注意深く監視する。
- 同じカード情報が再度漏洩している可能性があるため、慎重に取引をチェックする。
まとめ
クレジットカードの不正利用は、ユーザーが適切な対策を講じることで大幅に防ぐことが可能です。
- カード情報を適切に管理し、不審なサイトやメールには注意を払うこと。
- オンライン決済では信頼できるサイトのみを利用し、3Dセキュアやワンタイムパスワードを活用すること。
- 不正利用が発生した場合は、迅速にカード会社へ連絡し、適切な対応を行うこと。
これらのポイントを意識することで、安全にクレジットカードを利用することができます。
次回は、クレジットカード不正利用対策としての”AIによる不正検知の仕組み”について解説してみようと思います。
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この記事を書いた人

株式会社APPSWINGBY マーケティング
APPSWINGBY(アップスイングバイ)は、アプリケーション開発事業を通して、お客様のビジネスの加速に貢献することを目指すITソリューションを提供する会社です。
ご支援業種
情報・通信、医療、製造、金融(銀行・証券・保険・決済)、メディア、流通・EC・運輸 など多数

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監修

株式会社APPSWINGBY CTO 川嶋秀一
動画系スタートアップ、東証プライム R&D部門を経験した後に2019年5月に株式会社APPSWINGBY 取締役兼CTOに就任。
Webシステム開発からアプリ開発、AI、リアーキテクチャ、リファクタリングプロジェクトを担当。C,C++,C#,JavaScript,TypeScript,Go,Python,PHP,Vue.js,React,Angular,Flutter,Ember,Backboneを中心に開発。お気に入りはGo。

株式会社APPSWINGBY CTO 川嶋秀一
動画系スタートアップ、東証プライム R&D部門を経験した後に2019年5月に株式会社APPSWINGBY 取締役兼CTOに就任。
Webシステム開発からアプリ開発、AI、リアーキテクチャ、リファクタリングプロジェクトを担当。C,C++,C#,JavaScript,TypeScript,Go,Python,PHP,Vue.js,React,Angular,Flutter,Ember,Backboneを中心に開発。お気に入りはGo。