プライベートクラウド構築を成功させるポイント
大手クラウドプロバイダーからの脱却を目指してというお題で、「第一回:AWSやGCP、Azureを使わないシステムのクラウド化 ~大手クラウドからの脱却」「第二回:AWSやGCP、Azureを使わないシステムのクラウド化 ~もうひとつのクラウド」と大手クラウドからの代替え先についてご紹介してきました。
第三回目のとなる今回は、前回ご紹介したプライベートクラウド構築を成功させるポイントについて、ご紹介します。
プライベートクラウド構築を成功させるポイント
プライベートクラウドの構築は、自社のIT環境を大きく変革する重要なプロジェクトです。成功させるためには、綿密な計画と適切な戦略が必要です。ここでは、プライベートクラウド構築を成功に導くためのポイントを解説します。
1.目的と要件の明確化: なぜプライベートクラウドが必要なのか
プライベートクラウド構築の第一歩は、その目的と要件を明確にすることです。なぜプライベートクラウドが必要なのか、どのようなメリットを期待するのか、具体的なユースケースは何かなどを明確に定義しましょう。これにより、適切な技術選定や設計を行うことができます。
- セキュリティやコンプライアンスへの対応
- 既存システムとの親和性
- 特定のワークロードへの最適化
- コスト削減
- 将来の拡張性
2.適切な技術選定: オープンソース vs. 商用ソリューション
プライベートクラウドを構築するための技術は多岐にわたります。オープンソースソフトウェア(OpenStack、CloudStackなど)と商用ソリューション(VMware、Nutanixなど)があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
- オープンソース: コストを抑えられますが、構築・運用には高度な技術力が必要です。
- 商用ソリューション: サポートが充実しており、導入が容易ですが、ライセンス費用が発生します。
自社の技術力や予算、求める機能などを考慮して、最適な技術を選択する必要があります。
3.セキュリティ対策の徹底: プライベートクラウドならではの課題と対策
プライベートクラウドは、パブリッククラウドと比較して外部からのアクセスを制限しやすいですが、それでもセキュリティ対策は重要です。
- アクセス制御: 適切なアクセス制御を設定し、不正アクセスを防ぎましょう。
- データ暗号化: データの暗号化を行い、データ漏洩のリスクを低減しましょう。
- 脆弱性管理: 定期的な脆弱性診断やパッチ適用を行い、セキュリティホールを塞ぎましょう。
- ゼロトラストセキュリティ: 境界防御だけでなく、内部からの脅威にも備えるゼロトラストセキュリティの導入を検討しましょう。
4.運用体制の構築: 効率的な運用のためのポイント
プライベートクラウドの運用には、専門知識を持った人員が必要です。運用体制を事前に構築し、担当者への教育やトレーニングを行いましょう。
- 監視: システムの稼働状況を監視し、障害発生時には迅速に対応できるようにしましょう。
- バックアップ: 定期的なバックアップを行い、データ損失に備えましょう。
- 障害復旧: 障害発生時の復旧手順を確立し、定期的な訓練を行いましょう。
- 自動化: 運用作業の自動化を推進し、運用効率を高めましょう。
5.コスト管理の重要性: 隠れたコストを見逃さない
プライベートクラウドは、パブリッククラウドのような従量課金制ではないため、コスト管理が重要です。ハードウェアの償却費、ソフトウェアのライセンス費用、運用人員の人件費など、隠れたコストを見逃さないようにしましょう。
- 利用状況の監視: リソースの利用状況を監視し、無駄なリソースを削減しましょう。
- キャパシティプランニング: 将来の拡張を見据えたキャパシティプランニングを行い、過剰な投資を避けましょう。
- コスト最適化: 定期的にコストを見直し、最適化を図りましょう。
まとめ
プライベートクラウド構築を成功させるためには、目的と要件の明確化、適切な技術選定、セキュリティ対策の徹底、運用体制の構築、コスト管理などが重要です。これらのポイントを押さえ、自社に最適なプライベートクラウド環境を構築しましょう。
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この記事を書いた人
株式会社APPSWINGBY マーケティング
APPSWINGBY(アップスイングバイ)は、アプリケーション開発事業を通して、お客様のビジネスの加速に貢献することを目指すITソリューションを提供する会社です。
ご支援業種
情報・通信、医療、製造、金融(銀行・証券・保険・決済)、メディア、流通・EC・運輸 など多数
監修
株式会社APPSWINGBY
CTO 川嶋秀一
動画系スタートアップ、東証プライム R&D部門を経験した後に2019年5月に株式会社APPSWINGBY 取締役兼CTOに就任。
Webシステム開発からアプリ開発、AI、リアーキテクチャ、リファクタリングプロジェクトを担当。C,C++,C#,JavaScript,TypeScript,Go,Python,PHP,Vue.js,React,Angular,Flutter,Ember,Backboneを中心に開発。お気に入りはGo。