CTEM(Continuous Threat Exposure Management|継続的脅威エクスポージャー管理)とは

今回は、ここ数年で急速に注目されるようになってきたCTEM(Continuous Threat Exposure Management|継続的脅威エクスポージャー管理)についてご紹介します。
では、さっそくはじめていきましょう!
- 1. 拡大し続けてきた企業のIT環境
- 1.1. 伝統的な脆弱性管理の限界
- 1.2. 攻撃の高度化・巧妙化
- 1.3. リスクベース・ビジネスコンテキスト重視の潮流
- 2. CTEMとは何か
- 3. CTEMの役割と重要性
- 3.1. 1)継続的な露出の可視化と評価
- 3.2. 2)攻撃可能性とビジネス影響の文脈化
- 3.3. 3)優先順位付けをビジネスリスクに割り当て
- 4. CTEM の基本プロセス(5つのステップ)
- 4.1. 1. Scoping(スコーピング)
- 4.2. 2. Discovery(発見)
- 4.3. 3. Prioritization(優先順位付け)
- 4.4. 4. Validation(検証)
- 4.5. 5. Mobilization(対応・実行)
- 5. まとめ:CTEM の本質
拡大し続けてきた企業のIT環境
近年、企業のIT環境は、クラウドサービス(AWS、Azure、GCPなど)の利用拡大やモバイル/リモートワークの浸透、SaaS/API/IoT デバイスの増加といった要素で、攻撃対象領域(アタックサーフェイス)が爆発的に拡大続けてきました。
これにより、多くの企業では、従来の定期スキャンや年次評価だけでは最新のリスクを把握・対応しきれなくなってきたという新たな問題が勃発する事態になりました。
良い事があれば、悪いことがある。物事には常に両面性が存在する典型のような話ですが、こればっかりは必然性のあることですので、“現状を把握して、対策、対処する”一択となります。
伝統的な脆弱性管理の限界
これまでの脆弱性管理について、簡単にまとめておきましょう。
従来型の脆弱性管理では、
- 数週間〜数か月ごとのスキャン
- CVE(共通脆弱性識別子)ベースの評価
- 技術的重大度優先の対応
といった「静的・断片的なリスク評価」が主流でした。
しかしこれでは、
- 「攻撃者が実際に悪用できる経路」を把握できない
- 脆弱性や設定ミスが事業への影響と結びつかない
- スキャン時点のスナップショットにすぎないため対応が後手に回る
といった問題があり、現実のサイバー脅威に追いつけないケースが増えています。
攻撃の高度化・巧妙化
そして、今実際に発生しているサイバー攻撃は、単純なスクリプトキディの攻撃から、多段階攻撃や標的型攻撃(APT)、ソフトウェアサプライチェーン攻撃のように複雑化・高度化しています。
このようなサイバー攻撃が発生している状況では、単純な脆弱性スキャンではなく、攻撃者の視点で「どのルートから侵入しうるか」「攻撃チェーンはどう形成されるか」を理解する必要が出てきます。
ここで、出てくるのが攻撃パス管理(Attack Path Management)や検証・優先順位付けの重要性です。
リスクベース・ビジネスコンテキスト重視の潮流
セキュリティの評価基準として、これまで使用し続けてきた”技術的な重大度スコア(例:CVSS)“だけでなく、
「実際に悪用される可能性」、「事業への影響度」、「攻撃者の観点からの優先度判断」
といった ビジネスリスク視点が重視されるようになりました。
そこで、出てきたのがCTEM(Continuous Threat Exposure Management|継続的脅威エクスポージャー管理)です。
だいぶ前置きが長くなってしまいましたが、CTEM はまさにこの「技術的スコア × ビジネスコンテキスト」を組み合わせた枠組みで、セキュリティ投資や対応策に優先順位を付けやすくする設計になっているのです。
CTEMとは何か
CTEMについて、もう少し解説をしていきます。
CTEM(Continuous Threat Exposure Management) は、組織の 攻撃露出(Threat Exposure)を継続的に可視化・評価・優先順位付け・検証・改善していくサイバーセキュリティフレームワーク です。
脆弱性だけでなく、設定ミス・権限の乱れ・外部への露出要素なども含めて「攻撃者が実際に悪用できるリスク」を重視します。
従来の 定期スキャン中心の脆弱性管理 と異なり、CTEM は リアルタイム性と継続性 を備えたループ型のプロセスとして運用されるのです。
CTEMの役割と重要性
CTEMの役割と重要性についても、ご紹介します。
CTEM の基本的な狙いは以下の通りです。
1)継続的な露出の可視化と評価
攻撃対象領域(Attack Surface)、脆弱性、設定エラー、アイデンティティのリスクなどを リアルタイムで見える化 し、「現在、本当に攻撃者にとって使えるリスクは何か」を明確にします。
2)攻撃可能性とビジネス影響の文脈化
単なる技術スコア(例:CVSS)ではなく、 攻撃者の視点でどの経路を使って侵入可能か? 何が壊れたら事業に影響が出るか? を評価します。
3)優先順位付けをビジネスリスクに割り当て
脅威対応を単なる「技術対策」ではなく 事業リスクとして最適化 し、限られたリソースを最大限効果的に使えるように設計されています。
CTEM の基本プロセス(5つのステップ)
CTEM は 継続的なループ で、5つの主要フェーズから成ります。これは Gartner が提唱したフレームワークで、全体を循環させることで防御力を常に更新していく仕組みです。
1. Scoping(スコーピング)
まず最初に、対象範囲を定義します。
- 重要資産
- クラウド環境・オンプレ・サードパーティ
- ID や権限範囲など
攻撃対象となる範囲を明確にすることで 無駄な検出・誤検知を減らし、意義ある分析につなげる ことができます。
2. Discovery(発見)
次に、攻撃対象領域を継続的に検出・把握 します。
- 資産インベントリ
- 脆弱性・ミスコンフィグの検出
- 公開エンドポイント
- 影の IT(シャドーIT)
- ID の暴露情報
既存のセキュリティツールだけでは網羅が難しく、継続的なデータ収集と統合が必要になります。
3. Prioritization(優先順位付け)
そして、”2”で見つかった露出を「重要度 × 実行可能性 × ビジネス影響」で評価します。
- 単なる重大度ではなく 攻撃コード可能性(Exploitability) を基準にします。
- リアルタイム脅威インテリジェンスも優先付けに反映。
4. Validation(検証)
発見・評価された露出が 実際に攻撃可能な状態かを検証 します。この工程が重要且つ技術力が必要とされれるポイントですが、以下のような検証を時間と予算を検討しつつ、実施します。自社で技術や経験などで不足している場合は、外部の専門企業への委託します。
- 自動化された攻撃シミュレーション
- バース・アンド・アタック・シミュレーション(BAS)
- 赤チーム(Red Team)
- ペネトレーションテスト
これにより 偽陽性を排除し、真に意味のあるリスクだけを残す ことができます。
5. Mobilization(対応・実行)
最後に、優先順位付けされた露出に対して 対策を実行します。
- パッチ適用
- コンフィグ修正
- 権限制限
- インシデント対応計画の更新
さらに対応状況を追跡し、次サイクルの評価にフィードバックします。
まとめ:CTEM の本質
CTEM は「継続的な脅威露出管理プロセス」であり、既存の脆弱性管理やセキュリティ運用を進化させるものです。
ポイントは以下の4つです。
- 静的ではなく 継続的・リアルタイム
- 技術的な欠陥ではなく 攻撃可能性 × 事業影響
- 発見だけでなく 検証と証拠に基づく改善
- セキュリティ投資と ビジネスリスク評価の整合性
このように、CTEM は現代の複雑かつ動的なサイバーリスクに対応するための 包括的で実践的なフレームワーク なのです。
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この記事を書いた人

株式会社APPSWINGBY マーケティング
APPSWINGBY(アップスイングバイ)は、アプリケーション開発事業を通して、お客様のビジネスの加速に貢献することを目指すITソリューションを提供する会社です。
ご支援業種
情報・通信、医療、製造、金融(銀行・証券・保険・決済)、メディア、流通・EC・運輸 など多数

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監修

株式会社APPSWINGBY CTO 川嶋秀一
動画系スタートアップや東証プライム上場企業のR&D部門を経て、2019年5月より株式会社APPSWINGBY 取締役兼CTO。
Webシステム開発からアプリ開発、AI導入、リアーキテクチャ、リファクタリングプロジェクトまで幅広く携わる。
C, C++, C#, JavaScript, TypeScript, Go, Python, PHP, Java などに精通し、Vue.js, React, Angular, Flutterを活用した開発経験を持つ。
特にGoのシンプルさと高パフォーマンスを好み、マイクロサービス開発やリファクタリングに強みを持つ。
「レガシーと最新技術の橋渡し」をテーマに、エンジニアリングを通じて事業の成長を支えることに情熱を注いでいる。

株式会社APPSWINGBY CTO 川嶋秀一
動画系スタートアップや東証プライム上場企業のR&D部門を経て、2019年5月より株式会社APPSWINGBY 取締役兼CTO。
Webシステム開発からアプリ開発、AI導入、リアーキテクチャ、リファクタリングプロジェクトまで幅広く携わる。
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特にGoのシンプルさと高パフォーマンスを好み、マイクロサービス開発やリファクタリングに強みを持つ。
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