ヘルスチェックとは

ヘルスチェックは、サーバーやアプリケーションなどのシステムコンポーネントが正常に機能しているかを定期的に確認するための仕組みです。

ヘルスチェックの概要と目的

ヘルスチェック(Health Check)は、システムの可用性と信頼性を維持するために不可欠なプロセスです。

これは、単にシステムが稼働しているか(稼働中か停止中か)だけでなく、より深いレベルで「サービスを提供できる健全な状態にあるか」を診断します。

例えば、ウェブサーバーが稼働していても、データベースとの接続が切断されていれば、ユーザーはサービスを利用できません。ヘルスチェックはこのような状態を検知し、障害を未然に防いだり、迅速な復旧を促したりします。

主な目的は、システム障害を早期に発見し、自動的な復旧プロセスをトリガーすることです。これにより、ダウンタイムを最小限に抑え、一貫したユーザーエクスペリエンスを提供できます。

ヘルスチェックの種類と動作

ヘルスチェックは、システムの階層や目的によって、いくつかの方法で実施されます。

1. シンプルなヘルスチェック

  • 概要:
    • サーバーが応答しているかを確認する最も基本的な方法です。
  • :
    • ロードバランサが、各ウェブサーバーの特定のURL(例:/healthz)にHTTPリクエストを送信し、200 OKというレスポンスが返ってくるかを確認します。

2. ディープヘルスチェック

  • 概要:
    • システムの内部コンポーネントの状態も確認します。
  • :
    • データベースへの接続、外部APIへの通信、キャッシュの状態、ディスク容量など、サービス提供に不可欠な依存関係が健全であるかを検査します。

3. アクティブヘルスチェックとパッシブヘルスチェック

  • アクティブヘルスチェック:
    • 監視システムが能動的にヘルスチェックリクエストを送信します。上記のロードバランサの例がこれに該当します。
  • パッシブヘルスチェック:
    • 監視対象のシステムが、自身に問題が発生した際に、自ら異常を通知します。ハートビート信号の停止などもこれに含まれます。

ヘルスチェックの活用例

ヘルスチェックは、クラウド環境やコンテナ化されたマイクロサービスアーキテクチャにおいて特に重要な役割を果たします。

  • ロードバランサ:
    • ロードバランサは、ヘルスチェックによって健全でないサーバーをトラフィックの振り分け先から自動的に外し、サービス全体の安定性を維持します。
  • コンテナオーケストレーション:
    • Kubernetesのようなコンテナ管理ツールは、ヘルスチェックを用いて、コンテナの再起動や自動復旧を制御します。これにより、障害が発生したコンテナを自動的に交換し、サービスの可用性を高めます。
  • CI/CDパイプライン:
    • 新しいバージョンをデプロイする際、ヘルスチェックで新しいインスタンスの健全性を確認し、問題があれば自動的にロールバック(以前のバージョンに戻す)を行うことで、デプロイメントのリスクを低減します。

ヘルスチェックは、システムの「自己診断機能」であり、障害対応を自動化し、人手による監視や手動での復旧作業を減らすことで、運用チームの負担を大幅に軽減します。

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