システム開発

システム開発とは、ソフトウェアやハードウェア、データ、ネットワーキングなどの様々な要素を統合して、特定の目的や機能を持つシステムを設計、開発、実装するプロセスのことです。

このプロセスには、ソフトウェアアプリケーション開発、モバイルアプリケーション開発、ウェブシステムやDB(データベースシステム)システムの構築、ネットワークシステムの構築などが含まれます。

システム開発の概要と目的

システム開発は、単にプログラムコードを作成する作業だけを指すのではなく、ビジネスニーズの分析からシステムの運用・保守に至るまでの、ライフサイクル全体を包含する概念です。現代の企業活動において、業務効率の向上、顧客サービスの強化、新たなビジネスモデルの実現など、競争力を維持・向上させるための基盤となります。

システム開発の主要な目的

  1. 業務効率の最適化(Efficiency Improvement):
    • 手作業や非効率なプロセスを自動化・デジタル化し、コスト削減と生産性向上を図ります。
  2. 情報管理の強化(Data Management):
    • 必要な情報を迅速かつ正確に収集、分析、活用できる仕組みを構築し、データに基づいた意思決定を支援します。
  3. 競争力の確立(Competitive Advantage):
    • 他社にはない革新的なサービスや機能をシステムとして提供し、市場における優位性を確立します。
  4. リスクの低減(Risk Mitigation):
    • セキュリティ、コンプライアンス、事業継続性(BCP)などの観点から、システムを通して事業リスクを管理し、安定した運営を確保します。

システム開発の標準的なプロセス

システム開発は、一般的に複数のフェーズに分割され、各フェーズで明確な成果物(ドキュメント、プログラム、テスト結果など)を作成しながら進められます。代表的な開発モデルであるウォーターフォールモデルに基づき、その標準的なプロセスを解説します。

1. 企画・要件定義フェーズ(Planning & Requirement Definition)

開発の最も重要な土台を築くフェーズです。

  • 企画: 解決したい課題や実現したい目標を明確にし、システム化の費用対効果や実現可能性を検討します。
  • 要件定義: ユーザーがシステムに何を求めるか(ユーザー要件)を明確化し、それをシステムが満たすべき機能や性能(システム要件)に落とし込みます。このフェーズの成果物である要件定義書は、その後の全ての工程の基礎となります。

2. 設計フェーズ(Design)

要件定義に基づき、システムの具体的な構造や動作を詳細に決定します。

  • 外部設計(基本設計): ユーザーから見える部分(ユーザーインターフェース、画面、帳票、外部連携)を設計します。
  • 内部設計(詳細設計): プログラム内部の構造、データベースのテーブル構造、モジュール間の連携、処理アルゴリズムなどを設計します。

3. プログラミング・単体テストフェーズ(Programming & Unit Testing)

設計書に基づき、実際にプログラムコードを作成し、動作を確認します。

  • プログラミング: 選択したプログラミング言語を用いてソースコードを作成します。
  • 単体テスト: 個々のプログラムモジュールが設計通りに動作するかどうかを開発者自身が確認します。

4. 結合・総合テストフェーズ(Integration & System Testing)

作成されたモジュールやシステム全体が、要件定義を満たしているかを検証します。

  • 結合テスト: 複数のモジュールを組み合わせて連携動作を確認します。
  • 総合テスト: システム全体を通じた業務シナリオに基づき、システムがユーザー要件を全体として満たしているかを確認します。
  • 受け入れテスト(UAT): ユーザー(依頼者側)が実際にシステムを操作し、納品物として受け入れ可能かどうかを最終的に判断します。

5. 移行・導入フェーズ(Deployment & Go-live)

完成したシステムを本番環境に導入し、利用を開始します。

  • 既存システムからのデータ移行、インフラの構築、ユーザーへの操作トレーニングなどが含まれます。

6. 運用・保守フェーズ(Operation & Maintenance)

システムの本稼働後、安定稼働を維持するための活動です。

  • 運用: 日常の監視、バックアップ、性能管理などを行います。
  • 保守: システムの不具合修正(バグフィックス)、環境変化への対応(OSアップデートなど)、機能改善のための小規模な改修を行います。

システム開発における開発手法の多様化

従来のウォーターフォールモデルは、計画通りに進めやすい反面、途中の要件変更に柔軟に対応できないという課題がありました。この課題に対応するため、近年では様々な開発手法が採用されています。

  • アジャイル開発: 要件の変更を前提とし、機能単位で短いサイクル(イテレーション)で「計画 → 設計 → 実装 → テスト」を繰り返し、迅速にシステムを構築していく手法です。
  • プロトタイピングモデル: システムの重要な部分やインターフェースを試作品(プロトタイプ)として早期に作成し、ユーザーのフィードバックを得ながら要件を確定させていく手法です。

関連用語

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