クラス確信度とは

クラス確信度(Class Confidence Score)は、画像認識における物体検出タスクにおいて、モデルが画像内の特定の領域(例えば、提案領域、アンカーボックス、グリッドセルなど)に、特定の物体クラス(例えば、猫、自動車、歩行者など)が存在する可能性を予測した結果を示す数値です。

通常、0から1の間の値で表され、1に近いほどその領域に該当のクラスの物体が存在する確信度が高いことを意味します。

クラス確信度 の基本概念

物体検出モデルは、画像内の物体の位置を特定するバウンディングボックスの予測と同時に、そのバウンディングボックス内(または関連付けられた領域内)にどのような種類の物体が存在するかのクラス分類を行います。クラス確信度は、このクラス分類の結果として出力されるスコアであり、モデルがその予測したクラスに対してどれだけ確信を持っているかを示します。

多くの物体検出モデルでは、複数の物体クラスを識別するために、各クラスに対応するクラス確信度が出力されます。例えば、ある領域に対して「猫である確信度:0.9」「犬である確信度:0.1」「自動車である確信度:0.05」といった複数のスコアが出力されることがあります。

クラス確信度 の生成方法

クラス確信度は、通常、物体検出モデルの最終層(分類層)において、活性化関数(例えば、Softmax関数やSigmoid関数)を適用することで得られます。

  • Softmax関数: 複数のクラスを排他的に分類する場合に用いられ、出力された各クラスのスコアを確率分布に変換します。したがって、出力されたクラス確信度の合計は1になります。
  • Sigmoid関数: 複数のクラスが非排他的に存在しうる場合(例えば、一つの領域に複数のラベルが付く可能性がある場合)に用いられ、各クラスに対して独立に0から1の間の確信度を出力します。

クラス確信度 の利用

クラス確信度は、物体検出の結果を解釈し、後処理を行う上で重要な役割を果たします。

  • 閾値処理(Thresholding): ある閾値を設定し、クラス確信度がその閾値を超えた予測のみを有効な検出結果として採用します。閾値を高く設定すると、誤検出を減らすことができますが、検出漏れが増える可能性があります。逆に、閾値を低く設定すると、検出漏れは減りますが、誤検出が増える可能性があります。
  • 非最大抑制(Non-Maximum Suppression, NMS): 同じ物体に対して複数の重複したバウンディングボックスが検出されることがあるため、クラス確信度の高いバウンディングボックスを残し、低いものを除去する際に、クラス確信度が用いられます。
  • 検出結果のランキング: 検出された物体をクラス確信度の高い順に並べることで、最も確信度の高い検出結果を優先的に表示したり、分析したりすることができます。
  • モデルの評価: クラス確信度と真のラベルを比較することで、モデルの分類性能を評価することができます。例えば、特定のクラスに対する予測の確信度が低い場合に、モデルの改善が必要となる可能性があります。

クラス確信度 の注意点

  • 確信度と精度: 高いクラス確信度が必ずしも予測の正確さを保証するわけではありません。モデルが誤ったクラスに対して高い確信度を出力する可能性もあります。
  • モデルの校正(Calibration): モデルが出力するクラス確信度が、実際の確率を適切に反映していることが望ましいです。モデルによっては、確信度が過剰または過小である場合があり、その場合はモデルの校正が必要となることがあります。

クラス確信度は、物体検出モデルが特定の領域内の物体クラスを予測する際に、その予測の信頼性を示す重要な指標です。適切な閾値処理や後処理と組み合わせることで、高品質な物体検出結果を得るために不可欠な情報となります。また、モデルの性能評価や改善の方向性を検討する上でも重要な役割を果たします。

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