ジャンボフレームとは

ジャンボフレームは、イーサネットにおいて標準的な最大伝送単位(MTU)である1500バイトを超えた、巨大なデータフレームのことです。

主にギガビットイーサネット以上の高速ネットワーク環境で利用され、1フレームあたりのペイロード(データ本体)のサイズを9000バイト程度まで拡張することで、通信効率の向上とネットワーク機器の負荷軽減を図る技術を指します。

ジャンボフレームの仕組みと目的

通常のイーサネット通信では、一度に送信できるパケットのサイズに制限があります。大容量のデータを送る際、標準的なMTUではデータを細かく分割して大量のフレームを生成する必要がありますが、ジャンボフレームを用いることで、この分割回数を劇的に減らすことが可能になります。

1. 通信効率(スループット)の向上

各フレームには、送信先・送信元アドレスやエラーチェック用の情報を含む「ヘッダー」と「トレーラー」が付加されます。フレームサイズを大きくすることで、データ全体に対する制御情報の割合が低下し、実効的なデータ転送速度が向上します。

2. CPU負荷の軽減

ネットワークインターフェースカード(NIC)やオペレーティングシステムは、フレームを受け取るたびに割り込み処理を行います。ジャンボフレームによってフレームの総数が減少すれば、これらの処理回数も減り、サーバーやネットワーク機器のCPU消費電力を抑えることができます。

理論的な転送効率の比較

イーサネットフレームのヘッダーおよびトレーラーの合計サイズを

L_{h}

(通常18から22バイト程度)、ペイロードのサイズを L_{p} とすると、転送効率 $\eta$ は以下の式で表されます。

\eta = \frac{L_{p}}{L_{p} + L_{h}}

標準的なMTU(1500バイト)と、一般的なジャンボフレーム(9000バイト)を比較すると、分母に対する分子の比率が高まるため、理論上の伝送効率が向上することが分かります。

導入における要件と留意点

ジャンボフレームの効果を享受するためには、単に設定を変更するだけでなく、ネットワーク経路上のすべての機器が対応している必要があります。

1. 一貫した設定の必要性

送信元ホスト、途中のネットワークスイッチ、受信先ホストのすべてにおいてジャンボフレームを有効化し、MTU値を統一する必要があります。

2. MTU不一致のリスク

経路上の機器の中に一つでもジャンボフレームに対応していない(MTUが1500バイトのままの)機器が存在する場合、パケットの破棄や断片化(フラグメンテーション)が発生し、逆に通信速度が著しく低下したり、通信不能に陥ったりするトラブルの原因となります。

3. 主な利用シーン

現在、ジャンボフレームは以下のような限定的な環境で主に活用されています。

  • SAN(Storage Area Network):iSCSIを用いたストレージ通信。
  • データセンター内のバックボーン通信。
  • 大容量バックアップの実行環境。

まとめ

ジャンボフレームは、正しく設計・構築された環境下ではネットワークのポテンシャルを最大限に引き出す有用な手段です。しかし、インターネット越しの通信など、不特定多数の機器を経由する経路では標準のMTUが優先されるため、主にクローズドな高速LAN環境における最適化手法として理解しておくことが重要です。

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