ソフトウェアテストとは

ソフトウェアテスト(Software Testing)とは?開発されたソフトウェア製品が、定義された要求仕様を満たしているか、意図した通りに動作するかを検証し、欠陥を発見するための体系的なプロセスのこと。

ソフトウェアテスト(Software Testing)は、ソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)において、開発されたソフトウェア製品の品質を評価し、潜在的な欠陥(バグ、エラーなど)を特定するために実施される一連の活動です。テストの目的は、ソフトウェアが顧客やユーザーの要求を満たしているか、設計通りに機能するかを確認し、信頼性、安全性、性能などの品質特性を保証することにあります。効果的なソフトウェアテストは、リリース前の欠陥を早期に発見し修正することで、開発コストの削減、ユーザー満足度の向上、ビジネスリスクの低減に貢献します。

ソフトウェアテスト の基本的な概念

ソフトウェアテストは、単に「バグ探し」に留まらず、ソフトウェアの品質に関する情報をステークホルダーに提供する重要な活動です。テストを通じて得られた結果は、ソフトウェアのリリース判断、品質改善のための開発プロセスの見直し、将来のプロジェクトへの教訓などに活用されます。

ソフトウェアテストは、テスト対象、テストレベル、テスト技法など、様々な観点から分類されます。

ソフトウェアテスト の種類

テストは、その目的や対象範囲によって多岐に分類されます。

  1. テスト対象による分類:
    • 機能テスト(Functional Testing): ソフトウェアの機能が、要求仕様書に記述された通りに動作するかどうかを検証します。入力と期待される出力を比較し、機能の正当性を確認します。
    • 非機能テスト(Non-functional Testing): ソフトウェアの機能以外の品質特性(性能、信頼性、安全性、ユーザビリティ、互換性など)を検証します。
    • 構造テスト(Structural Testing): ソフトウェアの内部構造(ソースコード、設計など)に着目して実施するテストです。カバレッジを測定し、テストされていない部分を特定する目的で行われます。
    • 回帰テスト(Regression Testing): ソフトウェアに変更(修正、機能追加など)を加えた後、既存の機能が意図しない影響を受けていないかを確認するために実施するテストです。
  2. テストレベルによる分類:
    • 単体テスト(Unit Testing): ソフトウェアを構成する最小単位(関数、メソッド、クラスなど)を個別にテストします。開発者が主に実施し、早期に局所的な欠陥を発見することを目的とします。
    • 結合テスト(Integration Testing): 単体テスト済みの複数のモジュールを結合し、それらの間の相互作用やデータの流れをテストします。
    • システムテスト(System Testing): 統合されたソフトウェアシステム全体が、定義されたシステム要件を満たしているかを検証します。実際の利用環境に近い環境で実施されることが多いです。
    • 受け入れテスト(Acceptance Testing): 最終的なソフトウェア製品が、顧客やユーザーの要求を満たしているかを検証します。ユーザー自身または独立したテスターが実施することが一般的です。
  3. テスト技法による分類:
    • ブラックボックステスト(Black-box Testing): ソフトウェアの内部構造を意識せず、入力と出力のみに着目してテストケースを作成し、実施する技法です。機能テストが代表的です。
    • ホワイトボックステスト(White-box Testing): ソフトウェアの内部構造(ソースコードなど)を理解した上でテストケースを作成し、実施する技法です。構造テストが代表的です。
    • 経験ベーステスト(Experience-based Testing): テスターの知識、経験、直感に基づいてテストケースを作成し、実施する技法です。探索的テストなどが該当します。

ソフトウェアテスト のプロセス

一般的なソフトウェアテストのプロセスは、以下の段階を含みます。

  1. テスト計画(Test Planning): テストの目的、範囲、戦略、リソース、スケジュール、責任などを定義します。
  2. テスト設計(Test Design): テスト対象となる機能や品質特性に基づいて、具体的なテストケースを作成します。
  3. テスト環境構築(Test Environment Setup): テストを実行するために必要なハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなどの環境を準備します。
  4. テスト実行(Test Execution): 設計されたテストケースに基づき、実際にソフトウェアを実行し、結果を記録します。
  5. 結果分析とレポート(Test Result Analysis and Reporting): テスト結果を分析し、発見された欠陥を特定し、報告書を作成します。
  6. 欠陥修正と再テスト(Defect Fixing and Retesting): 報告された欠陥が修正された後、修正が正しく行われたかを確認するために再テストを実施します。
  7. テスト完了(Test Closure): テストの目的が達成されたと判断された時点で、テスト活動を終了し、結果をまとめます。

効果的なソフトウェアテスト の原則

効果的なソフトウェアテストを実施するためには、以下の原則を考慮する必要があります。

  • テストは早期に開始する(Early Testing)。
  • テストは欠陥の偏在に注意する(Defect Clustering)。
  • 殺虫剤のパラドックスに注意する(Pesticide Paradox)。
  • テストは文脈に依存する(Testing is Context Dependent)。
  • 欠陥がないということはありえない(Absence of Errors Fallacy)。
  • テストは網羅的ではない(Exhaustive Testing is Impossible)。
  • テストは期待される結果を定義する(Test shows presence of defects)。

ソフトウェアテストは、開発されたソフトウェアの品質を保証し、ユーザーに信頼性の高い製品を提供するために不可欠なプロセスです。機能テスト、非機能テスト、構造テストなど様々な種類のテストがあり、単体テストから受け入れテストまで複数のレベルで実施されます。

計画、設計、環境構築、実行、結果分析、欠陥修正、完了といった体系的なプロセスに従ってテストを実施し、効果的なテストの原則を適用することで、ソフトウェアの品質を向上させ、開発プロジェクトの成功に貢献します。

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