パケットとは

パケットは、コンピュータネットワークにおいてデータを送受信する際に、扱いやすい大きさに分割されたデータの小さなまとまりのことです。

英語の「小包」を意味する言葉が語源であり、大きな一つのデータをそのまま送るのではなく、細分化して転送することで、効率的かつ安定した通信を実現する現代のデジタル通信の基本単位となっています。

パケット通信の仕組み

インターネットなどのIPネットワークでは、画像やメール、動画といったデータは送信前に適切なサイズに分割され、パケットとして送り出されます。

1. 分割と組み立て

送信側で分割されたパケットには、それぞれに番号が振られます。受信側のコンピュータは、到着したパケットの番号を確認し、元の順番通りに並べ替えてデータを復元します。

2. パケットの構造

一つのパケットは、大きく「ヘッダー」と「ペイロード」の二つの部分で構成されています。

  • ヘッダー:小包の送り状に相当する部分です。送信元や送信先のIPアドレス、パケットの順序を示す番号、エラーチェック用の情報などが含まれています。
  • ペイロード:小包の中身、つまり分割された実際のデータそのものです。

パケット交換方式のメリット

従来の電話回線のような「回線交換方式」とは異なり、パケット通信には以下のような優れた特徴があります。

  • 回線の効率利用:一つの回線を複数の通信主体で共有できます。パケットの合間に別の通信のパケットを流し込めるため、回線の空き時間を最小限に抑えられます。
  • 障害への耐性:通信経路に障害が発生しても、パケットごとに異なるルートを選択(ルーティング)して目的地へ届けることが可能です。
  • エラー訂正:一部のパケットが破損したり紛失したりしても、そのパケットだけを再送すれば良いため、大容量データの転送においても効率的です。

ネットワーク効率の評価

通信におけるパケットの効率性は、ヘッダーとペイロードの比率で考えることができます。パケットの総サイズを

L_{total}

、ヘッダーのサイズを

L_{header}

、ペイロードのサイズを

L_{payload}

とすると、以下の関係が成り立ちます。

L_{total} = L_{header} + L_{payload}

通信の効率 \eta は、以下の式で求められます。

\eta = \frac{L_{payload}}{L_{total}}

ヘッダーのサイズは固定であることが多いため、一度に送るペイロードの量を増やす(パケットを大きくする)ことで通信効率は向上しますが、一方でネットワークの混雑やエラー発生時のリスクも考慮する必要があります。

運用上の留意点

パケットの挙動を管理・制御することは、ネットワークの安定運用において不可欠です。

  • パケットロス:ネットワークの混雑や機器の不具合により、パケットが途中で消失してしまう現象です。これが頻発すると再送処理が増え、通信速度の低下を招きます。
  • ジッタ:パケットが到着する間隔の「ゆらぎ」のことです。動画配信やWeb会議などのリアルタイム通信において、音声や映像の途切れの原因となります。
  • キャプチャと解析:トラブルシューティングの際、パケットを収集(キャプチャ)して詳細に解析することで、通信の不具合やセキュリティ上の問題を特定できます。

パケットは、私たちが日常的に利用するあらゆるオンラインサービスの背後で、目に見えない情報の運び手として機能しています。

関連用語

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