フルバックアップとは

フルバックアップは、特定の時点におけるデータやシステムのすべての内容を、完全に複製して保存することです。

フルバックアップの概要と目的

フルバックアップ(Full Backup)は、データ保護戦略の最も基本的かつ重要な手法です。これは、特定のファイルやフォルダだけでなく、システム全体、すべてのアプリケーション、および設定情報を含む完全なコピーを作成します。このバックアップは、データの損失やシステム障害が発生した際に、元の状態に完全に復元することを可能にします。

主な目的は、データの確実な保護と、システム障害からの迅速な復旧を保証することです。すべてのデータが1つのバックアップセットに含まれているため、復元プロセスがシンプルで迅速に行えるという利点があります。

フルバックアップの利点と課題

利点

  • 復元の容易性:
    • 復元が必要な際に、フルバックアップデータセットを1つだけ使用すればよいため、作業が簡単で、迅速な復旧が可能です。データの整合性を確保しやすいというメリットもあります。
  • 完全なデータ保護:
    • システム全体を丸ごと保存するため、オペレーティングシステム、アプリケーション、設定ファイルなど、すべてのデータが確実に保護されます。

課題

  • 保存容量の増大:
    • 毎回すべてのデータをコピーするため、バックアップデータのサイズが非常に大きくなります。これにより、ストレージコストが増加します。
  • バックアップ時間の長期化:
    • 大量のデータを扱うため、バックアップにかかる時間が長くなります。これは、業務時間中に行うとシステムのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。

これらの課題を解決するため、フルバックアップと他のバックアップ手法を組み合わせることが一般的です。

他のバックアップ手法との組み合わせ

フルバックアップは、単独で実施されるだけでなく、差分バックアップ増分バックアップと組み合わせて運用されることが多いです。

1. 差分バックアップ(Differential Backup)

  • 概要:
    • 最後に実行されたフルバックアップからの変更点のみを保存する手法です。
  • 特徴:
    • フルバックアップよりもバックアップサイズが小さく、時間も短縮されます。
    • 復元時には、「フルバックアップデータ」と「最新の差分バックアップデータ」の2つが必要となります。

2. 増分バックアップ(Incremental Backup)

  • 概要:
    • 最後に実行されたあらゆる種類のバックアップ(フル、差分、増分)からの変更点のみを保存する手法です。
  • 特徴:
    • バックアップサイズが最も小さく、実行時間も最短です。
    • 復元時には、「フルバックアップデータ」と「すべての増分バックアップデータ」が必要となるため、復元作業が最も複雑で時間がかかります。

これらの手法を組み合わせることで、以下のような運用が可能です。

  • 週に一度のフルバックアップと、毎日行う増分バックアップ
  • 月に一度のフルバックアップと、毎日行う差分バックアップ

フルバックアップは、バックアップ戦略の基盤となるものであり、他の手法と組み合わせることで、データの保護とリソースの効率的な利用を両立させることが可能です。

関連用語

差分バックアップ | 今更聞けないIT用語集
増分バックアップ | 今更聞けないIT用語集
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