ポリグロットとは

ポリグロットは、複数のプログラミング言語や技術を使い分けてシステムを構築する手法のことです。

ポリグロットの概要と目的

ポリグロット(Polyglot)は、直訳すると「多言語を話す人」という意味です。この用語は、ITの分野では、単一の言語やフレームワークに依存せず、各コンポーネントの特性や要件に応じて最適な技術を選択し、組み合わせてシステムを構築するアプローチを指します。

例えば、ある機能にはPythonを、別の機能にはGoを、データベースには関係データベースとNoSQLデータベースの両方を使用するといった開発手法がこれにあたります。

主な目的は、システム全体のパフォーマンス、スケーラビリティ、開発効率を最大化することです。単一の技術に固執するモノリシックなアプローチでは、すべての課題に最適な解決策を提供することは困難です。ポリグロットアプローチは、それぞれの技術が持つ強みを活かすことで、より堅牢で効率的なシステムを構築します。

ポリグロットの主要な適用分野

ポリグロットは、特にマイクロサービスアーキテクチャや、データ駆動型のアプリケーション開発で広く採用されています。

1. マイクロサービス

  • 概要:
    • システムを独立した小さなサービスに分割するアーキテクチャです。
  • 適用:
    • 各サービスは独立しているため、それぞれに最適なプログラミング言語やデータベースを選択できます。例えば、リアルタイム処理が重要なサービスにはJavaを、機械学習モデルのデプロイにはPythonを、といった使い分けが可能です。これにより、各サービスのパフォーマンスを最適化できます。

2. データストア

  • 概要:
    • データの種類やアクセスパターンに応じて、複数のデータベースを使い分けることです。
  • 適用:
    • 顧客情報やトランザクション履歴など、厳密な整合性が求められるデータには関係データベース(RDBMS)を使用します。一方で、ログデータや非構造化データなど、柔軟性や高速な読み書きが求められるデータには、ドキュメントデータベースやキーバリューストアといったNoSQLデータベースを使用します。

ポリグロットの利点と課題

利点

  • 最適化されたパフォーマンス:
    • 各機能に最適な技術を選択することで、個々のコンポーネントの性能を最大化し、システム全体の効率を向上させます。
  • 柔軟性と拡張性:
    • 新しい技術を導入しやすいため、将来の機能追加やシステムの拡張に柔軟に対応できます。
  • 開発者のモチベーション:
    • 開発者は、単一の技術に縛られることなく、興味のある多様な技術を扱う機会を得られます。

課題

  • 管理の複雑化:
    • 複数の言語、フレームワーク、データベースを使用するため、システムのデプロイ、監視、メンテナンスが複雑になります。
  • チーム間の知識共有:
    • 異なる技術スタックを持つチーム間で、知識や経験を共有するためのコミュニケーションとドキュメント化がより重要になります。
  • 技術選択の判断:
    • 各技術のメリット・デメリットを正確に理解し、最適な選択を行うための高度な専門知識が求められます。

ポリグロットは、これらの課題を乗り越えることで、現代の複雑なシステム要件に対応するための強力なアプローチとなります。

関連用語

フレームワーク | 今更聞けないIT用語集
マイクロサービスアーキテクチャ | 今更聞けないIT用語集
APPSWINGBYシステム開発

お問い合わせ

システム開発・アプリ開発に関するご相談がございましたら、APPSWINGBYまでお気軽にご連絡ください。

APPSWINGBYの

ソリューション

APPSWINGBYのセキュリティサービスについて、詳しくは以下のメニューからお進みください。

システム開発

既存事業のDXによる新規開発、既存業務システムの引継ぎ・機能追加、表計算ソフトによる管理からの卒業等々、様々なWebシステムの開発を行っています。

iOS/Androidアプリ開発

既存事業のDXによるアプリの新規開発から既存アプリの改修・機能追加まで様々なアプリ開発における様々な課題・問題を解決しています。


リファクタリング

他のベンダーが開発したウェブサービスやアプリの不具合改修やソースコードの最適化、また、クラウド移行によってランニングコストが大幅にあがってしまったシステムのリアーキテクチャなどの行っています。