ユニキャストとは

ユニキャストは、コンピュータネットワークにおいて、特定の単一の送信者から特定の単一の受信者に対して、1対1でデータを転送する通信方式のことです。

これは、現在のインターネット通信において最も標準的かつ頻繁に利用されている方式であり、Webサイトの閲覧、電子メールの送受信、ファイル転送など、個別の端末同士が直接対話を行う形態の通信の大部分を支えています。

ユニキャストの仕組みと論理構造

ユニキャスト通信は、送信側が宛先となる特定の端末のIPアドレス(ネットワーク層)やMACアドレス(データリンク層)を明示的に指定することで成立します。

1. アドレス指定による制御

パケットのヘッダーには、送信元アドレスと宛先アドレスが1対1のペアとして記述されます。ネットワーク上のルータやスイッチは、この宛先情報を参照し、目的の端末が存在するルートのみにパケットを転送します。

2. ルーティングの役割

ユニキャストパケットが送信されると、途中の経路にあるネットワーク機器は、自身のルーティングテーブル(経路表)に基づき、最短あるいは最適な経路を選択してデータを中継します。これにより、ネットワーク全体の帯域を無駄に消費することなく、効率的に目的のホストへ情報を届けることが可能です。

他の通信方式との比較

ユニキャストの特性を理解する上で、他の主要な配信方式(ブロードキャスト、マルチキャスト)との違いを把握することが重要です。

通信方式受信者の数ネットワークの効率主な用途
ユニキャスト1対1個別通信において最高Web閲覧、メール、SNS
ブロードキャスト1対全同一セグメント内で低いネットワーク設定、ARP
マルチキャスト1対特定グループ複数人への同時配信に優れる動画配信、株価情報
他の通信方式との比較

ユニキャストのメリットとデメリット

1. メリット

  • 秘匿性と制御の容易さ: 特定の相手のみにデータを送るため、通信の確立やエラー制御、再送処理(TCPなど)が容易であり、双方向の信頼性の高い通信を構築できます。
  • ネットワーク負荷の局所化: 宛先への経路上の機器のみがパケットを処理するため、無関係なネットワークセグメントに不要なトラフィックが流れることを防げます。

2. デメリット

  • サーバー負荷の増大: 同一のデータを多数の受信者に送る場合、ユニキャストでは受信者の数だけ個別にパケットを生成・送信する必要があります。

例えば、データサイズを S、受信者の数を n とすると、サーバーが送信しなければならない総データ量 D は以下のようになります。

D = S \times n

受信者が増えるほど、サーバーのCPUリソースやネットワーク帯域が線形的に圧迫されるため、大規模なライブ配信などには不向きとされています。

現代のITインフラにおける活用

現代のインターネットトラフィックの大部分はユニキャストですが、前述の「多人数への配信」という弱点を克服するために、CDN(コンテンツデリバリネットワーク)などの技術が併用されています。

CDNでは、世界各地に分散配置されたキャッシュサーバーが、個々のユーザーに対して最も近い場所からユニキャストでデータを提供することで、オリジンサーバーへの負荷集中と通信遅延(レイテンシ)を解消しています。

また、IPv6環境においてもユニキャストは通信の根幹であり、特定のインターフェースを識別するためのグローバルユニキャストアドレスなどが規定されています。

関連用語

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