ラウンドロビンとは

ラウンドロビンは、複数の要素を順番に、かつ均等に循環させながら処理していくスケジューリング方式や割り当て手法のことです。

これは、コンピュータのリソース管理やネットワーク通信、スポーツの試合形式など、幅広い分野で公平性を保つための基本的なアルゴリズムとして採用されています。特定の対象に負荷が集中するのを防ぎ、限られた資源を全参加者へ民主的に分配する仕組みを指します。

CPUスケジューリングにおけるラウンドロビン

オペレーティングシステム(OS)が複数のプロセスにCPU時間を割り当てる際、最も基本的かつ公平な手法の一つがラウンドロビン・スケジューリングです。

1. タイムクォンタムの概念

各プロセスには「タイムクォンタム(またはタイムスライス)」と呼ばれる、ごく短い実行時間が割り当てられます。プロセスがこの時間内に処理を終えられなかった場合、OSは実行権を強制的に中断し、待ち行列の最後尾に回して次のプロセスに実行権を移します。

2. メリットと課題

  • メリット:すべてのプロセスが一定時間ごとにCPUを利用できるため、特定の処理が独占することを防ぎ、応答性(レスポンスタイム)を確保できます。
  • 課題:タイムクォンタムが短すぎると、プロセスを切り替える際の「コンテキストスイッチ」によるオーバーヘッドが増大し、システム全体の効率が低下します。

ネットワークと負荷分散への応用

サーバーの負荷を分散させるロードバランサにおいて、ラウンドロビンは標準的な振り分けアルゴリズムとして利用されます。

1. ラウンドロビン負荷分散

クライアントからのリクエストを、登録されているサーバー群(サーバーA、B、C…)に対して順番に転送します。特別な計算を必要としないため、非常に軽量かつ高速に動作します。

2. DNSラウンドロビン

一つのドメイン名に対して複数のIPアドレスを登録し、DNSサーバーが問い合わせに対して順番に異なるIPアドレスを回答する仕組みです。専用の機器を用いずに簡易的な負荷分散を実現できますが、サーバーの死活監視やキャッシュの問題により、厳密な制御は困難な場合があります。

重み付きラウンドロビン(WRR)

すべての対象を均等に扱う標準的な方式に対し、対象の性能差を考慮した発展形が「重み付きラウンドロビン(Weighted Round Robin)」です。

1. アルゴリズムの論理

各サーバーの処理能力に応じて「重み(Weight)」を設定します。例えば、サーバーAの重みが2、サーバーBの重みが1である場合、リクエストの割り当て比率は以下のようになります。

\text{割り当て率} = \frac{\text{個別の重み}}{\sum \text{全サーバーの重み}}

この場合、サーバーAにはサーバーBの2倍のリクエストが送信されます。これにより、高性能なサーバーに多くの負荷を、低性能なサーバーには少なめの負荷を適切に割り振ることが可能となります。

その他の分野での活用

  • スポーツ競技:リーグ戦のことを「ラウンドロビン・トーナメント」と呼びます。すべてのチームが他のすべてのチームと均等に対戦する形式を指します。
  • 通信プロトコル:トークンリング方式などのネットワーク制御において、各ノードに送信権を順番に回していく制御に用いられます。

導入時の留意点

ラウンドロビンは非常にシンプルで公平なアルゴリズムですが、各タスクの「処理内容の重さ」や「優先度」を考慮しないという特徴があります。処理時間が極端に長いタスクが混在する場合や、リアルタイム性が極めて高く優先順位付けが必要なシステムにおいては、優先度付きスケジューリングなど、他の手法との併用や検討が必要となります。

関連用語

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