リザーブドインスタンスとは

リザーブドインスタンスは、クラウドコンピューティングサービスにおいて、特定の期間(一般的に1年間または3年間)の利用をあらかじめ予約して契約することで、通常の従量課金制であるオンデマンドインスタンスと比較して大幅な割引価格で計算リソースを利用できる料金体系のことです。

これは、将来の利用コミットメントを事前に示す代わりに、コストの最適化とキャパシティの優先的な確保を実現するための、クラウド財務管理における極めて重要な購買オプションを指します。

リザーブドインスタンスの仕組みとメリット

リザーブドインスタンス(Reserved Instance: RI)は、物理的なインスタンスそのものを指すのではなく、アカウントに適用される「割引クーポン」のような概念です。利用者は、特定のインスタンスファミリーやリージョンを指定して予約を行います。

1. 大幅なコスト削減

オンデマンド料金と比較して、最大で70%程度の割引が適用される場合があります。特に、24時間365日稼働し続けるようなデータベースサーバーや、基幹システムのWebサーバーなど、利用予測が確実なリソースに対して高い効果を発揮します。

2. キャパシティ予約

特定の「アベイラビリティーゾーン(AZ)」を指定して予約を行うタイプでは、需要が急増した際でも、予約した分量のリソースを優先的に確保できる権利が付与されます。これにより、リソース不足によるインスタンスの起動失敗を防ぐことが可能です。

契約形態の種類

リザーブドインスタンスには、柔軟性や支払い方法に応じて複数の選択肢が用意されています。

1. 支払いオプション

  • 全括払い(All Upfront):契約期間分を最初にすべて支払う方式で、最も割引率が高くなります。
  • 一部前払い(Partial Upfront):一部を前払いし、残りを月額で支払う方式です。
  • 前払いなし(No Upfront):初期費用は発生せず、毎月一定の割引価格で支払う方式です。

2. インスタンスタイプの柔軟性

  • スタンダードRI:高い割引率を提供しますが、契約後のインスタンスファミリーの変更などは制限されます。
  • コンバーティブルRI:割引率はスタンダードより低めですが、契約期間中に別のインスタンスファミリーへ交換することが可能です。

経済的評価指標

リザーブドインスタンスの導入効果を測定する際、オンデマンド料金との損益分岐点を算出することが一般的です。契約期間を $T$(月)、オンデマンドの月額料金を $C_o$、リザーブドインスタンスの月額料金(前払い金の月割分を含む)を $C_r$ とすると、削減額 $S$ は以下の式で表されます。

S = T \times (C_o - C_r)

この $S$ が正の値となり、かつその差額が初期投資のリスクに見合うものであるかを検討することが、クラウドコスト最適化(FinOps)の基本となります。

運用上の留意点

リザーブドインスタンスは、一度契約すると原則としてキャンセルや返金が認められないため、以下の点に注意が必要です。

  • 利用率の監視:インスタンスが停止していても料金が発生し続けるため、高い稼働率(一般に80%から90%以上)を維持できるリソースに適用することが推奨されます。
  • インスタンスサイズの柔軟性:Linuxなどの特定のOSや条件では、同一ファミリー内であればインスタンスサイズ(smallからlargeなど)が変更されても割引が自動適用される「サイズ柔軟性」という機能があります。
  • 二次市場の活用:AWSなど一部のプロバイダーでは、不要になったリザーブドインスタンスをサードパーティに転売できるマーケットプレイスが提供されています。

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