レイテンシとは

レイテンシは、データがネットワーク上を移動する際に発生する「遅延時間」のことです。

レイテンシの概要と目的

レイテンシ(Latency)は、コンピュータネットワークやシステムにおける応答性の指標であり、あるリクエストが送信されてから、そのレスポンスが返ってくるまでに要する時間を指します。

これは、「遅延」そのものを示すため、値が低いほどシステムの応答が速く、ユーザーは快適にサービスを利用できます。

レイテンシが高いと、ウェブページの表示が遅れたり、オンラインゲームの操作にタイムラグが生じたりするなど、ユーザーエクスペリエンス(UX)が著しく低下します。

主な目的は、システムやネットワークのパフォーマンスを評価し、ボトルネックを特定することです。

レイテンシを構成する主な要因

レイテンシは、様々な要因の合計で決まります。

1. 伝送遅延(Transmission Delay)

  • 概要: データパケットが物理的なケーブルを伝送するのにかかる時間です。
  • : データのサイズが大きければ大きいほど、伝送に時間がかかります。

2. 伝搬遅延(Propagation Delay)

  • 概要: 信号が物理的な距離を移動するのにかかる時間です。
  • : サーバーが遠く離れた場所にあるほど、伝搬遅延は大きくなります。例えば、日本からアメリカのサーバーにアクセスする場合、伝搬遅延は無視できない要因です。

3. 処理遅延(Processing Delay)

  • 概要: ルーターやスイッチなどのネットワーク機器が、データパケットのヘッダーを分析し、適切な転送先を決定するのにかかる時間です。
  • : ネットワーク機器の性能が低い場合、この遅延が大きくなります。

4. キューイング遅延(Queuing Delay)

  • 概要: ネットワーク機器やサーバーが、処理待ちのデータパケットをキュー(待ち行列)に一時的に保持する時間です。
  • : ネットワークの混雑やサーバーの過負荷により、パケットがキューで待機する時間が長くなります。

レイテンシの測定方法と改善策

レイテンシは、pingtracerouteといったツールを使って測定するのが一般的です。pingは、特定のホストまでの往復時間(RTT: Round-Trip Time)をミリ秒(ms)単位で測定します。

改善策

  • 物理的な距離の短縮: ユーザーの近くにサーバーを配置する**CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)**を利用することで、伝搬遅延を大幅に削減できます。
  • 帯域幅の拡大: ネットワークの帯域幅を増やすことで、伝送遅延とキューイング遅延を減らせます。
  • ハードウェアの最適化: 高性能なルーターやスイッチ、サーバーを導入することで、処理遅延を短縮できます。

レイテンシは、単なる技術的な数値ではなく、サービスの品質に直結する重要な指標です。

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