「二分探索木とは

二分探索木(Binary Search Tree)は、コンピュータサイエンスにおけるデータ構造の一つであり、効率的なデータの探索、挿入、削除を可能にする木構造です。各ノードが最大で2つの子ノードを持つ二分木の一種であり、特定の順序でノードが配置されることで、高速なデータ操作を実現します。

特徴

  • 各ノードは最大で2つの子ノード(左の子と右の子)を持つ。
  • 任意のノードにおいて、左の子孫ノードの値は親ノードの値よりも小さい。
  • 任意のノードにおいて、右の子孫ノードの値は親ノードの値よりも大きい。
  • 上記の特徴により、特定の値を効率的に探索できる。

用語解説

  • ノード (Node): 木構造における各要素。データと、子ノードへの参照を保持します。
  • 根 (Root): 木構造の最上位に位置するノード。
  • 葉 (Leaf): 子ノードを持たないノード。
  • 子 (Child): あるノードから直接繋がっている下位のノード。
  • 親 (Parent): あるノードから直接繋がっている上位のノード。
  • 深さ (Depth): 根ノードからあるノードまでの経路の長さ。
  • 高さ (Height): あるノードから最も遠い葉ノードまでの経路の長さ。

2. 二分探索木の操作

探索

目的の値を根ノードから順に比較し、値が小さい場合は左の子ノードへ、大きい場合は右の子ノードへと探索を繰り返します。目的の値が見つかるか、葉ノードに到達するまで探索します。

挿入

新しい値を適切な位置に挿入します。根ノードから探索を行い、挿入位置を見つけたら、新しいノードを子ノードとして追加します。

削除

削除するノードの種類によって、いくつかのケースに分けて処理を行います。

  • 葉ノードの場合: 親ノードから参照を削除する。
  • 子ノードが1つの場合: 親ノードから子ノードへの参照を繋ぎ替える。
  • 子ノードが2つの場合: 右部分木から最小値のノードを削除位置に移動するか、もしくは左部分木から最大値のノードを削除位置に移動する。

3. 二分探索木のメリット・デメリット

メリット

  • データの探索、挿入、削除が平均的に高速に行える。
  • データの順序を保持できる。

デメリット

  • 木の形状によっては、探索効率が低下する(偏った木の場合)。
  • データの偏りによっては、最悪の場合、線形探索と同等の性能になる。

4. 二分探索木の応用例

二分探索木は、様々な分野で応用されています。

  • データベースのインデックス: データベースの高速な検索を実現するために使用されます。
  • 辞書: 単語の検索や追加、削除を効率的に行うために使用されます。
  • 優先度付きキュー: 要素に優先度をつけて管理するために使用されます。

二分探索木は、効率的なデータ操作を可能にする強力なデータ構造です。適切な場面で活用することで、プログラムのパフォーマンスを大幅に向上させることができます。しかし、木の形状によっては性能が低下する場合があるため、注意が必要です。

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