二次計画法とは
二次計画法は、目的関数が二次関数であり、制約条件が一次関数である、数理最適化問題の一種のことです。
二次計画法の概要と目的
二次計画法(Quadratic Programming: QP)は、数学、工学、経済学、金融など様々な分野で使われる最適化アルゴリズムです。この問題は、二次関数の目的関数を最小化(または最大化)しながら、線形な等式・不等式を満たす解を探索します。
二次計画法の主な目的は、非線形な関係を含む現実世界の問題を、効率的かつ厳密に解くことにあります。目的関数が二次関数であるため、線形計画法よりも複雑な問題を表現できますが、凸(下に凸)である場合には、大域的最適解を比較的容易に見つけることができるという特徴があります。
二次計画法の定式化
二次計画問題は、一般的に以下の形式で定式化されます。
目的関数: 以下の二次関数を最小化する。
制約条件: 以下の線形な等式・不等式を満たす。
ここで、
- x: 決定変数(最適化によって決定される未知のベクトル)
- Q: 対称行列(目的関数の二次項を定義)
- c: ベクトル(目的関数の一次項を定義)
- A,Aeq: 行列(制約条件を定義)
- b,beq: ベクトル(制約条件の右辺を定義)
Qが半正定値行列である場合、目的関数は凸関数となり、この問題は凸二次計画問題と呼ばれます。多くの効率的なアルゴリズムは、この凸二次計画問題に特化して設計されています。
二次計画法の解決アプローチ
二次計画問題は、その構造上、効率的なアルゴリズムが存在します。主な解決アプローチには以下のようなものがあります。
- 内点法(Interior-Point Methods):
- 実行可能領域の内部から出発し、対数障壁関数などを利用して、制約条件の境界に近づきながら最適解を探索する手法です。
- 大規模な問題でも比較的短時間で解を見つけることができ、今日の高性能なソルバーで広く利用されています。
- 有効制約法(Active Set Methods):
- 最適解において有効となる(等号が成り立つ)制約条件の集合(有効制約集合)を予測しながら、反復的に解を更新していく手法です。
- 比較的小規模な問題や、制約条件が少ない問題に適しています。
二次計画法の応用分野
二次計画法は、様々な分野の複雑な問題を解決するために利用されています。
- 金融:
- ポートフォリオ最適化: 複数の金融資産をどのように組み合わせれば、リスク(ポートフォリオの分散)を最小化しながら、期待収益を最大化できるかという問題を解く際に使われます。
- 機械学習:
- サポートベクターマシン(SVM): 分類問題において、2つのクラスを分離する最適な超平面(境界線)を見つけるために、二次計画法が用いられます。
- 制御工学:
- ロボットや自動運転車などの制御システムにおいて、目標を達成しつつ、制約(例: 速度や加速度の限界)を守るための最適な軌道を計算します。
- 製造業:
- 製品の生産計画を立てる際、コストを最小化しつつ、資材や人員の制約を満たすような最適な配分を決定します。
二次計画法は、非線形な関係を扱う最適化問題の強力なツールであり、多くの実用的な問題を解決する上で不可欠な技術です。
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