分枝限定法とは
分枝限定法は、組み合わせ最適化問題において、解の候補をツリー構造で探索し、最適解となり得ない部分を早期に切り捨てることで、効率的に最適解を見つけ出すアルゴリズムのことです。
分枝限定法の概要と目的
分枝限定法(Branch and Bound)は、巡回セールスマン問題やナップサック問題など、組み合わせが膨大で全探索が非現実的な問題(NP困難な問題)を解くための代表的な手法です。このアルゴリズムは、「分枝(Branch)」と「限定(Bound)」という2つの主要なステップを組み合わせることで、探索の効率を高めます。
- 分枝: 解の候補を段階的に生成し、ツリー構造で表現します。一つのノードが部分的な解に対応し、そのノードから枝を伸ばして次の選択肢に進みます。
- 限定: 各ノード(部分解)において、そのノードから先に進んでも最適解を見つけられないと判断した場合、その枝全体を探索対象から外します。この操作を枝刈り(Pruning)と呼びます。
分枝限定法の主な目的は、解の候補をすべて探索することなく、最適解を効率的かつ確実に発見することです。
分枝限定法の仕組み
分枝限定法は、以下の手順で動作します。
- ツリーの構築
- 探索の開始点から、考えられるすべての選択肢を枝として伸ばし、探索ツリーを構築します。
- 評価関数の設定
- 各ノード(部分解)に対して、そのノードから先に進んだ場合の最良の解(下限値)を評価する関数を定義します。
- 例えば、巡回セールスマン問題では、現在までの移動距離に、残りの都市を巡る最短距離の推定値を加えたものが下限値となります。
- 限定(枝刈り)
- これまでに得られた最も良い完全な解(暫定最適解)の値を、上限値として設定します。
- もし、あるノードの評価値(下限値)が、この上限値を超えた場合、そのノードから先に進んでも暫定最適解より良い解は得られないと判断し、その枝を切り捨てます。
- 探索の繰り返し:
- このプロセスを、すべての枝が切り捨てられるか、最適解が見つかるまで繰り返します。
最終的に、すべての探索が完了した時点で、暫定最適解として記録された値が、その問題の最適解となります。
分枝限定法の利点と応用
利点
- 探索の効率化
- 無駄な探索を早期に切り捨てることで、全探索に比べて計算時間を大幅に短縮できます。
- 最適解の保証
- 全ての可能性を網羅的に検討するため、見つかった解が本当に最適解であることを保証できます。
応用例
- 巡回セールスマン問題
- 複数の都市を一度ずつ訪問して出発地に戻る最短経路を求める問題。分枝限定法は、不要な経路の組み合わせを排除しながら探索します。
- ナップサック問題
- 限られた容量のナップサックに、価値が最も高くなるように物を詰める組み合わせを求める問題。
- スケジューリング問題
- 生産ラインや作業者の配置など、効率的なスケジューリングを計画する問題。
分枝限定法は、実用的な時間で最適解を求めることが難しい複雑な問題に対して、現実的な解法を提供する重要なアルゴリズムです。
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