反復局所探索法とは

反復局所探索法(Iterated Local Search:ILS)は、組合せ最適化問題を解くためのメタヒューリスティクスアルゴリズムの一種です。局所探索法を基本としつつ、局所最適解からの脱出を試みることで、より良い解を探索します。

反復局所探索法の基本原理

反復局所探索法は、以下の3つの主要なステップを繰り返すことで解を探索します。

  1. 局所探索: 現在の解の近傍を探索し、より良い解が見つかれば解を更新します。
  2. 摂動: 局所探索で得られた局所最適解に対して、解をわずかに変化させる摂動(Perturbation)操作を行います。
  3. 受理判定: 摂動後の解が改善されたか、または特定の条件を満たす場合に、解を更新します。

反復局所探索法のアルゴリズム

  1. 初期解の生成: ランダムまたは貪欲法などを用いて、初期解を生成します。
  2. 局所探索: 初期解に対して局所探索を行い、局所最適解を求めます。
  3. 摂動: 局所最適解に対して摂動操作を行い、解をわずかに変化させます。
  4. 局所探索: 摂動後の解に対して再度局所探索を行い、新しい局所最適解を求めます。
  5. 受理判定: 新しい局所最適解が現在の解よりも良ければ、解を更新します。
  6. 終了判定: 終了条件(最大反復回数、目標値到達など)を満たすまで、ステップ3から5を繰り返します。

反復局所探索法の利点

  • 局所最適解からの脱出: 摂動操作により、局所最適解に陥ることを防ぎ、より良い解を探索できます。
  • 実装の容易さ: 基本的なアルゴリズムは比較的単純であり、実装が容易です。
  • 幅広い問題への適用: 組合せ最適化問題であれば、幅広い問題に対して適用できます。

反復局所探索法の課題

  • パラメータ調整の難しさ: 摂動操作や受理判定のパラメータ調整が性能に大きく影響します。
  • 計算時間: 大規模な問題では、計算時間が長くなる場合があります。
  • 最適解の保証なし: 大域的最適解が見つかる保証はありません。

反復局所探索法の応用例

  • 巡回セールスマン問題 (TSP): 都市を巡回する最短経路を求める問題。
  • ナップサック問題: ナップサックに詰める荷物の組み合わせを最適化する問題。
  • スケジューリング問題: タスクの実行順序や割り当てを最適化する問題。
  • VLSI レイアウト設計: 集積回路の部品配置を最適化する問題。

反復局所探索法は、局所探索法を基本としつつ、摂動操作により局所最適解からの脱出を試みることで、より良い解を探索するメタヒューリスティクスアルゴリズムです。適切なパラメータ調整を行うことで、様々な問題に対して高い性能を発揮します。

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