決定木とは

決定木(Decision Tree)は、機械学習における教師あり学習アルゴリズムの一つであり、分類問題や回帰問題を解くために用いられます。※決定木は”けっていぎ”と呼びます。

決定木は、樹木状の構造を持ち、データの特徴に基づいて分岐を繰り返すことで、最終的な予測結果を導き出します。

決定木の構造

決定木は、以下の要素で構成されます。

  • 根ノード(Root Node): 決定木の最上位に位置し、全てのデータを含むノードです。
  • 内部ノード(Internal Node): 特徴量に基づく条件分岐を表すノードです。
  • 葉ノード(Leaf Node): 最終的な予測結果を表すノードです。
  • 枝(Branch): ノード間の接続を表し、条件分岐の結果を示します。

決定木の学習

決定木の学習では、以下の手順で最適な木構造を構築します。

  1. 特徴量の選択: 情報エントロピーやジニ不純度などの指標を用いて、最も予測に貢献する特徴量を選択します。
  2. 条件分岐の決定: 選択された特徴量に基づいて、データを分割する最適な条件を決定します。
  3. ノードの分割: 決定された条件に基づいて、ノードを分割し、子ノードを生成します。
  4. 再帰的な処理: 全ての子ノードに対して、上記の処理を再帰的に繰り返します。
  5. 葉ノードの決定: 分割が停止する条件(例:葉ノードのデータ数が閾値以下)を満たした場合、葉ノードを生成し、予測結果を決定します。

決定木の利点

決定木は、以下の利点を持ちます。

  • 解釈性の高さ: 樹木状の構造により、予測結果の根拠を視覚的に理解しやすい。
  • 非線形なデータへの対応: 複雑な非線形なデータに対しても、高い予測精度を発揮します。
  • 特徴量の重要度評価: どの特徴量が予測に貢献しているかを評価できます。

決定木の課題

一方で、決定木には以下の課題も存在します。

  • 過学習(Overfitting): 学習データに過剰に適合し、未知のデータに対する予測精度が低下する可能性があります。
  • 不安定性: 学習データのわずかな変化によって、木構造が大きく変化することがあります。

決定木の応用

決定木は、以下の分野で広く応用されています。

  • 分類問題: 顧客の購買予測疾患の診断スパムメールの判定など
  • 回帰問題: 不動産価格の予測株価の予測など
  • 特徴量選択: 予測に貢献する重要な特徴量の選択

決定木の種類

決定木には、様々な種類が存在します。

  • ID3: 情報エントロピーを用いて、特徴量を選択します。
  • C4.5: 情報ゲイン比を用いて、特徴量を選択します。
  • CART(Classification and Regression Trees): ジニ不純度を用いて、分類木と回帰木を構築します。
  • ランダムフォレスト(Random Forest): 複数の決定木を組み合わせることで、予測精度と安定性を向上させます。
  • 勾配ブースティング決定木(Gradient Boosting Decision Tree): 複数の決定木を逐次的に学習することで、予測精度を向上させます。

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