焼きなまし法とは
焼きなまし法(Simulated Annealing)は、組合せ最適化問題を解くためのメタヒューリスティクスアルゴリズムの一つです。金属工学における「焼きなまし」という熱処理プロセスから着想を得ており、局所最適解に陥ることなく、大域的最適解を探索できる可能性を持つ強力な手法です。
焼きなまし法の基本原理
焼きなまし法は、解空間を探索する際に、現在の解よりも悪い解であっても、ある確率で受け入れるという特徴を持っています。この確率は「温度」と呼ばれるパラメータによって制御され、探索の初期段階では悪い解を受け入れる確率が高く、徐々に温度を下げていくことで、最終的にはより良い解に収束するように動作します。
焼きなまし法のアルゴリズム
- 初期化: 初期解と初期温度を設定します。
- 近傍解の生成: 現在の解の近傍にある解をランダムに生成します。
- 評価: 生成した近傍解の評価値を計算します。
- 解の更新:
- 近傍解の評価値が現在の解よりも良ければ、近傍解を新しい解として採用します。
- 近傍解の評価値が現在の解よりも悪くても、ある確率で近傍解を新しい解として採用します。この確率は、温度が高いほど高くなります。
- 温度の更新: 温度を徐々に下げます。
- 終了判定: 終了条件(温度が十分に低い、または一定回数の繰り返し)を満たすまで、ステップ2から5を繰り返します。
焼きなまし法の利点
- 局所最適解からの脱出: 悪い解をある確率で受け入れることで、局所最適解に陥ることを防ぎ、大域的最適解を探索できる可能性があります。
- 幅広い問題への適用: 組合せ最適化問題であれば、幅広い問題に対して適用できます。
- 実装の容易さ: アルゴリズムが比較的単純であり、実装が容易です。
焼きなまし法の課題
- パラメータ調整の難しさ: 温度の下げ方や初期温度などのパラメータ調整が性能に大きく影響します。
- 計算時間: 大規模な問題では、計算時間が長くなる場合があります。
- 最適解の保証なし: 大域的最適解が見つかる保証はありません。
焼きなまし法の応用例
- 巡回セールスマン問題 (TSP): 都市を巡回する最短経路を求める問題。
- ナップサック問題: ナップサックに詰める荷物の組み合わせを最適化する問題。
- スケジューリング問題: タスクの実行順序や割り当てを最適化する問題。
- VLSI レイアウト設計: 集積回路の部品配置を最適化する問題。
焼きなまし法は、組合せ最適化問題を解くための強力なメタヒューリスティクスアルゴリズムです。適切なパラメータ調整を行うことで、様々な問題に対して高い性能を発揮します。
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