脱Excel!Excelで業務を行う際の課題・問題点を解説

脱Excel!Excelで業務を行う際の課題・問題点を解説

多くの日本の中小企業では、Excelを用いて業務管理、データ管理、データ変換などを行っています。これは、Excelが比較的安価で導入しやすく、操作に特別なスキルを必要としないためです。しかし、Excelでの業務運用には、様々な課題・問題点・リスクが潜んでいます。

今回は、脱Excel!を目指す企業様向けに、Excelで業務を行う際の課題・問題点を解説します。

1. データ管理の煩雑さ

Excelで業務を行う際に最も問題になることは、データ管理の煩雑問題です。

Excelは、担当者のPCの中で、担当者がファイルが作成し、その保存場所もバラバラになりがちです。最新版の把握が困難になり、誤ったデータを参照してしまうリスクがあるのです。

また、複数人で同一ファイルを編集する場合、誤入力や上書きによるデータの破損、バージョンの混乱が起こりやすくなります。

さらに、大量のデータから必要な情報を探すのに時間がかかり、非効率です。つまり、情報の検索性の低く、情報を探すために膨大な労力と時間を必要とすることになります。

2. セキュリティリスク

次にセキュリティリスクについて考えてみます。

Excelで業務を行う場合は、ファイル単位でのアクセス制限しかできず、特定のセルやシートへのアクセス制限が難しいという問題が発生します。当然、セキュリティリスクに対する防御網が限りなく少ない訳ですので、情報漏洩のリスクが高まります。

次に、誰がいつ、どのデータを変更したのかを記録することが難しいため、意図しない改ざんや不正が行われてしまう可能性があります。

また、データ消失リスクが常に付きまとうのもExcelで業務を行う際の大きなセキュリティリスクになる問題ですファイルの破損や誤削除、ウイルス感染などにより、重要なデータが失われるリスクがあります。

3. 業務効率の低下

Excelでの業務作業は、データ入力、集計、加工などの作業を手作業で行うため、ヒューマンエラーが発生しやすくなるという問題も発生します。 手作業によるミスが度々発生することで、作業の手戻りの発生することで、生産性を大きく阻害することになります。

また、一般的に属人化問題と呼ばれている特定の担当者に業務が集中し、その担当者が不在になると業務が滞ってしまう可能性があります。また、複雑なマクロやVBAを使用している場合、担当者以外が理解できず、業務の引き継ぎが困難になる問題は企業にとって致命的な問題となる場合があります。

業務効率の低下の直接的な原因と迄は言えませんが、データ分析の限界問題があります Excelの機能では、高度なデータ分析や可視化を行うのが難しい場合があります。

4. コスト増加

人的ミスの修正コストは見えない部分ではありますが、実は多くの企業にとって問題になっています。多くの現場では、ミスによる修正作業や、それに伴う機会損失などのコストが発生しています。

情報漏洩やデータ消失を防ぐためのセキュリティ対策ソフトの導入や、セキュリティ教育の実施などコストも企業にとっては手間と負担が二重にかかる問題となっています。

将来的に、より高度なシステムに移行する際に、データ移行やシステム連携にコストがかかる可能性もあります。長年、Excelで作り続けられてきた業務ツールであればあるほど、Excelの中身は複雑になり、システムに移行する際のコストを増大させます。

5. 法令遵守の難しさ

Excelでは、個人情報の適切な管理やアクセス制限が難しく、個人情報保護法違反のリスクがあることも考慮しなければなりません。

これらの課題・問題点・リスクを踏まえ、Excelの利用には以下の点に注意する必要があります。

  • データ管理ルールの策定: ファイル名や保存場所、バージョン管理など、明確なルールを設ける。
  • クセス権限の設定: 可能な限りアクセス権限を設定し、必要最低限の担当者のみがアクセスできるようにする。
  • 定期的なバックアップ: データ消失に備え、定期的にバックアップを取得する。
  • 業務の標準化・自動化: 可能な限り業務を標準化し、マクロやVBAなどを活用して自動化する。
  • セキュリティ対策ソフトの導入: ウイルス感染や不正アクセスを防ぐために、セキュリティ対策ソフトを導入する。
  • システム導入の検討: 業務規模や内容によっては、専用のシステム導入を検討する。

Excelは便利なツールですが、その利用には適切な管理と運用が必要です。上記のような課題・問題点・リスクを理解し、対策を講じることで、Excelをより安全かつ効率的に活用することができます。

なぜ脱Excelが必要なのか?

なぜ脱Excelが必要なのか?

今、なぜ脱Excelが必要なのか?について考えてみます。

前述したように、Excelは手軽で便利なツールではあるのですが、ビジネスの成長と発展に伴い、様々な課題が顕在化してきます。これらの課題を解決し、企業の競争力を維持・向上させるためには、「脱Excel」が必要となるケースが増えてきています。

脱Excelとは、Excelで行っていた業務を、専用のシステムやツールに移行することです。

なぜ脱Excelが必要なのか?について、主な理由を以下に詳しく解説します。

1.業務効率の向上

Excelでの作業は、多くの手作業を伴います。データ入力、集計、加工など、一つ一つ手作業で行うため、時間と労力がかかり、ミスも発生しやすくなります。

脱Excelによって、これらの作業を自動化することができます。例えば、専用のシステムを導入することで、データ入力の手間を省いたり、自動で集計や分析を行ったりすることが可能になります。

また、情報共有もスムーズになります。Excelでは、ファイルの共有やバージョン管理に手間がかかりますが、システム上では常に最新の情報が共有され、複数人での同時編集も可能です。

これらの効率化により、従業員はより創造的な業務に集中できるようになり、生産性向上が期待できます。

2.データの信頼性向上

Excelでは、ヒューマンエラーによるデータ入力ミスや、ファイルの破損によるデータ消失のリスクが常に存在します。

脱Excelにより、データ入力の自動化や、データベースによる一元管理が可能になるため、データの正確性と信頼性を向上させることができます。

また、誰がいつどのデータを変更したかを記録できるため、不正や改ざんのリスクも軽減されます。

内製化によって開発したシステムは、特定の担当者しか理解できない「ブラックボックス化」するリスクがあります。担当者が退職したり、異動したりした場合、システムのメンテナンスや改修が困難になる可能性があります

  • 属人化: 特定の担当者に業務が集中し、ノウハウが共有されない。
  • ドキュメント不足: システムの設計書やマニュアルなどのドキュメントが整備されない。
  • 引継ぎの難しさ: 担当者が変更になった場合、システムの引継ぎがスムーズに行われない。

3.セキュリティ強化

Excelは、セキュリティ面で脆弱です。アクセス権限の設定が難しく、情報漏洩のリスクがあります。

専用のシステムを導入することで、アクセス権限を細かく設定し、セキュリティレベルを高めることができます。

4.コスト削減

解決の基本的な例を以下に挙げていますが、一旦膨らんでしまったコストを削減する為には、知識と経験を持つエンジニアが旗を振り、プロジェクトをリードしていくことで解決できる課題です。

  • 開発効率の向上: 開発プロセスを改善し、開発効率を向上させる。
  • ツール導入: 開発ツールを導入し、作業を効率化する。
  • クラウド活用: クラウドサービスを活用し、設備投資を抑制する。

脱Excelによって、これらのコストを削減することができます。業務の効率化やデータの信頼性向上により、人件費やミスによる損失を削減できます。また、セキュリティ対策も強化されるため、セキュリティコストも削減できます。

5.企業の成長への対応

企業が成長していくにつれて、データ量や業務量は増加していきます。Excelでは、大量のデータを扱うのが難しく、処理速度が遅くなったり、エラーが発生しやすくなったりします。

脱Excelによって、大量のデータを効率的に処理できるようになり、企業の成長に対応することができます。

以上の理由から、脱Excelは、企業の競争力強化、業務効率向上、セキュリティ強化、コスト削減、そして企業の成長への対応に不可欠と言えるでしょう。

ただし、すべての業務をExcelから移行することが最適解とは限りません。業務内容や規模、予算などを考慮し、適切なシステムやツールを選択することが重要です。

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この記事を書いた人

株式会社APPSWINGBY

株式会社APPSWINGBY マーケティング

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監修

APPSWINGBY CTO川嶋秀一

株式会社APPSWINGBY
CTO 川嶋秀一

動画系スタートアップ、東証プライム R&D部門を経験した後に2019年5月に株式会社APPSWINGBY 取締役兼CTOに就任。
Webシステム開発からアプリ開発、AI、リアーキテクチャ、リファクタリングプロジェクトを担当。C,C++,C#,JavaScript,TypeScript,Go,Python,PHP,Vue.js,React,Angular,Flutter,Ember,Backboneを中心に開発。お気に入りはGo。