FCNとは
FCN (Fully Convolutional Network) とは、日本語で全畳み込みネットワークと呼ばれ、画像のセマンティックセグメンテーションに特化した深層学習モデルです。
セマンティックセグメンテーションとは、画像内の各ピクセルがどのクラスに属するかを識別するタスクです。例えば、自動運転システムにおいて、道路、歩行者、信号機などを識別するために利用されます。
従来のCNN (Convolutional Neural Network) では、画像認識のために全結合層を使用していました。全結合層は、画像の特徴を1次元のベクトルに変換するため、空間的な情報が失われてしまいます。
FCNは、この全結合層を畳み込み層に置き換えることで、空間的な情報を保持したまま画像を処理することができます。これにより、画像内の各ピクセルに対してクラスラベルを予測することが可能になります。
FCNの特徴
- 全結合層の排除: 全結合層を畳み込み層に置き換えることで、空間的な情報を保持します。
- 任意のサイズの入力画像: 全結合層がないため、任意のサイズの入力画像に対応することができます。
- アップサンプリング: 畳み込み層とプーリング層によって縮小された特徴マップを、元の画像サイズにアップサンプリングする手法を用います。
FCNの仕組み
- 畳み込み層: 入力画像に対して、畳み込み層とプーリング層を繰り返し適用することで、画像の特徴を抽出します。
- 1×1畳み込み層: 抽出された特徴マップを、1×1畳み込み層でクラス数に相当するチャンネル数に変換します。
- アップサンプリング: 変換された特徴マップを、元の画像サイズにアップサンプリングします。この際に、プーリング層で失われた情報を補完するために、様々な手法が用いられます。
- ピクセルごとの分類: アップサンプリングされた特徴マップから、各ピクセルに対してクラスラベルを予測します。
FCNは、画像のセマンティックセグメンテーションにおいて、重要な役割を果たす深層学習モデルです。
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