サーキットブレーカーパターンとは

サーキットブレーカーパターンとは、ソフトウェアのレジリエンスパターンの一つであり、システムやアプリケーションの可用性と信頼性を高めるために用いられる設計手法です。

サーキットブレーカーは、電気回路において、過電流が流れた際に回路を遮断し、機器を保護する役割を果たします。ソフトウェアにおけるサーキットブレーカーパターンも同様の概念に基づいています。

サーキットブレーカーパターンの仕組み

サーキットブレーカーパターンでは、外部サービスやリソースへのアクセスを監視し、一定期間内に連続してエラーが発生した場合に、そのアクセスを遮断します。これにより、障害が連鎖的に拡大するのを防ぎ、システム全体の安定性を維持することができます。

サーキットブレーカーの状態

サーキットブレーカーは、通常、以下の3つの状態を持ちます。

  • クローズ(Closed): 正常な状態。外部サービスやリソースへのアクセスが許可されています。
  • オープン(Open): 障害が発生した状態。外部サービスやリソースへのアクセスが遮断されています。
  • ハーフオープン(Half-Open): 回復を試みる状態。一定時間経過後、外部サービスやリソースへのアクセスを試行し、正常に復旧したかどうかを確認します。

サーキットブレーカーパターンのメリット

サーキットブレーカーパターンを導入することで、以下のメリットが得られます。

  • システムの安定性向上: 障害の連鎖的な拡大を防ぎ、システム全体の安定性を高めます。
  • 可用性の向上: 障害発生時でも、システムの一部が停止するだけで、他の部分は正常に動作を継続できるため、可用性が向上します。
  • 負荷軽減: 障害が発生したサービスへの不要なアクセスを遮断することで、システム全体の負荷を軽減します。

サーキットブレーカーパターンの注意点

サーキットブレーカーパターンを実装する際には、以下の点に注意する必要があります。

  • 適切な閾値の設定: エラー発生回数や時間間隔など、サーキットブレーカーが作動する閾値を適切に設定する必要があります。
  • 回復処理の実装: サーキットブレーカーがオープンになった後、どのように回復処理を行うかを検討する必要があります。
  • テストの実施: サーキットブレーカーが期待どおりに動作するかをテストする必要があります。

サーキットブレーカーパターンは、システムやアプリケーションの可用性と信頼性を高めるために有効な設計手法です。適切に実装することで、障害発生時でもシステム全体への影響を最小限に抑え、安定したサービス提供を実現することができます。

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