セントロイドとは
セントロイド(Centroid)とは、幾何学においては、図形の重心、すなわち質量中心を指す用語です。
データ分析、特にクラスタリングの分野においては、クラスタに属する全てのデータ点の平均位置を表すベクトルとして定義されます。文脈によって意味合いが異なりますが、いずれの場合も「中心」という概念を表しています。
セントロイド の基本概念(幾何学)
幾何学におけるセントロイドは、平面図形や立体図形において、その図形を一様な密度を持つものと仮定した場合の質量中心となる点です。三角形においては、各頂点と対辺の中点を結ぶ中線の交点として定義されます。多角形やより複雑な形状のセントロイドは、積分を用いて計算されます。直感的には、その点で図形を支えると水平に釣り合う点と考えることができます。
セントロイド の基本概念(データ分析)
データ分析、特にクラスタリングアルゴリズムであるk-means法などにおいては、セントロイドはクラスタの中心を表す概念として用いられます。具体的には、あるクラスタに属する全てのデータ点の各次元における平均値を計算し、それらを要素とするベクトルがそのクラスタのセントロイドとなります。セントロイドは、クラスタの代表点として機能し、クラスタリングの過程でデータ点のクラスタへの割り当てやクラスタの更新に用いられます。
セントロイド の計算方法(k-means法)
k-means法におけるクラスタ Cj のセントロイド μj は、そのクラスタに属する全てのデータ点 xi∈Cj の平均として計算されます。データ点が n 次元ベクトルである場合、セントロイドも n 次元ベクトルとなります。
μj=∣Cj∣1xi∈Cj∑xi
ここで、
- μj はクラスタ Cj のセントロイド
- Cj は j 番目のクラスタに属するデータ点の集合
- xi はクラスタ Cj に属する個々のデータ点
- ∣Cj∣ はクラスタ Cj に属するデータ点の数
セントロイド の特徴(k-means法)
- クラスタの中心: セントロイドは、そのクラスタに属するデータ点の平均的な位置を示すため、クラスタの中心とみなされます。
- 代表点: クラスタ内の全てのデータ点を代表する点として扱われることがあります。
- 更新: k-meansアルゴリズムの反復処理において、クラスタへのデータ点の再割り当て後、各クラスタのセントロイドは再計算され、更新されます。
- 次元: データ点の次元と同じ次元を持ちます。
セントロイド の応用例
- k-meansクラスタリング: 最も代表的な応用例であり、データ点をk個のクラスタに分割する際に、セントロイドを用いてクラスタリングの中心を決定し、データ点を最も近いセントロイドに割り当てます。
- クラスタの可視化: 高次元のデータを低次元空間に射影する際に、各クラスタのセントロイドを用いることで、クラスタ全体の代表的な位置を視覚的に表現することができます。
- 特徴量の代表: 各クラスタのセントロイドを、そのクラスタに属するデータ群の特徴を代表するベクトルとして利用することがあります。
- 初期値設定: k-meansアルゴリズムの初期セントロイドの選択は結果に影響を与えるため、何らかの方法でデータ分布の中心に近い点を初期セントロイドとして設定する際に、セントロイドの概念が用いられることがあります。
セントロイド の注意点(k-means法)
- 非球形クラスタへの適用: セントロイドは、球状に近い形状のクラスタに対しては直感的な中心を表しますが、複雑な形状や非凸なクラスタに対しては、必ずしも適切な代表点とならない場合があります。
- 外れ値の影響: セントロイドは平均値に基づいて計算されるため、外れ値の影響を受けやすいという性質があります。
- カテゴリカルデータへの適用: セントロイドは数値データに対して定義されるため、カテゴリカルデータを含む場合には、適切な変換や別のクラスタリング手法を検討する必要があります。
セントロイドは、「中心」という概念を表す用語であり、幾何学においては図形の質量中心を、データ分析においてはデータ点の集合の中心(平均位置)を指します。特にk-meansクラスタリングにおいては、クラスタの中心として重要な役割を果たし、データ点の割り当てやクラスタの更新に用いられます。その直感的な理解しやすさから、データ分析や機械学習の分野で広く活用されていますが、データの特性によっては注意が必要な点もあります。
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