ペネトレーションテストとは

ペネトレーションテストは、システムやネットワークに、実際のサイバー攻撃と同様の手法で侵入を試み、セキュリティ上の脆弱性を発見・評価するテストのことです。

ペネトレーションテストの概要と目的

ペネトレーションテスト(Penetration Test)は、「侵入テスト」とも呼ばれ、システムの防御がどれほど強固であるかを客観的に評価する、攻撃的なセキュリティ診断です。

これは、単にシステムの脆弱性リストを出す脆弱性診断とは異なり、発見した脆弱性を実際に悪用して、機密情報へのアクセスやシステム乗っ取りが可能かまでを検証します。専門のホワイトハッカーが、クライアントの許可を得た上で、意図的に攻撃を仕掛けることで、現実の脅威に対するシステムの耐性を測定します。

主な目的は、システムが実際の攻撃にどれだけ耐えられるかを評価し、潜在的な被害範囲を把握することです。

これにより、企業は最もリスクが高い部分を特定し、効果的なセキュリティ対策を優先的に講じることができます。

ペネトレーションテストの主要な種類

ペネトレーションテストは、攻撃者に関する情報の有無によって、主に3つのタイプに分類されます。

1. ブラックボックステスト(Black Box Testing)

  • 概要:
    • 外部の攻撃者と同様に、システムの内部情報(ソースコード、構成図など)を一切持たずにテストを行います。
  • 利点:
    • 実際のサイバー攻撃を最も忠実にシミュレーションできます。

2. ホワイトボックステスト(White Box Testing)

  • 概要:
    • システムの内部情報(ソースコード、ネットワーク構成図、アカウント情報など)をすべて共有した状態でテストを行います。
  • 利点:
    • 内部の不正行為者や、すでにシステムに侵入した攻撃者を想定した、より深いレベルの脆弱性を発見できます。

3. グレーボックステスト(Gray Box Testing)

  • 概要:
    • 一部の限定的な情報(例:一般ユーザーのアカウント)を持ってテストを行います。
  • 利点:
    • 実際の攻撃者が通常利用する可能性のある情報を基に、内部ネットワークや特定のユーザー権限での脆弱性を効率的に発見できます。

ペネトレーションテストの実行プロセス

一般的なペネトレーションテストは、以下の段階で実行されます。

  1. 計画と情報収集:
    • テストの範囲、目的、手法を定義し、対象システムの情報を収集します。
  2. 脆弱性の分析と評価:
    • 収集した情報に基づき、既知の脆弱性や設定ミスなどを特定します。
  3. 攻撃と侵入:
    • 特定した脆弱性を悪用し、実際にシステムへの侵入を試みます。
  4. 権限昇格と内部偵察:
    • 侵入に成功した場合、内部での行動範囲を広げ、機密情報へのアクセスが可能かを検証します。
  5. レポート作成:
    • 発見した脆弱性、攻撃手法、潜在的な被害範囲、そして具体的な改善策を詳細なレポートにまとめます。

ペネトレーションテストは、定期的に実施することで、進化するサイバー脅威に対するシステムの安全性を継続的に確保するために不可欠なプロセスです。

関連用語

侵入テスト | 今更聞けないIT用語集
ホワイトボックステスト | 今更聞けないIT用語集
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