CSVとは

CSVは、データをカンマ(コンマ)で区切ることによって、表形式のデータをテキストファイルとして保存するためのファイル形式の一つであり、異なるアプリケーション間でデータを交換する際の最も一般的でシンプルな方法のことです。

CSVの概要とファイル形式の特性

CSV(Comma Separated Values、カンマ区切り値)は、構造化されたデータ(スプレッドシートやデータベースのテーブルデータなど)をプレーンテキスト形式で表現するためのデファクトスタンダードな形式です。

このファイル形式の設計思想は極めてシンプルです。

  1. : データの一つのレコード(行)は、ファイル内の改行によって区切られます。
  2. : レコード内の各フィールド(列)の値は、標準的にはカンマ(コンマ,)によって区切られます。

CSVファイルの最大の利点は、その移植性の高さにあります。プレーンテキストであるため、特定のソフトウェアやオペレーティングシステムに依存せず、ほとんどすべてのデータベース、表計算ソフトウェア(Excel、Google Sheetsなど)、データ分析ツール、プログラミング言語で容易に読み書きが可能です。

この特性から、異なるシステム間でデータを連携・移行する際の共通フォーマットとして広く利用されています。

主な目的は、表形式のデータを最もシンプルで普遍的なテキスト形式で表現し、データの互換性と交換性を最大限に高めることです。

CSVファイルの構造と標準的なルール

CSVファイルは非常に柔軟な形式ですが、データを正しくパース(解析)するために、標準的なルールがいくつか定められています。

1. デリミタ(区切り文字)

最も一般的な区切り文字はカンマですが、タブ、セミコロン、スペースなどが使用されることもあり、これらは総称してデリミタと呼ばれます。特に、データ内にカンマが含まれる場合、カンマ以外のデリミタが使われることがあります。

2. クォーテーション(引用符)

フィールドの値に、区切り文字であるカンマや改行が含まれる場合、その値全体を二重引用符(”)で囲む必要があります。

  • : "Tokyo, Japan"

もし、フィールドの値自体に二重引用符が含まれる場合は、その引用符をエスケープ(回避)するために、二重引用符を二つ重ねて記述する必要があります。

  • : “"Apple"社の新製品” はファイル内では """Apple""社の新製品" と記述されます。

3. ヘッダ行

CSVファイルは、ファイルの先頭行に各列の名称を示すヘッダ行を持つことが一般的です。このヘッダ行は必須ではありませんが、データの内容を明確にし、データセットの構造を理解しやすくするために強く推奨されます。

CSVとJSON/XMLとの比較

CSVは、データ交換の手段として、JSONやXMLといった他の構造化データ形式としばしば比較されます。

項目CSVJSONXML
データの階層構造非対応(単純な表形式のみ)対応(ネスト構造が可能)対応(ツリー構造が可能)
可読性(人間)高い(シンプルで直感的)中程度(データ構造に依存)低い(タグが多く冗長になりがち)
ファイルサイズ非常に小さい(軽量)中程度大きい(冗長になりがち)
処理速度高速(解析が容易)高速やや低速(複雑な解析が必要)
CSVとJSON/XMLとの比較

CSVは、階層構造を持たない大量のログデータやトランザクションデータを扱う場合に、そのシンプルさと高速性から特に優位性があります。

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