FIFOとは

FIFOは、データやタスクを処理する際の基本的な方法の一つであり、最初に入力されたもの(First-In)が、最初に処理される(First-Out)という原則に基づいた仕組みのことです。

FIFOの概要とデータ構造における位置づけ

FIFO(First-In, First-Out、先入れ先出し)は、コンピュータサイエンス全般、特にデータ構造、オペレーティングシステム、通信プロトコル、およびハードウェア設計において不可欠な概念です。

この原則は、現実世界の待ち行列(キュー、Queue)と同じ振る舞いをモデル化しています。

たとえば、銀行の窓口やレジの行列では、先に並んだ人が先にサービスを受けます。FIFOは、この公正かつ予測可能な処理順序を保証します。

主な目的は、処理待ちのデータやタスクを、入力された順番で公平かつ秩序正しく扱うことであり、特に処理の順序性が重要となるシステムで利用されます。

FIFOの動作原理とデータ構造

FIFOの原則を実現するための最も一般的なデータ構造がキュー(Queue)です。キューは、以下の基本的な操作によって管理されます。

1. Enqueue(エンキュー)

  • 動作: 新しいデータ要素をキューの末尾(リア、Rear)に追加する操作です。要素は常に行列の最後に並びます。

2. Dequeue(デキュー)

  • 動作: キューの先頭(フロント、Front)にある、最も古くからキューに存在していた要素を取り出して削除する操作です。

LIFOとの対比

FIFOと対照的な概念にLIFO(Last-In, First-Out、後入れ先出し)があります。LIFOは、後から入ったものが先に処理される構造であり、データ構造としてはスタック(Stack)によって実現されます。

項目FIFO(キュー)LIFO(スタック)
原則先入れ先出し後入れ先出し
データの追加末尾(リア)一番上(トップ)
データの取り出し先頭(フロント)一番上(トップ)
実世界の例レジの行列積み上げられた皿
LIFOとの対比

FIFOの主要な応用分野

FIFOの仕組みは、システム内のデータの流れを管理するために広範囲に利用されています。

1. オペレーティングシステム(OS)

  • スケジューリング: ジョブスケジューリングにおいて、CPUの処理を待っているタスクを、リクエストされた順番通りに公平に処理するために用いられるスケジューリングアルゴリズム(FCFS: First-Come, First-Served)の基礎となります。
  • ディスクI/O: ディスクへの読み書きリクエストを処理する際にも、リクエストの順序性を維持するために使用されます。

2. コンピュータネットワークと通信

  • パケットキューイング: ネットワークルーターやスイッチにおいて、一時的に処理待ちとなっているデータパケットを格納するバッファ(キュー)の管理にFIFOが用いられます。これにより、パケットは送信された順番通りに処理されます。

3. ハードウェア設計

  • データバッファ: 異なる速度で動作する2つのコンポーネント(例:CPUと周辺機器)間でデータをやり取りする際に、データの一時的な貯蔵庫として機能するFIFOメモリが利用されます。これにより、データの流れがスムーズになり、データの欠落を防ぎます。

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