IAMとは

IAMは、組織のITリソースに対するアクセス権限を適切に管理し、正しい人が、正しいリソースに、正しい理由でアクセスできるように制御するための仕組みやフレームワークのことです。

正式名称をIdentity and Access Management(アイデンティティおよびアクセス管理)と呼び、ユーザーの識別(認証)と、そのユーザーが実行できる操作の決定(認可)を一元化することで、セキュリティの強化と運用効率の向上を両立させる、現代のITインフラ、特にクラウド環境において中核となる技術を指します。

IAMの主要な構成要素

IAMは、主に「アイデンティティ(ID)」と「アクセス権限」を紐づけることで機能します。

1. アイデンティティ(Identity)

システムを利用する主体を指します。これには人間のユーザーだけでなく、アプリケーション、サーバー、あるいは自動化されたプログラム(サービスアカウントやロール)も含まれます。

2. 認証(Authentication)

アクセスを試みている主体が、主張通りの本人であることを確認するプロセスです。IDとパスワードのほか、ワンタイムパスワード生体認証を用いた多要素認証(MFA)が一般的です。

3. 認可(Authorization)

認証された主体に対して、どのリソース(サーバー、データベース、ファイルなど)に、どのような操作(閲覧、書き込み、削除など)を許可するかを定義するプロセスです。

IAMの管理モデルと設計原則

効果的なIAM運用を実現するために、以下の設計思想が広く取り入れられています。

1. 最小権限の原則(Principle of Least Privilege)

ユーザーには業務を遂行するために必要最低限の権限のみを付与するという原則です。これにより、万が一アカウントが侵害された場合でも、被害の範囲を最小限に抑えることができます。

2. ロールベースアクセス制御(RBAC)

個々のユーザーに直接権限を付与するのではなく、「管理者」「開発者」「閲覧者」といった役割(ロール)を定義し、そのロールに権限を割り当てる手法です。ユーザーを特定のロールに所属させることで、組織変更や異動に伴う権限管理の煩雑さを解消します。

クラウド環境におけるIAMの役割

AWS、Azure、Google Cloudといったクラウドサービスにおいて、IAMはインフラ保護の最前線となります。クラウド上のリソースはAPIを通じて操作されるため、IAMによる適切なアクセス制限がなければ、重大なデータ漏洩や不正利用に直結します。

例えば、あるバケット(ストレージ)へのアクセス可否を判断する論理式は、簡略化すると以下のようなポリシー評価に基づきます。

Decision = (Allow \cap \neg Deny)

この評価プロセスでは、明示的な拒否(Deny)が最優先され、許可(Allow)が設定されていても拒否設定があればアクセスは遮断されます。この厳格な論理構造により、複雑な権限設定においても安全性を担保しています。

導入のメリットと運用の留意点

1. メリット

  • コンプライアンスの遵守:誰がいつ何をしたかという監査ログの取得が可能になり、内部統制を強化できます。
  • 利便性の向上:シングルサインオン(SSO)と連携することで、ユーザーは一度のログインで複数のシステムを利用可能になります。

2. 運用の留意点

  • 管理の不備(設定ミス):IAMの設定ミスは、インターネット上に重要データを公開してしまう主要な原因となります。定期的な権限の棚卸しや、不要な旧アカウントの削除が不可欠です。
  • 特権IDの保護:高い権限を持つ管理者用アカウント(特権ID)の管理には、通常のユーザーよりもさらに厳格なセキュリティ対策が求められます。

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