バグとは?システム障害とは? システム障害の原因と障害を未然に防ぐ対策

システム開発や運用において、ソフトウエアのバグやシステム障害は避けては通れない問題です。バグなどの原因によってシステム障害が発生すると、業務に支障をきたすだけでなく、企業の信頼を失墜させるリスクもあります。

そこで今回は、システム障害とバグについて解説します。これらの知識を身につけることで、障害発生時の対応をスムーズに行い、未然に防ぐための対策を講じることができます。

バグとは?

バグとは?システム障害とは? システム障害の原因と障害を未然に防ぐ対策

バグとは、コンピュータプログラムの誤りや欠陥のことです。バグがあると、プログラムが意図した通りに動作せず、予期せぬ結果を引き起こす可能性があります。

バグの原因は様々ですが、主に以下のものが挙げられます。

  • ヒューマンエラー: プログラミング時のタイプミスや、仕様の誤解など、人間のミスによって発生するバグ。
  • 設計ミス: システムの設計段階での誤りによって発生するバグ。仕様の誤りなどのバグも同様です。
  • 環境の違い: 開発環境と本番環境の違いによって発生するバグ。

システム障害とは?

システム障害とは?

システム障害とは、コンピュータシステムが正常に動作しなくなることです。ハードウェアの故障やソフトウェアのバグ、人的ミスなどが原因で発生します。

システム障害は、その影響範囲や深刻度によって、以下のように区分されます。

  • 軽微な障害: 一部の機能が利用できなくなる、処理速度が低下するなど、業務に大きな影響を与えない障害。
  • 中程度の障害: 複数の機能が利用できなくなる、一部の業務が停止するなど、業務に支障をきたす障害。
  • 重大な障害: システム全体が停止する、データが消失するなど、業務を継続できなくなる障害。

標準規格などによるバグの定義

バグの定義は、標準規格やガイドラインによって定められています。例えば、以下の規格があります。

  • ISO/IEC 9126: ソフトウェア製品の品質特性に関する国際規格。バグは、機能性、信頼性、使用性、効率性、保守性、移植性といった品質特性に影響を与える要素として定義されています。
  • IEEE 1044: ソフトウェアテストに関する標準規格。バグは、テストケースを実行した結果、期待される結果と異なる出力や動作をするものとして定義されています。

これらの規格では、バグを検出し、修正するためのプロセスや手法も規定されています。

ISO/IEC 25002:2024(外部リンク)

ISO/IEC 25010:2023(外部リンク)

ISO/IEC 25019:2023(外部リンク)

いかにバグを管理し、障害リスクを軽減するか

バグを効率的に管理するためには、バグトラッキングシステムの利用が有効です。バグトラッキングシステムは、バグの報告、追跡、修正状況の管理などを一元的に行うためのツールです。

代表的なバグトラッキングシステムには、以下のようなものがあります。

  •  JIRA: アジャイル開発に特化したプロジェクト管理ツール。バグトラッキング機能も充実しています。
  • Redmine: オープンソースのプロジェクト管理ツール。シンプルなインターフェースで、バグトラッキングを容易に行えます。
  • Backlog: 日本製のプロジェクト管理ツール。直感的な操作で、チームでのバグ管理に適しています。某プロジェクトで使用していましたが、やや工数が増えてしまうなど気になる点があるものの、とても使いやすい管理ツールです。
  • Github: Githubのissueを使ったバグ管理は、とても直感的でわかりやすく、やるべきことを簡潔にまとめることができるツールです。

バグ管理プロセス

バグの発見から報告が行われ、バグフィックスまでの対応が完了するまでの基本的なフローは以下の通りです。

  1. バグの発見
  2. バグチケット(バグ票)の作成 
  3. 担当者のアサイン
  4. バグ原因の調査、再現性の確認
  5. バグの修正方針の決定
  6. バグの修正
  7. 影響範囲の確認
  8. バグの修正内容の確認(テスト)
  9. バグチケットのクローズ

ここでは、バグの内容や再現手順などの情報を管理するための記録をバグチケット(バグ管理票)と呼んでいます。

開発工程で発見されるバグ

  • 単体テスト: 各モジュールを個別にテストする段階で発見されるバグ。
  • 結合テスト: 複数のモジュールを組み合わせてテストする段階で発見されるバグ。
  • システムテスト: システム全体をテストする段階で発見されるバグ。
  • 運用テスト: 本番環境に近い環境でテストする段階で発見されるバグ。

早期にバグを発見し、修正することが、システムの品質向上に繋がります。

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システム障害の未然防止策

システム障害の未然防止策

システム障害を未然に防ぐためには、以下の対策が有効です。

  1. コーディング規約の策定: チーム内で統一されたコーディング規約を定めることで、バグの発生を抑制できます。
  2. コードレビューの実施: 複数人でコードをレビューすることで、見落としがちなバグを発見することができます。コードレビューは品質向上を目指す上で非常に有効な手段のひとつです。
  3. 徹底したテスト: 開発段階で、様々なテストを実施し、バグを早期に発見・修正することが重要です。単体テスト、結合テスト、システムテストなど、多角的なテストを行うことで、バグの検出率を高めることができます。
  4. 静的コード解析ツールの導入: ソースコードを自動的に解析し、潜在的なバグを検出するツールを導入することで、バグの早期発見に繋がります。
  5. テスト自動化: テストを自動化することで、リソースの工数を減らし、また、ヒューマンミスの防止、属人化リスクの回避などのリスクを減らし、効率的にバグを発見し、修正することができる非常に有効な手段です。
  6. 定期的なメンテナンス: システムの定期的なメンテナンスを行い、ソフトウェアのアップデートやハードウェアの交換などを行うことで、障害発生のリスクを低減できます。
  7. バックアップ体制の構築: 定期的にデータのバックアップを取得し、障害発生時に備えることが重要です。バックアップがあれば、データの復旧が容易になります。
  8. 障害発生時の対応手順の整備: 障害発生時の対応手順を事前に定めておくことで、迅速かつ適切な対応が可能になります。対応手順書を作成し、関係者間で共有しておくことが重要です。

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まとめ

システム障害は、企業にとって大きな損失をもたらす可能性があります。しかし、バグの種類や障害の内容や傾向を理解し、適切な対策を講じることで、障害発生のリスクを低減し、被害を最小限に抑えることができます。

APPSWINGBYでは、ソフトウエアのコードの最適化を行うリファクタリングサービスの他、バグやセキュリティ脆弱性の改修を行っています。多発するバグやシステム上の不具合などにお困りでしたら、一度、弊社までお問合せください。最適なソリューションをご提案致します。

この記事を書いた人

株式会社APPSWINGBY

株式会社APPSWINGBY マーケティング

APPSWINGBY(アップスイングバイ)は、アプリケーション開発事業を通して、お客様のビジネスの加速に貢献することを目指すITソリューションを提供する会社です。

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情報・通信、医療、製造、金融(銀行・証券・保険・決済)、メディア、流通・EC・運輸 など多数

監修

APPSWINGBY CTO川嶋秀一

株式会社APPSWINGBY
CTO 川嶋秀一

動画系スタートアップ、東証プライム R&D部門を経験した後に2019年5月に株式会社APPSWINGBY 取締役兼CTOに就任。
Webシステム開発からアプリ開発、AI、リアーキテクチャ、リファクタリングプロジェクトを担当。C,C++,C#,JavaScript,TypeScript,Go,Python,PHP,Vue.js,React,Angular,Flutter,Ember,Backboneを中心に開発。お気に入りはGo。