最新技術を活用したセキュリティ対策
2025年に向けて、セキュリティ対策を改めて考えることをテーマに、今回は第三回目ということで、最新技術を活用したセキュリティ対策について、まとめてみます。
サイバー攻撃の手口は日々進化を続けており、従来のセキュリティ対策だけでは、企業のシステムを守り切ることが難しくなってきているのが現状です。そこで、今年大注目されたAIやゼロトラストセキュリティ、ブロックチェーンなどの最新技術を活用したセキュリティ対策が注目されているのです。
これらの最新技術を導入することで、より高度な脅威を検知・防御し、企業のシステムを安全に保つことが可能になります。
- 1. AI を活用したセキュリティ対策
- 1.1. AI による脅威検知、自動対応
- 1.2. SOAR (Security Orchestration, Automation and Response)
- 1.2.1. SOARの3つの主要機能
- 1.2.2. セキュリティオーケストレーション
- 1.2.3. セキュリティ自動化
- 1.2.4. インシデントレスポンス
- 2. ゼロトラストセキュリティ
- 2.1.1. ゼロトラストセキュリティが注目される背景
- 2.1. 境界防御の限界
- 2.1.1. ゼロトラストセキュリティのメリット
- 3. すべてのアクセスを検証するセキュリティモデル
- 4. ブロックチェーン技術の活用
- 4.1.1. データ改ざん防止、セキュリティ強化
AI を活用したセキュリティ対策
AI(人工知能)は、セキュリティ分野においても大きな力を発揮します。大量のデータを高速に分析し、パターンを学習することで、従来のセキュリティ対策では検知できなかった未知の脅威を特定することができます。
AI による脅威検知、自動対応
ネットワークトラフィックやログデータをAIが分析し、不審なアクセスやマルウェア感染の兆候を検知します。 脅威を検知した場合には、自動的に対応することで、被害を最小限に抑えることができます。 例えば、不正アクセスを検知した場合、該当するIPアドレスをブロックしたり、感染したファイルを隔離したりすることができます。
SOAR (Security Orchestration, Automation and Response)
セキュリティ対策の自動化と効率化を実現するプラットフォームです。 複数のセキュリティツールを連携させ、脅威検知から対応までの一連の作業を自動化することで、セキュリティ担当者の負担を軽減し、迅速な対応を可能にします。 SOARは、セキュリティ対策の効率化と高度化に貢献する、重要な技術と言えるでしょう。
SOARの3つの主要機能
SOARは、以下の3つの主要機能を統合することで、セキュリティ運用を効率化します。
セキュリティオーケストレーション
複数のセキュリティツールやシステムを連携させ、一元的に管理・運用します。 各ツールから収集したセキュリティ情報を統合・分析し、全体的な脅威状況を把握することで、より的確な判断と対応を支援します。
セキュリティ自動化
脅威検知から対応までの一連の作業を自動化します。 例えば、マルウェア感染を検知した場合、自動的に感染したファイルを隔離し、関係部署に通知するといったワークフローを構築できます。 これにより、セキュリティ担当者は、ルーチンワークから解放され、より高度な分析や対応に集中できます。
インシデントレスポンス
セキュリティインシデント発生時の対応を効率化します。 インシデント対応手順を事前に定義しておくことで、迅速かつ的確な対応を可能にします。 また、インシデントの進捗状況や対応履歴を記録・管理することで、事後分析や改善に役立てます。
SOARは、セキュリティ対策の自動化と効率化を実現する、強力なツールです。適切な導入と運用により、企業はセキュリティレベルを向上させ、サイバー攻撃からビジネスを守ることができます。
ゼロトラストセキュリティ
そこで、注目されているのが「ゼロトラストセキュリティ」です。これは、「決して信用せず、常に検証する」 を基本原則とし、ネットワークの内外を問わず、あらゆるアクセスに対して認証と認可を行うことで、より強固なセキュリティを実現します。
ゼロトラストセキュリティが注目される背景
境界の消失: クラウドサービスやモバイルデバイスの利用により、ネットワークの境界が曖昧になり、従来の境界防御では対応しきれなくなっています。
脅威の高度化: 標的型攻撃やランサムウェアなど、巧妙化するサイバー攻撃に対して、従来のセキュリティ対策では十分な防御が難しくなっています。
内部脅威の増加: 従業員による情報漏えいや不正アクセスなど、内部からの脅威も増加傾向にあります。
境界防御の限界
境界防御では、一度内部ネットワークに侵入されてしまうと、内部での横展開を許してしまう可能性があります。 また、VPN接続など、外部からのアクセスが増加するにつれて、境界防御の管理が複雑化するという課題もあります。
ゼロトラストセキュリティのメリット
- セキュリティ強化: 境界防御に依存せず、あらゆるアクセスを検証することで、セキュリティ強度を高めます。
- 柔軟性: クラウドサービスやモバイルデバイスの利用など、多様なワークスタイルに対応できます。
- リスク軽減: 被害発生時の影響範囲を最小限に抑えることができます。
- 運用効率向上: セキュリティ対策を自動化することで、運用効率を向上させることができます。
ゼロトラストセキュリティは、現代の複雑なIT環境において、企業のシステムを安全に守るための重要なセキュリティモデルです。段階的な導入を進め、自社の環境に合わせて適切な対策を講じることで、より強固なセキュリティ体制を構築することができます。
すべてのアクセスを検証するセキュリティモデル
ゼロトラストセキュリティは、「決して信用せず、常に検証する」という考え方に基づいたセキュリティモデルです。 ユーザーやデバイス、アプリケーションなど、すべてのアクセスに対して認証と認可を行い、アクセス権限を厳格に管理することで、内部からの脅威にも対応します。
ゼロトラストセキュリティは、境界防御の限界を克服し、現代のビジネス環境に適したセキュリティ対策と言えるでしょう。
ブロックチェーン技術の活用
ブロックチェーンは、分散型台帳技術であり、データの改ざん防止やセキュリティ強化に効果を発揮します。
データ改ざん防止、セキュリティ強化
ブロックチェーンに記録されたデータは、改ざんが非常に困難なため、セキュリティログや監査証跡の記録などに利用することで、データの信頼性を高めることができます。 また、ブロックチェーン技術は、アクセス制御や認証システムにも応用できます。
2025年を見据えたセキュリティ対策には、AI、ゼロトラストセキュリティ、ブロックチェーンなど、最新技術の活用が不可欠です。これらの技術を効果的に導入することで、企業はサイバー攻撃の脅威からシステムを守り、ビジネスの継続性を確保することができます。
今回は、最新技術を駆使したセキュリティ対策についてご紹介しました。次回は、”2025年に向けたセキュリティ戦略”と題して、変化する脅威への対応やセキュリティ投資についてご紹介したいと思います。
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この記事を書いた人
株式会社APPSWINGBY マーケティング
APPSWINGBY(アップスイングバイ)は、アプリケーション開発事業を通して、お客様のビジネスの加速に貢献することを目指すITソリューションを提供する会社です。
ご支援業種
情報・通信、医療、製造、金融(銀行・証券・保険・決済)、メディア、流通・EC・運輸 など多数
監修
株式会社APPSWINGBY
CTO 川嶋秀一
動画系スタートアップ、東証プライム R&D部門を経験した後に2019年5月に株式会社APPSWINGBY 取締役兼CTOに就任。
Webシステム開発からアプリ開発、AI、リアーキテクチャ、リファクタリングプロジェクトを担当。C,C++,C#,JavaScript,TypeScript,Go,Python,PHP,Vue.js,React,Angular,Flutter,Ember,Backboneを中心に開発。お気に入りはGo。