販売管理システムの種類から導入プロセスをわかりやすく解説!

販売管理システムの種類から導入プロセスをわかりやすく解説!

販売管理システムのリプレースに焦点をあてた「販売管理システムのリプレース」シリーズも今回で3回目となりました。今回は、「販売管理システムの種類」「導入プロセス」というテーマで、販売管理システムを一新する際に必要な知識と具体的な導入までの道のりについて解説します。

第1回目「販売管理システムのリプレースの際に注意すべきポイント」と第2回目「販売管理システムのリプレースのメリットと確認すべきポイント」をご覧になってない方は、リンクよりご覧ください。

では、さっそく販売管理システムの種類から見ていきましょう。

販売管理システムの種類

販売管理システムには、大きく分けて以下の3つの種類があります。

  • パッケージ型
  • クラウド型
  • オンプレミス型

それぞれの特徴を理解し、自社に最適なシステムを選ぶことが重要です。

パッケージ型

パッケージ型は、あらかじめ決められた機能を備えたシステムを、パッケージとして購入するタイプです。多くの企業で共通的に必要とされる標準的な機能が備わっており、比較的安価に導入できるのがメリットです。

メリット

  • 低コスト: 初期費用が比較的安価で、導入しやすい。
  • 導入期間が短い: カスタマイズが少ないため、短期間で導入できる。
  • 操作が簡単: 標準的な機能で構成されているため、操作を習得しやすい。

デメリット

  • カスタマイズ性低い: 自社の業務に完全にフィットさせるためのカスタマイズが難しい。
  • バージョンアップ費用: バージョンアップの度に費用が発生する。
  • 機能が限定的: 必要な機能がすべて揃っていない場合がある。

クラウド型

クラウド型は、インターネット経由でシステムを利用するタイプです。サーバーやソフトウェアを自社で保有する必要がなく、初期費用を抑えられるのがメリットです。

メリット

  • 初期費用が安い: サーバーなどのハードウェア費用が不要。
  • 導入期間が短い: インターネット環境があれば、すぐに利用開始できる。
  • メンテナンスが不要: システムのメンテナンスはベンダーが行うため、自社で管理する必要がない。
  • アクセス場所を選ばない: インターネットに接続できる環境であれば、どこからでもシステムにアクセスできる。
  • スケーラビリティ: 事業規模の拡大や縮小に合わせて、柔軟にシステムの規模を変更できる。

デメリット

  • カスタマイズ: パッケージ型に比べてカスタマイズの自由度は高いものの、オンプレミス型に比べると制限がある。
  • セキュリティ: 重要なデータを外部のサーバーに預けることになるため、セキュリティ対策が重要となる。
  • インターネット環境: 安定したインターネット環境が必要となる。

オンプレミス型

オンプレミス型は、自社でサーバーやソフトウェアを保有し、システムを構築・運用するタイプです。自社の業務に合わせて自由にカスタマイズできるのがメリットです。

メリット

  • カスタマイズ性が高い: 自社の業務に合わせて、自由にシステムをカスタマイズできる。
  • セキュリティが高い: 自社でシステムを管理するため、セキュリティレベルを高く保つことができる。
  • インターネット環境に依存しない: インターネット環境に依存せず、安定したシステム運用が可能。

デメリット

  • 初期費用が高い: サーバーなどのハードウェア費用やソフトウェアライセンス費用など、初期費用が高額になる。
  • 導入期間が長い: システム構築に時間がかかる。
  • メンテナンス: システムのメンテナンスを自社で行う必要がある。
  • スケーラビリティ: システムの規模変更に時間と費用がかかる。

各タイプの特徴まとめ

項目パッケージ型クラウド型オンプレミス型
費用安価低価格高価
導入期間短い短い長い
カスタマイズ性低い中程度高い
セキュリティベンダー依存ベンダー依存自社管理
maintenanceベンダーベンダー自社
scalability低い高い低い
アクセス場所限定的制限なし社内

販売管理システムの導入プロセス

なぜ販売管理システムが必要なのか?

販売管理システムのリプレースを成功させるためには、適切な導入プロセスを踏むことが重要です。
ここでは、システム導入のプロフェッショナルであるSIerの視点から、必要なステップと各ステップにおける注意点を詳しく解説します。

導入プロセス

一般的に、販売管理システムの導入プロセスは以下のステップで進められます。

  1. 要件定義
  2. システム選定
  3. 設計
  4. 開発・構築
  5. テスト
  6. データ移行
  7. 教育・ トレーニング
  8. 運用開始
  9. 運用・保守

各ステップにおける注意点

では、次に販売管理システムのリプレースを成功させるための基本的なポイントについてご紹介します。販売管理システムのリプレースでは、自社の課題の明確化や事業計画等から近い将来必要となる機能等について注意深く確認することが重要になります。

1.要件定義

  • 現状分析: 現状のシステムの課題や問題点を洗い出し、新システムに求める機能や性能を明確化します。
    • 注意点: 現状の業務フローを詳細に分析し、課題の根本原因を突き止めることが重要です。
  • ニーズの把握: 各部門の担当者からヒアリングを行い、新システムに対する要望や期待を収集します。
    • 注意点: 現場の意見を丁寧に聞き取り、真のニーズを把握することが重要です。
  • 要件定義書作成: 収集した情報に基づき、新システムの要件をまとめた要件定義書を作成します。
    • 注意点: 要件定義書は、後続の工程の基礎となる重要なドキュメントです。曖昧な表現を避け、具体的かつ明確に記述することが重要です。

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2. システム選定

  • 候補選定: 要件定義に基づき、複数の販売管理システムを比較検討し、候補を絞り込みます。
    • 注意点: 機能、コスト、 スケーラビリティ、セキュリティ、サポート体制など、様々な観点から評価することが重要です。
  • デモ: 候補システムのデモを実施し、実際の操作性や機能を確認します。
    • 注意点: 自社の業務フローを想定したシナリオでデモを実施し、使い勝手やパフォーマンスを評価することが重要です。
  • ベンダー選定: デモの結果やベンダーの実績、サポート体制などを総合的に評価し、最適なベンダーを選定します。
    • 注意点:ベンダーとのコミュニケーションを密に取り、信頼関係を築くことが重要です。

3. 設計

  • 基本設計: システム全体の構成、機能、データ構造などを設計します。
    • 注意点: 要件定義の内容を満たすように、システム全体のアーキテクチャを設計することが重要です。
  • 詳細設計: 基本設計に基づき、プログラムやデータベースなどの詳細な設計を行います。
    • 注意点: 開発工程でスムーズに作業が進められるよう、詳細な設計を行うことが重要です。
  • インターフェース設計: 他のシステムとの連携部分など、インターフェース部分を設計します。
    • 注意点: 既存システムとのデータ連携を考慮し、スムーズな移行ができるよう設計することが重要です。

4. 開発・構築

  • プログラミング: 設計書に基づき、プログラムを開発します。
    • 注意点: コーディング規約を遵守し、品質の高いプログラムを開発することが重要です。
  • 単体テスト: 開発したプログラムを単体でテストし、バグを修正します。
    • 注意点: プログラムの品質を確保するため、網羅的なテストを実施することが重要です。
  • 結合テスト: 複数のプログラムを結合し、連携動作をテストします。
    • 注意点: システム全体が正しく動作するかを確認するため、様々なテストケースを想定することが重要です。

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5. テスト

  • 総合テスト: システム全体をテスト環境で稼働させ、要件定義を満たしているか、問題なく動作するかを検証します。
    • 注意点: 本番環境に近い環境でテストを実施し、システムの性能や安定性を確認することが重要です。
  • 運用テスト: 実際の業務を想定したテストを行い、操作性や使い勝手を確認します。
    • 注意点: 現場の担当者にテストに参加してもらい、運用上の問題点などを洗い出すことが重要です。
  • 負荷テスト: 大量のデータやアクセスを想定したテストを行い、システムの負荷耐性を確認します。
    • 注意点: 想定される最大負荷を考慮し、システムが安定稼働できることを確認することが重要です。

6. データ移行

  • データクレンジング: 既存システムからデータを抽出し、 クレンジングを行います。
    • 注意点: データの重複や誤りを修正し、新システムに移行できるようデータを整備することが重要です。
  • データ変換: 新システムのデータベースに合わせて、データを変換します。
    • 注意点: データ形式や文字コードなどを変換し、正しくデータ移行できるよう注意する必要があります。
  • データ移行: 変換したデータを新システムにインポートします。
    • 注意点: データ移行後、データが正しく反映されているかを確認することが重要です。

7. 教育・ トレーニング

  • 操作トレーニング・スキルトランスファー: 現場の担当者向けに、新システムの操作方法トレーニングを実施します。
    • 注意点: わかりやすいトレーニング資料を作成し、操作方法を習得できるよう丁寧に指導することが重要です。
  • 運用 トレーニング: システム管理者向けに、システムの運用方法 トレーニングを実施します。
    • 注意点: システムの監視、バックアップ、トラブル対応など、運用に必要な知識を習得できるようトレーニングすることが重要です。
  • マニュアル作成: 操作マニュアルや運用マニュアルなど、必要なマニュアルを作成します。
    • 注意点: わかりやすく、使いやすいマニュアルを作成し、いつでも参照できるようにしておくことが重要です。

8. 運用開始

  • 本番環境への移行: テストが完了したら、新システムを本番環境に移行します。
    • 注意点: 移行作業は慎重に行い、データの損失やシステ監視ム障害が発生しないよう注意する必要があります。
  • 運用開始: 本番環境で新システムの運用を開始します。
    • 注意点: 運用開始直後は、問題が発生しやすい時期です。 監視体制を強化し、迅速な対応ができるようにしておくことが重要です。

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9. 運用・保守

  • 監視: システムの稼働状況を監視し、問題発生時には迅速に対応します。
    • 注意点: システムの安定稼働を維持するため、定期的な監視と適切な保守を行うことが重要です。
  • 保守: システムのバージョンアップ、セキュリティ対策、障害対応などを行います。
    • 注意点: ベンダーと連携し、最新のセキュリティ対策を施すなど、システムを安全に運用することが重要です。
  • 改善: 運用状況を分析し、必要に応じてシステムの改善を行います。
    • 注意点: ユーザーからのフィードバックを収集し、システムを継続的に改善していくことが重要です。

上記以外にも、プロジェクト管理、リスク管理、品質管理など、システム導入を成功させるためには様々な要素が重要となります。

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この記事を書いた人

株式会社APPSWINGBY

株式会社APPSWINGBY マーケティング

APPSWINGBY(アップスイングバイ)は、アプリケーション開発事業を通して、お客様のビジネスの加速に貢献することを目指すITソリューションを提供する会社です。

ご支援業種

情報・通信、医療、製造、金融(銀行・証券・保険・決済)、メディア、流通・EC・運輸 など多数

監修

APPSWINGBY CTO川嶋秀一

株式会社APPSWINGBY
CTO 川嶋秀一

動画系スタートアップ、東証プライム R&D部門を経験した後に2019年5月に株式会社APPSWINGBY 取締役兼CTOに就任。
Webシステム開発からアプリ開発、AI、リアーキテクチャ、リファクタリングプロジェクトを担当。C,C++,C#,JavaScript,TypeScript,Go,Python,PHP,Vue.js,React,Angular,Flutter,Ember,Backboneを中心に開発。お気に入りはGo。