2025年 AI導入成功のためのステップ

前回は「AI導入で未来を掴む!2025年、業務システムの進化形」と題して、AIの活用トレンドから業務システムにおいての活用例についてご紹介しました。今回は、2025年におけるAI導入を成功させるためのステップを、詳しく解説していきます。
2-1. 現状分析と課題の明確化
AI導入の第一歩は、現状を把握し、課題を明確化することです。具体的には、以下の項目を分析する必要があります。
- 業務プロセス: 現在の業務プロセスを可視化し、ボトルネックとなっている箇所、AIで自動化・効率化できる箇所を洗い出します。
- 各業務における作業内容、所要時間、担当者、関連システムなどを詳細に分析します。
- 業務フロー図や業務記述書を作成することで、現状を客観的に把握することができます。
- データ活用状況: 収集・蓄積されているデータの種類、量、質、活用状況を把握します。
- 顧客データ、売上データ、在庫データ、センサーデータなど、保有するデータの種類を明確化します。
- データの形式、精度、最新性、アクセス権限などを確認します。
- データ分析や活用のためのツール、人材、ノウハウが不足していないかを確認します。
- システム環境: 既存システムの種類、バージョン、連携状況、セキュリティ対策などを確認します。
- オンプレミス型、クラウド型など、システムの導入形態を把握します。
- AI導入に必要なシステム要件を満たしているかを確認します。
- セキュリティ対策、データバックアップ体制などを確認します。
これらの分析結果を基に、AI導入によって解決すべき課題を明確化し、具体的な目標を設定することが重要です。
2-2. 目的に合わせたAI技術の選定
AI技術は、機械学習、深層学習、自然言語処理など、様々な種類があります。それぞれの技術には特徴があり、適用分野も異なります。導入するAI技術は、解決したい課題や目的に合わせて適切に選択する必要があります。
- 機械学習: データからルールやパターンを学習し、未知のデータに対して予測や分類を行う技術です。
- 予測分析、異常検知、画像認識、レコメンドなど、幅広い分野で活用されています。
- 学習データの量や質によって、予測精度が大きく左右されます。
- 深層学習: 人間の脳神経回路を模倣したニューラルネットワークを用いた学習方法です。
- 画像認識、音声認識、自然言語処理など、複雑なデータ処理に適しています。
- 機械学習よりも大量のデータが必要となりますが、より高度な分析や予測が可能です。
- 自然言語処理: 人間が使用する言語をコンピュータに理解させる技術です。
- 自動翻訳、チャットボット、テキストマイニング、感情分析など、様々な分野で活用されています。
- 文脈理解、意図解釈、多言語対応など、高度な技術開発が進んでいます。
AI技術の選定にあたっては、専門知識を持つベンダーやコンサルタントに相談することも有効です。
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2-3. データ整備とAIモデル構築
AIモデルを構築するためには、大量のデータが必要です。データ収集、クリーニング、前処理といったデータ整備を適切に行うことが、AIモデルの精度向上に不可欠です。
- データ収集: 必要なデータを様々なソースから収集します。
- 社内システム、外部データベース、公開データ、センサーデータなど、様々なソースを検討します。
- データ収集の方法、頻度、期間などを明確化します。
- データクリーニング: 収集したデータに含まれるエラーや欠損値を修正します。
- 重複データの削除、誤字脱字の修正、欠損値の補完などを行います。
- データの品質を高めることで、AIモデルの精度向上に繋がります。
- データ前処理: AIモデルに学習させるために、データを加工・変換します。
- データの正規化、数値化、カテゴリ化などを行います。
- AIモデルの学習効率を高めるために、適切な前処理を行う必要があります。
- データ整備が完了したら、AIモデルの学習と評価を行います。
- AIモデルの学習: 整備したデータをAIモデルに学習させます。
- 学習データの量、質、学習方法によって、AIモデルの精度が変化します。
- 適切な学習アルゴリズム、パラメータ設定など、専門的な知識が必要となります。
- AIモデルの評価: 学習済みAIモデルの精度を評価します。
- 正解率、再現率、適合率など、様々な指標を用いて評価を行います。
- 評価結果に基づいて、AIモデルの改善を繰り返します。
2-4. システム連携と運用体制の構築
構築したAIモデルを実際の業務システムに組み込み、運用していくためには、以下の点が重要となります。
- 既存システムとのAPI連携: AIモデルを既存システムと連携させるためには、API(Application Programming Interface)を利用します。
- API連携によって、データのやり取りを自動化し、シームレスなシステム連携を実現します。
- セキュリティ対策を施し、安全なデータ連携を確保する必要があります。
- AIモデルの継続的な学習と改善: AIモデルは、常に最新の状態に保つ必要があります。
- 新しいデータを追加学習させ、精度向上を図ります。
- 運用状況をモニタリングし、必要に応じてAIモデルの再学習やパラメータ調整を行います。
- セキュリティ対策とプライバシー保護: AIシステムのセキュリティ対策は非常に重要です。
- データの暗号化、アクセス制御、脆弱性診断など、適切なセキュリティ対策を講じます。
- 個人情報保護法などの関連法規を遵守し、プライバシー保護に配慮する必要があります。
AIシステムの運用には、専門的な知識を持つ人材が必要です。AI人材の育成、外部ベンダーとの連携など、適切な運用体制を構築することが重要です。
関連サービス:保守開発&DevOps
AI導入を成功させるためには、現状分析、AI技術の選定、データ整備、システム連携、運用体制構築といった、一連のプロセスを適切に進める必要があります。計画的にAI導入を進めることで、企業はAIの力を最大限に引き出し、ビジネスの成長を加速させることができます。
次回は、”AI導入によるリスクと課題”について解説します。
この記事を書いた人

株式会社APPSWINGBY マーケティング
APPSWINGBY(アップスイングバイ)は、アプリケーション開発事業を通して、お客様のビジネスの加速に貢献することを目指すITソリューションを提供する会社です。
ご支援業種
情報・通信、医療、製造、金融(銀行・証券・保険・決済)、メディア、流通・EC・運輸 など多数

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監修

株式会社APPSWINGBY CTO 川嶋秀一
動画系スタートアップ、東証プライム R&D部門を経験した後に2019年5月に株式会社APPSWINGBY 取締役兼CTOに就任。
Webシステム開発からアプリ開発、AI、リアーキテクチャ、リファクタリングプロジェクトを担当。C,C++,C#,JavaScript,TypeScript,Go,Python,PHP,Vue.js,React,Angular,Flutter,Ember,Backboneを中心に開発。お気に入りはGo。

株式会社APPSWINGBY CTO 川嶋秀一
動画系スタートアップ、東証プライム R&D部門を経験した後に2019年5月に株式会社APPSWINGBY 取締役兼CTOに就任。
Webシステム開発からアプリ開発、AI、リアーキテクチャ、リファクタリングプロジェクトを担当。C,C++,C#,JavaScript,TypeScript,Go,Python,PHP,Vue.js,React,Angular,Flutter,Ember,Backboneを中心に開発。お気に入りはGo。

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