AI導入の注意点

AI導入の注意点

前回は、「ビジネスにAIを導入するメリットと注意点」と題して、ビジネスにAIを導入するメリットについてご紹介しました。今回はAIを導入する際の注意点について、簡単にまとめてみました。

AI導入のポイント 導入コストと運用コスト

AI導入は、ビジネスに革新的な変化をもたらす可能性を秘めていますが、その一方で、無視できないのが導入コストと運用コストです。ここでは、AI導入に伴う具体的なコストについて、詳しく見ていきましょう!

AIシステムの開発・導入費用

AIシステムの導入には、以下のような多岐にわたる費用がかかります。

  • ハードウェア、ソフトウェアの購入費用: AI処理に必要な高性能なコンピュータや、AI開発に必要なソフトウェアの購入費用は、システムの規模や複雑さによって大きく変動します。
  • システム開発費用: AIモデルの構築、データの学習、システムの設計・開発など、一連の開発工程には、専門的な知識と技術を持つエンジニアの費用がかかります。
  • データ収集・整備費用: 以外に思われる方も多いのですが、AIシステムの開発・導入では、必ず”データ”が必要になります。AIの学習には、大量の高品質なデータが必要不可欠になる為、データの収集、クリーニング、加工など、データの準備には、時間とコストがかかるのです。

AI人材の確保・育成費用

AIプロジェクトを成功させるためには、専門的な知識を持つAI人材の確保が不可欠です。

  • 専門人材の採用コスト: AIエンジニアやデータサイエンティストは、高い専門性を持つため、採用コストも高額になる傾向があります。
  • 社内教育費用: 既存の社員をAI人材に育成するためには、外部研修や社内研修など、教育費用がかかります。
  • 外部コンサルティング費用: AI導入の初期段階では、外部コンサルタントに助言を求めるケースも多いため、コンサルティング費用も発生します。

運用・保守費用

AIシステムは、一度導入すれば終わりというわけではありません。継続的な運用・保守が必要になります。

  • システムメンテナンス費用: ハードウェアの故障やソフトウェアのバグに対応するためのメンテナンス費用がかかります。
  • データ更新費用: AIモデルの精度を維持するためには、定期的にデータを更新する必要があります。
  • アルゴリズム改善費用: ビジネス環境の変化や新たなデータの蓄積に伴い、アルゴリズムの改善が必要になる場合があります。

導入コストと運用コストを低減するために

導入コストと運用コストは、AI導入を検討する上で大きな課題となります。これらのコストを低減するために、以下のような対策が考えられます。

  • クラウドサービスの活用: 自社でサーバーを用意するのではなく、クラウドサービスを利用することで、初期投資を抑えることができます。
  • オープンソースソフトウェアの活用: 無料で利用できるオープンソースソフトウェアを活用することで、開発コストを削減できます。
  • スモールスタート: いきなり大規模なシステムを導入するのではなく、まずは小規模なプロジェクトからスタートし、段階的に規模を拡大していくことがおすすめです。
  • 社内人材の育成: 外部の専門家に頼るだけでなく、社内の社員を育成することで、長期的に見てコスト削減につながります。

AI導入は、メリットだけでなく、コストという側面も考慮する必要があります。

(業界別)AI導入比較概況表

AI導入コストは、業界、企業規模、導入するAIの種類や規模によって大きく変動します。以下に、一般的な業界におけるAI導入の際の要素とコストの変動要因をまとめた比較表を示します。

注: 上記はあくまで一般的な傾向であり、実際の導入コストは、個々の企業の状況によって大きく異なりますので、参考程度にご覧ください。

業界特徴導入コストの主な要素コスト変動要因
製造業生産ラインの自動化、品質管理、予測保全などAIシステム開発、センサー、ロボット、データ収集・分析システム生産ラインの規模、導入するAIの種類、データ量
金融業リスク管理、顧客分析、不正検知などAIシステム開発、データ分析ツール、セキュリティ対策データ量、モデルの複雑さ、規制対応
小売業顧客行動分析、在庫管理、パーソナライズ化などAIシステム開発、POSデータ分析、顧客データ分析、レコメンドシステム店舗数、顧客数、データの粒度
医療診断支援、新薬開発、医療画像分析などAIシステム開発、医療データ収集・分析、倫理的な問題への対応データのプライバシー保護、規制対応、医療機器の認証
IT業界ソフトウェア開発、インフラ管理、サイバーセキュリティなどAIシステム開発、クラウドコンピューティング、データエンジニアリングプロジェクト規模、技術の複雑さ
AI導入コスト比較表:業界別概況

気になるAIシステム開発の費用部分

気になるAIシステム開発の費用部分ですが、深層学習モデルなど、高度なモデルほど開発工数がかかる為、開発コストが高くなります。また、学習に必要なデータ量が増えるほど、データのクレンジング等に工数がかかりますのでコストも増加します。

既存のモデルをカスタマイズするのか、ゼロから開発するのかによってもコストが大きく変動しますので、どの工程・対象となるシステムにどのような目的をもったAIシステムを導入することを明確にすることが重要になります。

余談ですが、、、APPSWINGBYでは可能であるならばというのが前提になりますが、すべての理想を開発し実現する前にスモールスタートから始めることをお勧めしたりしています。その詳しい理由についてはまた別の記事でご紹介したいと思います。

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まとめ

AI導入は、ビジネスの成長を加速させる強力なツールですが、その導入にはコストがかかります。本記事では、AI導入に伴う具体的なコストについて解説し、コストを低減するための対策を提案しました。AI導入を検討する際には、メリットだけでなく、コストについても十分に検討し、慎重な意思決定を行うことが重要です。

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この記事を書いた人

株式会社APPSWINGBY

株式会社APPSWINGBY マーケティング

APPSWINGBY(アップスイングバイ)は、アプリケーション開発事業を通して、お客様のビジネスの加速に貢献することを目指すITソリューションを提供する会社です。

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監修

APPSWINGBY CTO川嶋秀一

株式会社APPSWINGBY
CTO 川嶋秀一

動画系スタートアップ、東証プライム R&D部門を経験した後に2019年5月に株式会社APPSWINGBY 取締役兼CTOに就任。
Webシステム開発からアプリ開発、AI、リアーキテクチャ、リファクタリングプロジェクトを担当。C,C++,C#,JavaScript,TypeScript,Go,Python,PHP,Vue.js,React,Angular,Flutter,Ember,Backboneを中心に開発。お気に入りはGo。