LLMからAIエージェントまで。基本となるAI用語をまとめてご紹介します。

AIの検討や開発において、AI用語を知ることはプロジェクトを進める上で必要不可欠なタスクになりますが、AI開発の内容によってはAI用語が偏ってしまう場合が多々あります。知らないAI用語だらけで意味も分からずプロジェクトだけが進んでいくことを避ける目的で、今回はAI開発プロジェクトにおける基本用語10選をまとめてみました。
データサイエンティスト、開発者以外にも知っておいて損はしないAI用語ですので、是非、ご覧ください。
それでは、さっそくはじめていきましょう!
LLM(大規模言語モデル)
LLMとは、Large Language Modelの略で(日本語訳では大規模言語モデル)、膨大なテキストデータを学習し、人間のような自然な言語を生成・理解する能力を持つ深層学習モデルのことです。
近年、自然言語処理分野において、その高い性能から注目を集めています。
大規模言語モデルは、主にTransformerと呼ばれるニューラルネットワークアーキテクチャに基づいて構築されています。Transformerは、自己注意機構(Self-Attention)と呼ばれる仕組みを用いて、テキスト中の単語間の関係性を学習します。
大規模言語モデルは、インターネット上のウェブサイト、書籍、論文など、膨大な量のテキストデータを学習することで、言語の文法や意味、さらには常識や知識まで獲得します。学習済みのモデルは、与えられたプロンプト(指示)に基づいて、テキストを生成したり、質問に答えたり、翻訳を行ったりすることができます。
詳しくは、IT用語辞典【LLM(大規模言語モデル)】で解説しています。
AGI(汎用人工知能)
AGIとは、Artificial General Intelligenceの略で、日本語では汎用人工知能と訳されます。
人間と同等以上の知能を持ち、人間が持つような幅広い知識や能力を汎用的に実現する人工知能のことで、特定のタスクに特化した現在の人工知能とは異なり、様々な分野で人間のように考え、学習し、行動できる能力を持つとされています。
汎用人工知能は、「強いAI」とも呼ばれます。これは、特定のタスクに特化した「弱いAI」と対比される概念です。弱いAIは、画像認識や音声認識など、特定の分野で人間を超える能力を発揮しますが、汎用的な知能は持ちません。一方、強いAIである汎用人工知能は、人間のように様々な問題を解決し、創造的な活動を行うことができると考えられています。
詳しくは、IT用語辞典【AGI(汎用人工知能)】で解説しています。
機械学習
機械学習とは、コンピュータに大量のデータを学習させることで、データの中に潜むパターンやルールを発見し、将来の予測や判断を行うことができるようにする技術です。人が明示的にプログラムを書くことなく、コンピュータ自身がデータから「学習」し、能力を向上させていく点が特徴です。
機械学習には、いくつかの種類がありますので、以下にリストしました。各用語の概要は次のセクションにてご紹介します。
- 教師あり学習: データとその正解ラベル(例:画像と「猫」というラベル)をペアで与え、モデルに予測や分類のルールを学習させます。
- 教師なし学習: 正解ラベルのないデータのみを与え、モデルにデータの構造やパターンを発見させます。
- 強化学習: モデルが試行錯誤を繰り返し、報酬を最大化するように行動を学習します
詳しくは、IT用語辞典【機械学習】で解説しています。
教師あり学習
教師あり学習とは、機械学習の一種であり、AIに正解と不正解のデータを大量に与えることで、AIが自ら学習し、未知のデータに対して適切な予測や判断を行えるようにする学習方法です。
教師あり学習では、まず「訓練データ」と呼ばれる、大量の正解と不正解のデータセットをAIに与えます。AIは、この訓練データを分析し、データの特徴と正解の関係性を学習します。
例えば、犬と猫の画像を識別するAIを学習させる場合、AIに大量の犬と猫の画像と、それぞれの画像が犬であるか猫であるかの情報(ラベル)を与えます。AIは、これらの画像データから、犬と猫の画像に共通する特徴(耳の形、鼻の形、体の模様など)を学習し、未知の画像が犬であるか猫であるかを予測できるようになります。
詳しくは、IT用語辞典【教師あり学習】で解説しています。
教師なし学習
教師なし学習とは、機械学習の一種であり、AIに正解ラベルのない大量のデータを与えることで、AIがデータの中に潜むパターンや構造を自ら発見し、学習する手法です。
教師なし学習では、正解ラベルのないデータセットをAIに与えます。AIは、与えられたデータの中から、データの類似性や分布、関連性などの特徴を抽出し、それに基づいてデータをグループ分けしたり、データの構造を可視化したりします。
例えば、大量の顧客の購買履歴データを与えられたAIは、顧客の購買傾向に基づいて顧客をいくつかのグループに分けたり(クラスタリング)、購買履歴の中から関連性の高い商品を見つけ出したり(次元削減、アソシエーション分析)することができます。
詳しくは、IT用語辞典【教師なし学習】で解説しています。
強化学習
強化学習とは、機械学習の一分野であり、エージェントと呼ばれる主体が、ある環境の中で試行錯誤を繰り返しながら、最適な行動を学習していく手法です。
強化学習では、エージェントは環境との相互作用を通じて学習します。具体的には、以下の要素が重要となります。
- エージェント: 学習する主体。
- 環境: エージェントが行動する場。
- 行動: エージェントが環境に対して行う操作。
- 報酬: エージェントの行動に対して、環境から与えられる評価。
- 状態: 環境の現在の状況。
エージェントは、ある状態において、様々な行動を試みます。その結果、環境から報酬を得ます。報酬は、エージェントの行動がどれほど適切であったかを示す指標となります。エージェントは、より多くの報酬を得られるように、行動を学習していきます。
詳しくは、IT用語辞典【強化学習】で解説しています。
ニューラルネットワーク
ニューラルネットワーク(Neural Network, NN)は、人間の脳神経系の構造と機能を模倣した人工知能(AI)の一種のことです。
人間の脳は、数十億個のニューロンと呼ばれる神経細胞が複雑に絡み合い、ネットワークを形成しています。ニューロン同士はシナプスと呼ばれる接合点で繋がり、情報を伝達し合います。
ニューラルネットワークは、人工ニューロンと呼ばれる数理モデルを用いて、この脳神経系のネットワークを模倣しています。人工ニューロンは、入力信号を受け取り、重みと呼ばれる係数を使って処理し、出力信号を出力します。人工ニューロン同士は、シナプスと呼ばれる接続で繋がっており、互いに情報を伝達し合います。
詳しくは、IT用語辞典【ニューラルネットワーク】で解説しています。
AIエージェント
AIエージェントとは、人工知能(AI)を活用し、自律的にタスクを実行するプログラムまたはシステムのことです。人間が指示した目標を達成するために、AIエージェントは様々な情報を収集・分析し、最適な行動を判断・実行します。
AIエージェントの主な特徴は以下の通りです。
- 自律性: 人間の指示を待つのではなく、自ら考えて行動します。
- 知能: 機械学習や深層学習などの技術を活用し、状況に応じて適切な判断を下します。
- 学習能力: 過去の経験から学習し、より賢く行動できるようになります。
- 多様なタスク: 単純な作業だけでなく、複雑なタスクも実行できます。
- 相互作用: 人間や他のAIエージェントとコミュニケーションを取ることができます。
AIエージェントは、私たちの生活や社会を大きく変える可能性を秘めた技術です。その進化から目が離せない技術のひとつです。
詳しくは、IT用語辞典【AIエージェント】で解説しています。
関連サービス:AIソリューション
AI開発に関するお問い合わせはこちら

システム開発にお困りではありませんか?
もしも今現在、
- どのように開発を依頼したらよいかわからない
- どのように開発を依頼したらよいかわからない
- 企画や要件定義の段階から依頼できるのか知りたい
- システム開発費用がどれくらいかかるのか知りたい
- 見積りがほしい
など、システム開発に関するご相談・ご依頼がございましたら、お気軽にご相談ください。APPSWINGBYでは、「アプリでお客様のビジネスを加速し、お客様とともにビジネスの成功と未来を形作ること」をミッションとしています。大手SIerやR&D部門で培った経験やノウハウ、高度な技術力でお客様の「やりたい」を実現します。
この記事を書いた人

株式会社APPSWINGBY マーケティング
APPSWINGBY(アップスイングバイ)は、アプリケーション開発事業を通して、お客様のビジネスの加速に貢献することを目指すITソリューションを提供する会社です。
ご支援業種
情報・通信、医療、製造、金融(銀行・証券・保険・決済)、メディア、流通・EC・運輸 など多数

株式会社APPSWINGBY マーケティング
APPSWINGBY(アップスイングバイ)は、アプリケーション開発事業を通して、お客様のビジネスの加速に貢献することを目指すITソリューションを提供する会社です。
ご支援業種
情報・通信、医療、製造、金融(銀行・証券・保険・決済)、メディア、流通・EC・運輸 など多数
監修

株式会社APPSWINGBY CTO 川嶋秀一
動画系スタートアップ、東証プライム R&D部門を経験した後に2019年5月に株式会社APPSWINGBY 取締役兼CTOに就任。
Webシステム開発からアプリ開発、AI、リアーキテクチャ、リファクタリングプロジェクトを担当。C,C++,C#,JavaScript,TypeScript,Go,Python,PHP,Vue.js,React,Angular,Flutter,Ember,Backboneを中心に開発。お気に入りはGo。

株式会社APPSWINGBY CTO 川嶋秀一
動画系スタートアップ、東証プライム R&D部門を経験した後に2019年5月に株式会社APPSWINGBY 取締役兼CTOに就任。
Webシステム開発からアプリ開発、AI、リアーキテクチャ、リファクタリングプロジェクトを担当。C,C++,C#,JavaScript,TypeScript,Go,Python,PHP,Vue.js,React,Angular,Flutter,Ember,Backboneを中心に開発。お気に入りはGo。