2024年以降のAIとWebスクレイピングの未来と可能性

今回は、生成AIを中心に驚異的なスピードで進化し続けるAIと既存の技術として様々な分野で活用されているWebスクレイピングの未来と可能性について考えます。AIはもちろんですが、Webスクレイピングの分野についてもAIの進化にあわせて今後大きな進化が予想されていますので、今回はWebスクレイピングの未来と可能性についての深堀です。

AIの進化について

プロセッサの進化

日本時間4月10日に開催されていたGoogleのイベント「Google Cloud Next ’24(外部リンク)」で、同社が開発しているAI処理に特化したプロセッサ「Cloud TPU v5p」を発表しました。同社は、TPU v5pは前世代のTPU 4と比較して約3倍程度高速に大規模言語モデル(LLM)をトレーニングと発表しました。

Enabling next-generation AI workloads: Announcing TPU v5p and AI Hypercomputer

プロセッサの進化は凄まじいものがあります。プロセッサについては今後も、Cloud TPU v5pだけではなく、他のメーカーも次々と新しい製品を発表し、今後もプロセッサの処理速度、浮動小数点演算性能(FLOPS)が大幅に向上したプロセッサが開発され、市場に投入され、それに伴いAIも進化し続けることは間違いのない未来です。

大規模言語モデル(LLM)の能力向上

プロセッサの進化と共に、大規模言語モデル(LLM)能力も大幅に向上されることが予想されます。GPTやCLAUDE、Palmといった大規模言語モデルの性能が飛躍的に向上し、より自然な対話や優れた文章生成が可能になります。

マルチモーダル対応が進み、画像や動画の理解・生成能力が高まっていくでしょう。

AI推論の高速化・省電力化

ハードウェアとソフトウェアの最適化によって、AIの推論速度が格段に向上し、リアルタイムに近い処理が可能になるでしょう。既にエッジデバイスへのAI搭載が話題になっていますが、エッジデバイスでのAI推論が一般化し、データセンターに依存しない分散型AIが実現する未来はもはや目の前です。

但し、、エッジデバイス、つまりスマートフォンへのAI搭載については、便利さと引き換えに、バッテリーの急激な消費や発熱問題、スマートフォンの寿命が縮まるなどの問題も引き起こしそうな予感がしています。

ニューラル・シンボリック統合(Neuro-Symbolic Integration)

ニューラル・シンボリック統合(Neuro-Symbolic Integration)は、近年大きな注目を集めている人工知能(AI)研究分野の一つで、ニューラルネットワークとシンボリックAIの長所を組み合わせることで、従来のAIでは実現できなかった高度な知能を実現しようとするものです。

ニューラルネットワークは、膨大な量のデータから学習することで、パターン認識や予測などのタスクに優れています。一方、シンボリックAIは、論理的な推論や知識表現に優れています。

深層学習と記号的AIの融合により、より高度な推論と説明能力を持つAIが登場することで、因果推論や一般化能力が向上し、AIの適用範囲が大きく広がり、研究分野での活用がさらに進むことになるでしょう。

Webスクレイピングの進化について

さて、AIの進化についての話が長くなってしまいましたが、ここからWebスクレイピングの進化について考察していきます。

監修

APPSWINGBY CTO川嶋秀一

株式会社APPSWINGBY
CTO 川嶋秀一

動画系スタートアップ、東証プライム R&D部門を経験した後に2019年5月に株式会社APPSWINGBY 取締役兼CTOに就任。
Webシステム開発からアプリ開発、AI、リアーキテクチャ、リファクタリングプロジェクトを担当。C,C++,C#,JavaScript,TypeScript,Go,Python,PHP,Vue.js,React,Angular,Flutter,Ember,Backboneを中心に開発。お気に入りはGo。