MTUとは

MTUは、ネットワークにおいて1つのパケット(フレーム)で転送できるデータの最大サイズのことです。

正式名称をMaximum Transmission Unitと呼び、通信プロトコルや物理的なネットワーク媒体ごとにその上限値が規定されています。この値を適切に設定することは、通信効率の最適化やパケットの断片化(フラグメンテーション)に伴う遅延を防ぐために不可欠な要素です。

MTUの構造と内訳

MTUが指すサイズには、IPヘッダーやTCPヘッダーなどの制御情報(オーバーヘッド)が含まれます。

1. イーサネットにおける標準値

一般的な有線LAN(イーサネット)では、MTUの標準値は1500バイトと定められています。

2. ペイロードとMSSの関係

MTUからIPヘッダー(通常20バイト)とTCPヘッダー(通常20バイト)を差し引いた、純粋にデータとして送信できる最大サイズをMSS(Maximum Segment Size)と呼びます。計算式で表すと以下のようになります。

MSS = MTU – (IPヘッダーサイズ + TCPヘッダーサイズ)

MTUの不一致による影響

通信経路上の各ネットワーク機器(ルータやスイッチ)が保持するMTU設定が異なる場合、以下のような事象が発生します。

1. フラグメンテーション(断片化)

送信されるパケットが、経路上にあるルータのMTUよりも大きい場合、ルータはそのパケットを細かく分割して転送します。これをIPフラグメンテーションと呼びます。

2. パケットの廃棄と「通信不可」

パケットに分割禁止(Don’t Fragment)フラグが設定されている場合、MTUを超えたパケットは分割されずに破棄されます。これにより、特定のウェブサイトが表示されない、あるいは大きなファイルの転送が途中で止まるといったトラブルの原因となります。

経路MTU探索(PMTUD)

送信元から宛先までの経路全体を通じて、最小のMTU値を自動的に特定する仕組みを経路MTU探索(Path MTU Discovery)と呼びます。

  • 送信元はまず自身のMTUサイズでパケットを送信します。
  • 途中のルータでMTUを超えた場合、ICMPメッセージ(Destination Unreachable)が返されます。
  • 送信元はその通知を元にパケットサイズを段階的に縮小し、最適なMTUを決定します。

特殊な環境におけるMTU

ネットワーク構成によっては、標準の1500バイトとは異なる値が用いられます。

  • ジャンボフレーム:高速なギガビットイーサネット環境などで、MTUを9000バイト程度まで拡張し、オーバーヘッドを減らしてスループットを向上させる技術です。
  • PPPoE:ADSLや光回線の接続方式では、カプセル化のために8バイトのヘッダーが付与されるため、MTUは1492バイト(1500 – 8)に制限されることが一般的です。

通信効率 \eta を評価する際、データサイズを D 、ヘッダーサイズを H とすると、以下の関係で表されます。

\eta = \frac{D}{D + H}

MTUが大きいほど、同一データ量を送る際のパケット数が減り、計算上の効率 \eta は向上しますが、エラー発生時の再送コストも増大するため、通信環境に応じた適切な設計が求められます。

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