VGGとは
VGG(Visual Geometry Group)とは、オックスフォード大学のVisual Geometry Groupによって開発された深層畳み込みニューラルネットワーク(CNN)のアーキテクチャの総称です。2014年のImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge(ILSVRC)で高い成績を収め、そのシンプルで均一な構造が、後のCNN研究や応用において大きな影響を与えました。VGGの主な特徴は、小さな3×3の畳み込みフィルタを多層に重ねて利用することで、より複雑な特徴を捉えることができる点にあります。
VGG の基本概念
VGGの設計思想は、ネットワークの深さを増やすことが認識精度向上に繋がるという考えに基づいています。しかし、単純に層を深くするだけでは勾配消失などの問題が発生するため、VGGでは小さな3×3の畳み込みフィルタを連続して適用することで、受容野(receptive field)を拡大しつつ、パラメータ数の増加を抑える工夫がされています。例えば、2層の3×3畳み込み層は、1層の5×5畳み込み層と同じ受容野を持ちながら、より少ないパラメータ数でより多くの非線形性を導入できます。
VGG のアーキテクチャ
VGGには、層の深さによって複数のバリエーションが存在します。代表的なものには、16層のVGG16と19層のVGG19があります。基本的な構造は共通しており、畳み込み層(3×3フィルタ、ストライド1、パディングあり)とReLU活性化関数、そしてMaxプーリング層(2×2フィルタ、ストライド2)が繰り返し適用されるブロックで構成されています。これらのブロックの後に、全結合層が続き、最終的にソフトマックス関数でクラス分類を行います。
典型的なVGGの構成(VGG16):
- 畳み込み層: 64チャネル、2層
- Maxプーリング層: サイズ 2×2、ストライド 2
- 畳み込み層: 128チャネル、2層
- Maxプーリング層: サイズ 2×2、ストライド 2
- 畳み込み層: 256チャネル、3層
- Maxプーリング層: サイズ 2×2、ストライド 2
- 畳み込み層: 512チャネル、3層
- Maxプーリング層: サイズ 2×2、ストライド 2
- 畳み込み層: 512チャネル、3層
- Maxプーリング層: サイズ 2×2、ストライド 2
- 全結合層: 4096ユニット、ReLU活性化関数
- 全結合層: 4096ユニット、ReLU活性化関数
- 全結合層: 1000ユニット(ImageNetの場合)、ソフトマックス関数
VGG の特徴
- 小さな畳み込みフィルタの多層構造: 3×3の小さな畳み込みフィルタを重ねることで、大きな受容野を獲得し、複雑な特徴を捉えます。
- 均一なネットワーク構造: 畳み込み層とプーリング層が規則的に配置されており、構造が比較的シンプルで理解しやすいです。
- 深いネットワーク: 16層や19層といった深いネットワークを効果的に学習できることを示しました。
VGG のメリット
- 高い認識精度: ILSVRC 2014で高い成績を収め、その有効性を示しました。
- 構造のシンプルさ: 均一な構造であるため、実装や理解が比較的容易です。
- 特徴の階層的な学習: 深いネットワークにより、画像の特徴を階層的に学習できます。
VGG のデメリット
- パラメータ数の多さ: 小さなフィルタを多層に重ねるため、パラメータ数が多くなり、学習に多くの計算リソースと時間を必要とします。
- 推論時の計算コスト: パラメータ数が多いことは、推論時にも多くの計算資源を必要とすることを意味します。
VGG の応用例
VGGは、画像認識分野において広く利用されました。
- 画像分類: ImageNetなどの大規模画像データセットを用いた高精度な画像分類
- 物体検出: Faster R-CNNなどの物体検出フレームワークのバックボーンネットワークとして利用
- 特徴抽出: 画像の汎用的な特徴抽出器として利用され、他の画像処理タスクに応用
VGG(Visual Geometry Group)は、小さな3×3の畳み込みフィルタを多層に重ねるというシンプルかつ効果的なアプローチで、深層畳み込みニューラルネットワークの可能性を示しました。その均一な構造と高い認識精度は、後のCNNアーキテクチャの研究に大きな影響を与え、現代の画像認識技術の発展に貢献しました。
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